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第3章「ゴルゴダの丘」
第70話 久しぶりに二人きりの夜
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楽しい晩餐のあとの夜。久しぶりに私の寝室に明けの明星様がお訪ねになられました。
ほんの数日離ればなれになっただけだというのに私にはとても久しぶりの事のように感じられたのです。
「こんばんは。ごきげんよう。」
私はベッドに寝そべったまま、悪戯っぽくご挨拶します。明けの明星様はそんな私を責めることはなさらずに楽しそうに
「つまらんな。男が深夜に全裸でやってきたんや。もうちょっと驚けや。」と要求なさいました。
「あら。だって。明けの明星様はずっと全裸ではありませんか。」
私がクスクス笑ってそう答えると明けの明星様もクスリと笑われるのでした。
そのお顔のお美しい事。
カールをまいたフワフワの金髪に宝石のようにつくしいお目目が緩むとなんともお優しいお顔になられます。
こんな美少年が恐ろしい魔王様だなんて誰が思うでしょう?
そう思いながら、明けの明星様の絶大なお力を知りながら、私は尋ねてしまうのでした。
「ねぇ、明けの明星様。
私たちは勝てるのでしょうか?
そして、異界の魔王様とは何者ですか? 明けの明星様とタヴァエルお姉様は御存じのようですが・・・どうして土と光の国をお滅ぼしになられた魔王様の事を教えて下さらないのです?」
私はこの機会に皆が思ってはいても聞けなかったことを尋ねます。私は・・・いえ、きっと皆わかっていました。あの時点で明けの明星様が異界の魔王様の名前や素性をお話しくださらないのは言いにくい訳があるのだと。その訳に触れることを誰もが遠慮して尋ねられなかったのです。
ですが、今、この場にては私は明けの明星様に尋ねておくべきだと思ったのです。だって、この場には私と明けの明星様しかいません。もしかしたら明けの明星様の妻になる私の前でなら、お話しくださると思ったのです。
明けの明星様はそんな私の質問をお聞きになられると真面目な顔になられてお答えを拒否なされました。
「奴の詳細も名前も教えられん。
それは奴と縁を作ることになる厄介なことになるからや。
フェデリコは戦っていた時、俺の名前を呼ぶことを避けていただろう? それと同じ理由や。
奴の名前を呼ぶことをお前らにさせるわけにはいかん。それで名前も詳細も教えんかったんや。」
明けの明星様はそう仰るのですが、明けの明星様がそのような警戒されるということは即ち、それだけ危険な相手だという事を証明するようなものです。
「では、明けの明星様は、かの異界の魔王様は明けの明星様の力をもってしても危険な相手だとそう認識なさっておられるという事ですね?」
私が無礼を承知でお尋ねすると、明けの明星様は黙って頷かれました。
「あの時、あの場にいた者達がお前と同じように奴の名を尋ねなかった気遣いや勘は正しい。
せやから、お前らは奴に関わらんようにしてもらいたい。
奴は俺とタヴァエルが仕留める。ええな?」
明けの明星様はとても不安になるようなことを仰いました。私たちにとって絶対的な力を持たれている明けの明星様がこれほど危機感を感じておられる相手・・・。私たちもそれはもちろん、異界の魔王様について脅威を抱いてはおりました。土と光の国を亡ぼすほど・・・異界を一つを破壊せしめるほどの暴力がるなど想像もしていなかったのですから、その暴力の主と戦うことになると聞いたときは全員が震えあがる思いでした。
それでも、それでも明けの明星様なら問題なく解決なされると、どこか心の中で安堵してもいたのです。しかし、それは私たちの勝手な妄想にすぎませんでした。敵は私たちのそんなお気楽な安心が得られるほどの相手ではなかったのです。それは明けの明星様が徹底的に私たちから、かの魔王様を遠ざけようとなさっておられる姿勢が証明しているのです。
