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責任はちゃんと取ってよね❤
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「これでよかったのか? 莉深……」
紅蛾一樹がワタシに向かって問いかける。二人の目の前には、ロープでグルグル巻きにされて気を失っている新妻大輔がいた。
「ええ、スッキリしたわ。後は警察の裁きに任せます。そしたら後は、ムショという名の無料老人ホームにでもぶち込んでくれるでしょ。ちょうど、紅蛾くんが取っておいてくれたこの録音データもあるしね……」
そう言ってワタシは懐からメモリーチップを取り出す。それは、紅蛾一樹がこの家を特定する為にワタシに付けていた発信機の録音データだった。要するにそれって盗聴器なんじゃないかとも思ったが、それが無ければ彼がワタシを助けに来る事も出来なかったので、まぁそこは良しとしておこう。
「ふーん……。んで、君はこれからどうするんだい?」
「そうねぇ……。家は壊れちゃったし、やっぱ当面は再就職探しかなぁ……? まぁ、少子化推進局員の時の貯金があるから、しばらくは大丈夫だと思うけど……」
それを聞くと紅蛾一樹は安堵の表情を浮かべて、レーザーブレードを腰のホルスターへと格納する。そして、全てはもう終わったみたいな顔をして踵を返し、その場を立ち去りはじめた。
「んじゃ、悲願は達成されたので、俺はそろそろ退散っと……。俺がいても、警察に事情を説明するのが面倒だしね……」
そのまま涼しい顔をして去って行こうとする紅蛾一樹だったが、そうはさせじとワタシは慌てて彼の肩を引っ掴む。むんずと掴んで彼を無理矢理引き寄せると、ワタシは前に彼が言っていた発言のついての事を忘れずに蒸し返しはじめる。
「ちょぉ~っとお待ちなさい。まだアナタには、さっき言っていたワタシとの『約束』が残っているわよ……?」
「や、約束……? 何それ……?」
鬼の首でも取ったかのような恍惚とした表情で迫るワタシに、流石の紅蛾一樹もたじろいでしまう。ワタシはひと呼吸おくと、顔を火照らせながら例の件を切り出した。それは、先程ワタシがスライムに閉じ込められていた時に、彼が言っていた発言の一つだった。
「さっき、アナタ言ってたじゃない……。『出てきたら、何でもしてあげる』って❤――――――」
「いっ……!?」
そう告げると、ワタシは今度は自分から彼に向かって口付けを交わす。突然の事に紅蛾一樹も驚いていたが、やがてワタシの意図と思いを理解すると、逃げずにきちんと受け止めてくれる。
「責任はちゃんと取ってよね❤ ワタシの『初めて』を奪ってしまった分も……❤」
一瞬とも永遠ともとれるようなキスが終わり、ワタシは彼を逃がさないように抱き締める。
「た、たはは……。やれやれ、こりゃ一本取られたな……」
彼はひたすら苦笑いでキョドりながらごまかしていたが、その顔が真っ赤になっているのはまるでごまかせていなかった。
この分なら、再就職先もすぐに決まっちゃいそうね――――――――――❤
それは、幼稚園からのワタシの夢が、ようやく叶えられた瞬間だった。
紅蛾一樹がワタシに向かって問いかける。二人の目の前には、ロープでグルグル巻きにされて気を失っている新妻大輔がいた。
「ええ、スッキリしたわ。後は警察の裁きに任せます。そしたら後は、ムショという名の無料老人ホームにでもぶち込んでくれるでしょ。ちょうど、紅蛾くんが取っておいてくれたこの録音データもあるしね……」
そう言ってワタシは懐からメモリーチップを取り出す。それは、紅蛾一樹がこの家を特定する為にワタシに付けていた発信機の録音データだった。要するにそれって盗聴器なんじゃないかとも思ったが、それが無ければ彼がワタシを助けに来る事も出来なかったので、まぁそこは良しとしておこう。
「ふーん……。んで、君はこれからどうするんだい?」
「そうねぇ……。家は壊れちゃったし、やっぱ当面は再就職探しかなぁ……? まぁ、少子化推進局員の時の貯金があるから、しばらくは大丈夫だと思うけど……」
それを聞くと紅蛾一樹は安堵の表情を浮かべて、レーザーブレードを腰のホルスターへと格納する。そして、全てはもう終わったみたいな顔をして踵を返し、その場を立ち去りはじめた。
「んじゃ、悲願は達成されたので、俺はそろそろ退散っと……。俺がいても、警察に事情を説明するのが面倒だしね……」
そのまま涼しい顔をして去って行こうとする紅蛾一樹だったが、そうはさせじとワタシは慌てて彼の肩を引っ掴む。むんずと掴んで彼を無理矢理引き寄せると、ワタシは前に彼が言っていた発言のついての事を忘れずに蒸し返しはじめる。
「ちょぉ~っとお待ちなさい。まだアナタには、さっき言っていたワタシとの『約束』が残っているわよ……?」
「や、約束……? 何それ……?」
鬼の首でも取ったかのような恍惚とした表情で迫るワタシに、流石の紅蛾一樹もたじろいでしまう。ワタシはひと呼吸おくと、顔を火照らせながら例の件を切り出した。それは、先程ワタシがスライムに閉じ込められていた時に、彼が言っていた発言の一つだった。
「さっき、アナタ言ってたじゃない……。『出てきたら、何でもしてあげる』って❤――――――」
「いっ……!?」
そう告げると、ワタシは今度は自分から彼に向かって口付けを交わす。突然の事に紅蛾一樹も驚いていたが、やがてワタシの意図と思いを理解すると、逃げずにきちんと受け止めてくれる。
「責任はちゃんと取ってよね❤ ワタシの『初めて』を奪ってしまった分も……❤」
一瞬とも永遠ともとれるようなキスが終わり、ワタシは彼を逃がさないように抱き締める。
「た、たはは……。やれやれ、こりゃ一本取られたな……」
彼はひたすら苦笑いでキョドりながらごまかしていたが、その顔が真っ赤になっているのはまるでごまかせていなかった。
この分なら、再就職先もすぐに決まっちゃいそうね――――――――――❤
それは、幼稚園からのワタシの夢が、ようやく叶えられた瞬間だった。
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