私の不安は高まり、胸にざわつきを覚えずにはいられませんでした。
そんな私の不安を取り払う様に明けの明星様は「こっちは大丈夫や。それよりもお前らこそ、気ぃ抜いとったら負けるぞ。」と、発破をかけてくださるのです。
「ええか? シェーン・シェーン・クーとアンナはまず大丈夫やろうけど、ヴァレリオはどっちに転ぶかわからん勝負やぞ。
最悪、あいつら総出で魔神スーリ・スーラ・リーンと戦うことになるやもしれんな。」
「・・・っ!! ヴァレリオ様がっ!?」
明けの明星様は不吉な予言をなさいました。もしかしたら、ヴァレリオ様が敗北するかもしれないと、そういう意味なのでしょう。
しかし、その可能性は十分にあるのはわかっていました。なんといってもアンナお姉様ですら歯が立たない魔神様が相手ともなれば、勝率が低くなるのは自明の理。しかし、私はその現実を正面から見つめるのが恐ろしくて気が付かないつもりでいました。
しかし、明けの明星様に改めてそう言われると・・・私は不安でたまりませんでした。
ですが、勝利への道筋も明けの明星様は示してもいてくださいます。
「つまり・・・。アンナお姉様、シェーン・シェーン・クー様が各個撃破の後にヴァレリオ様と合流し、戦えばなんとかなると・・・?」
私が明けの明星様に尋ねると明けの明星様は「当たり前や」とお答えになられ、また同時に希望の光も示してくださいました。
「ええか? いくらスーリ・スーラ・リーンといえども3対1ではどうにもならん。その形になるまでヴァレリオが耐え凌げば、勝ち筋はいくらでもある。」
そう断言なさってから、私の頬に手を当てて励ますように言って下さったのです、
「でもな。勝負の世界は何が起きるかわからん。
圧倒的な力。圧倒的な速度。圧倒的なスタミナ。圧倒的な技術を持ち合わせていても勝負の世界に絶対はない。
どんな弱者にも戦う以上は大番狂わせな勝利を手にする可能性はある。
ヴァレリオが単独で魔神スーリ・スーラ・リーンに勝利する可能性も十分にあるんやで?」
明けの明星様にそう言われると私は救われたようにホッとしてしまい涙をこぼして落ち着きます。
「そんなことよりもラーマ。お前の方こそ気を付けいよ?
ジェノバ国王ピエトロ・ルーは噂にたがわぬ戦上手。ヴァレリオの心配などしていると足元をすくわれるぞ。」
明けの明星様はそう言って私に発破をかけてくださいます。
恐ろしいのにお優しい魔王様。明けの明星様。・・・あなたはいつもわたくしを支えてくださるのですね。
あなたがいなければ、とっくの昔に敵国に滅ぼされたり、心が折れてしまっていたでしょう。
私は明けの明星様に心の中で感謝しながら尋ねました。
「ねぇ、明けの明星様。
明けの明星様はどうしてそんなに私に優しくしてくださるんですか?
初めて会った時から、私に優しかった・・・。
惨めなお飾りの、人身御供のために育てられた私が今日生きていけるのは明けの明星様のおかげです。
あなたにとって私は矮小な存在のはずです。
私を美貌の持ち主と褒めてくださいますが、明けの明星様にはアンナお姉様やタヴァエルお姉様までいらっしゃいます。そうだ、男性ですがシェーン・シェーン・クー様もおられます。
その方たちと比べたら私の容姿などいかほどのものでしょうか?
ねぇ。明けの明星様。知っておられましたか?私は明けの明星様のお優しさに心惹かれていたんですよ?
アンナお姉様にも告白したことがありますが、明けの明星様と結婚して子を成して幸せに暮らす未来を描いてもいました。
・・・なのに、ヴァレリオ様が私の前に現れて・・・。明けの明星様はヴァレリオ様の提案を受け入れて花嫁争奪戦を始めてしまいました。
どうして、私を想っておられるのに、私を奪い去ろうとしなかったのですか?
そして、どうして今でもこんなに優しくしてくださるのですか?
教えてください。明けの明星様。」
私は二人きりなのをいいことに明けの明星様を質問攻めにしました。明けの明星様はそんな私の話を最後まで聞いてから、ため息をついてお答えになられました。
「久しぶりに二人きりで寝室におるというのに、長々とくだらない話を・・・
なんで俺がお前に優しいかやと?
なんで俺がヴァレリオとの花嫁争奪戦を了承したかやと?」
明けの明星様はそこまで仰ると一呼吸分間を置いて、私を見つめながらお答えくださいました。
「そんなもん自信があるからや。
お前に対する愛に。そして、お前が俺を選んでくれるという事に。」
明けの明星様はきっぱりと私への愛をお答えになられました。
・・・正直、嬉しいです。不謹慎かもしれませんが、二人の殿方からの求婚。そしてそのお二人とも私の事を愛してくださっておられることが・・・。私は正直に申し上げて嬉しかったのです。もしかしたら私は浮気性ないい加減な女かも知れません。でも・・・そうだとしても、この気持ちは嘘ではないのです。
明けの明星様のお気持ちを聞かされると目から涙がポロポロとこぼれ落ち、やがて肩を震わせて泣きじゃくってしまう私を明けの明星様は何も言わずに抱きしめてくださいました。
「明けの明星様。私、決めました。
この戦。この戦が終わるときに私も心を決めます。
どちらの殿方が劣っているということはありません。ですが、私は決めなければいけないのです。
それはお二人の気持ちに誠実になることに合わせて、私の純情を私が裏切らないためのものでもあるのです。」
私はハッキリとそう宣言しました。それが私の決断でした。
明けの明星様は
「そんなにすぐに決める必要ないで?
あいつよりも俺の方に心が傾くまで俺は返事せんでええと思うで?」なんて軽口を仰るので私、涙をこぼしながら笑ってしまうのです。
「もうっ!! 明けの明星様ったら・・・。」
この軽口が明けの明星様のお優しさだということはわかり切った事です。今日も私は明けの明星様のお優しさに支えられて笑うことができるのだと、その優しさに甘えるように明けの明星様と今夜はいつまでも談笑するのでした・・・。
ほんの数日離ればなれになっただけだというのに私にはとても久しぶりの事のように感じられたのです。
「こんばんは。ごきげんよう。」
私はベッドに寝そべったまま、悪戯っぽくご挨拶します。明けの明星様はそんな私を責めることはなさらずに楽しそうに
「つまらんな。男が深夜に全裸でやってきたんや。もうちょっと驚けや。」と要求なさいました。
「あら。だって。明けの明星様はずっと全裸ではありませんか。」
私がクスクス笑ってそう答えると明けの明星様もクスリと笑われるのでした。
そのお顔のお美しい事。
カールをまいたフワフワの金髪に宝石のようにつくしいお目目が緩むとなんともお優しいお顔になられます。
こんな美少年が恐ろしい魔王様だなんて誰が思うでしょう?
そう思いながら、明けの明星様の絶大なお力を知りながら、私は尋ねてしまうのでした。
「ねぇ、明けの明星様。
私たちは勝てるのでしょうか?
そして、異界の魔王様とは何者ですか? 明けの明星様とタヴァエルお姉様は御存じのようですが・・・どうして土と光の国をお滅ぼしになられた魔王様の事を教えて下さらないのです?」
私はこの機会に皆が思ってはいても聞けなかったことを尋ねます。私は・・・いえ、きっと皆わかっていました。あの時点で明けの明星様が異界の魔王様の名前や素性をお話しくださらないのは言いにくい訳があるのだと。その訳に触れることを誰もが遠慮して尋ねられなかったのです。
ですが、今、この場にては私は明けの明星様に尋ねておくべきだと思ったのです。だって、この場には私と明けの明星様しかいません。もしかしたら明けの明星様の妻になる私の前でなら、お話しくださると思ったのです。
明けの明星様はそんな私の質問をお聞きになられると真面目な顔になられてお答えを拒否なされました。
「奴の詳細も名前も教えられん。
それは奴と縁を作ることになる厄介なことになるからや。
フェデリコは戦っていた時、俺の名前を呼ぶことを避けていただろう? それと同じ理由や。
奴の名前を呼ぶことをお前らにさせるわけにはいかん。それで名前も詳細も教えんかったんや。」
明けの明星様はそう仰るのですが、明けの明星様がそのような警戒されるということは即ち、それだけ危険な相手だという事を証明するようなものです。
「では、明けの明星様は、かの異界の魔王様は明けの明星様の力をもってしても危険な相手だとそう認識なさっておられるという事ですね?」
私が無礼を承知でお尋ねすると、明けの明星様は黙って頷かれました。
「あの時、あの場にいた者達がお前と同じように奴の名を尋ねなかった気遣いや勘は正しい。
せやから、お前らは奴に関わらんようにしてもらいたい。
奴は俺とタヴァエルが仕留める。ええな?」
明けの明星様はとても不安になるようなことを仰いました。私たちにとって絶対的な力を持たれている明けの明星様がこれほど危機感を感じておられる相手・・・。私たちもそれはもちろん、異界の魔王様について脅威を抱いてはおりました。土と光の国を亡ぼすほど・・・異界を一つを破壊せしめるほどの暴力がるなど想像もしていなかったのですから、その暴力の主と戦うことになると聞いたときは全員が震えあがる思いでした。
それでも、それでも明けの明星様なら問題なく解決なされると、どこか心の中で安堵してもいたのです。しかし、それは私たちの勝手な妄想にすぎませんでした。敵は私たちのそんなお気楽な安心が得られるほどの相手ではなかったのです。それは明けの明星様が徹底的に私たちから、かの魔王様を遠ざけようとなさっておられる姿勢が証明しているのです。
私の不安は高まり、胸にざわつきを覚えずにはいられませんでした。
そんな私の不安を取り払う様に明けの明星様は「こっちは大丈夫や。それよりもお前らこそ、気ぃ抜いとったら負けるぞ。」と、発破をかけてくださるのです。
「ええか? シェーン・シェーン・クーとアンナはまず大丈夫やろうけど、ヴァレリオはどっちに転ぶかわからん勝負やぞ。
最悪、あいつら総出で魔神スーリ・スーラ・リーンと戦うことになるやもしれんな。」
「・・・っ!! ヴァレリオ様がっ!?」
明けの明星様は不吉な予言をなさいました。もしかしたら、ヴァレリオ様が敗北するかもしれないと、そういう意味なのでしょう。
しかし、その可能性は十分にあるのはわかっていました。なんといってもアンナお姉様ですら歯が立たない魔神様が相手ともなれば、勝率が低くなるのは自明の理。しかし、私はその現実を正面から見つめるのが恐ろしくて気が付かないつもりでいました。
しかし、明けの明星様に改めてそう言われると・・・私は不安でたまりませんでした。
ですが、勝利への道筋も明けの明星様は示してもいてくださいます。
「つまり・・・。アンナお姉様、シェーン・シェーン・クー様が各個撃破の後にヴァレリオ様と合流し、戦えばなんとかなると・・・?」
私が明けの明星様に尋ねると明けの明星様は「当たり前や」とお答えになられ、また同時に希望の光も示してくださいました。
「ええか? いくらスーリ・スーラ・リーンといえども3対1ではどうにもならん。その形になるまでヴァレリオが耐え凌げば、勝ち筋はいくらでもある。」
そう断言なさってから、私の頬に手を当てて励ますように言って下さったのです、
「でもな。勝負の世界は何が起きるかわからん。
圧倒的な力。圧倒的な速度。圧倒的なスタミナ。圧倒的な技術を持ち合わせていても勝負の世界に絶対はない。
どんな弱者にも戦う以上は大番狂わせな勝利を手にする可能性はある。
ヴァレリオが単独で魔神スーリ・スーラ・リーンに勝利する可能性も十分にあるんやで?」
明けの明星様にそう言われると私は救われたようにホッとしてしまい涙をこぼして落ち着きます。
「そんなことよりもラーマ。お前の方こそ気を付けいよ?
ジェノバ国王ピエトロ・ルーは噂にたがわぬ戦上手。ヴァレリオの心配などしていると足元をすくわれるぞ。」
明けの明星様はそう言って私に発破をかけてくださいます。
恐ろしいのにお優しい魔王様。明けの明星様。・・・あなたはいつもわたくしを支えてくださるのですね。
あなたがいなければ、とっくの昔に敵国に滅ぼされたり、心が折れてしまっていたでしょう。
私は明けの明星様に心の中で感謝しながら尋ねました。
「ねぇ、明けの明星様。
明けの明星様はどうしてそんなに私に優しくしてくださるんですか?
初めて会った時から、私に優しかった・・・。
惨めなお飾りの、人身御供のために育てられた私が今日生きていけるのは明けの明星様のおかげです。
あなたにとって私は矮小な存在のはずです。
私を美貌の持ち主と褒めてくださいますが、明けの明星様にはアンナお姉様やタヴァエルお姉様までいらっしゃいます。そうだ、男性ですがシェーン・シェーン・クー様もおられます。
その方たちと比べたら私の容姿などいかほどのものでしょうか?
ねぇ。明けの明星様。知っておられましたか?私は明けの明星様のお優しさに心惹かれていたんですよ?
アンナお姉様にも告白したことがありますが、明けの明星様と結婚して子を成して幸せに暮らす未来を描いてもいました。
・・・なのに、ヴァレリオ様が私の前に現れて・・・。明けの明星様はヴァレリオ様の提案を受け入れて花嫁争奪戦を始めてしまいました。
どうして、私を想っておられるのに、私を奪い去ろうとしなかったのですか?
そして、どうして今でもこんなに優しくしてくださるのですか?
教えてください。明けの明星様。」
私は二人きりなのをいいことに明けの明星様を質問攻めにしました。明けの明星様はそんな私の話を最後まで聞いてから、ため息をついてお答えになられました。
「久しぶりに二人きりで寝室におるというのに、長々とくだらない話を・・・
なんで俺がお前に優しいかやと?
なんで俺がヴァレリオとの花嫁争奪戦を了承したかやと?」
明けの明星様はそこまで仰ると一呼吸分間を置いて、私を見つめながらお答えくださいました。
「そんなもん自信があるからや。
お前に対する愛に。そして、お前が俺を選んでくれるという事に。」
明けの明星様はきっぱりと私への愛をお答えになられました。
・・・正直、嬉しいです。不謹慎かもしれませんが、二人の殿方からの求婚。そしてそのお二人とも私の事を愛してくださっておられることが・・・。私は正直に申し上げて嬉しかったのです。もしかしたら私は浮気性ないい加減な女かも知れません。でも・・・そうだとしても、この気持ちは嘘ではないのです。
明けの明星様のお気持ちを聞かされると目から涙がポロポロとこぼれ落ち、やがて肩を震わせて泣きじゃくってしまう私を明けの明星様は何も言わずに抱きしめてくださいました。
「明けの明星様。私、決めました。
この戦。この戦が終わるときに私も心を決めます。
どちらの殿方が劣っているということはありません。ですが、私は決めなければいけないのです。
それはお二人の気持ちに誠実になることに合わせて、私の純情を私が裏切らないためのものでもあるのです。」
私はハッキリとそう宣言しました。それが私の決断でした。
明けの明星様は
「そんなにすぐに決める必要ないで?
あいつよりも俺の方に心が傾くまで俺は返事せんでええと思うで?」なんて軽口を仰るので私、涙をこぼしながら笑ってしまうのです。
「もうっ!! 明けの明星様ったら・・・。」
この軽口が明けの明星様のお優しさだということはわかり切った事です。今日も私は明けの明星様のお優しさに支えられて笑うことができるのだと、その優しさに甘えるように明けの明星様と今夜はいつまでも談笑するのでした・・・。
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