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〖2章〗
【20話】‐21/99‐
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仁ト高校体育祭当日。
第1グラウンドにはいくつものテントが建てられ、教員、生徒だけでなく保護者や地域の住民も集まり賑わい始めていた。
主役である生徒達は、各々のテントの下で開始のプログラムを待っている。
「大宮ーっ」
青組テント。1年6組が待機するその日陰で、友人の名を投げかける女子生徒がいた。
前髪で目を隠したおさげ。一見陰とした風貌だが、180㎝近い背丈とガサツな仕草はどうしても陽の下に出てきて、印象をチグハグにさせている。
白波瀬風。体操服で染まる集団の中で唯一制服を着る姿は余計に視線を集めた。
「ねえ、大宮見なかった?」
「え? お、大宮さん? いや、見なかったけど……」
突然声をかけられた男子は、その相手が変人で有名なクラスメイトだと知ると途端に顔を引きつらせたが、それでも真摯に答えを返す。
「記録お願いしようと思ったのになぁ……」
情報を得られなかった白波瀬はその場で立ち止まり改めて周囲を見渡していて、どこか居心地の悪そうな男子は思わず質問を投げていた。
「えっと、なんで白波瀬さんは制服なの……?」
「体育祭参加する気ないし」
「え……?」
あっけらかんと告げられた答えに疑問は更に深まる。しかし問いの機会は切り上げられ、白波瀬は彼の側を離れていった。
それからも白波瀬はクラスメイトに友人の所在を尋ねていく。3人目、これから運動するというのにやけに髪型に気合を入れた女子生徒は呆れたように語った。
「大宮さん? どうせまたサボってるんじゃないの? 練習の時だってほとんど来てなかったじゃん」
「そうなん?」
「あ……白波瀬さんもサボってたね」
知って当然のように語ると首を傾げられ、そう言えばと思い出す。白波瀬は嫌悪感を忘れるくらいに平時から変人なのだ。
「てか、なんで今日は来たの? もう来ない前提で組んじゃってるけど」
「ああ大丈夫。あたし、賭けするために来ただけだから」
「はぁ?」
理解出来ない返答に、女子生徒は問いかけた事を後悔した。
クラスメイトから眉をしかめられた事に気づいてない白波瀬は、情報収集を切り上げテントの外へと出る。
丁度、全校生徒集合のアナウンスが鳴り、青組の集団も動いていく中、彼女だけは観覧用のテントへと歩いて行っていた。
「にしても、あの大宮がサボりか……」
思い浮かべる友人は、白波瀬からすれば真面目な生徒。授業をまるで聞かない自分のためにノートを貸してくれたりする良い奴だ。あと小さくて顔も好み。
だというのにここ最近は頻繁に授業をサボタージュしていて、今日も姿を見ていない。
「さては、男でも出来たかぁ」
変人が浮かべた適当なその推測は、あながち間違いでもなかった。
◆◇◆◇◆
大宮希李は教室にいた。
そこは1年2組の教室。生徒達はもう既にグラウンドで集まっていて無人。そんな中でどの席を選ぶ事もなく、彼女は隅の掃除用具入れを背にして床に座っていた。
そろそろ体育祭の開会式が始まる頃だろう。時刻からそう察するが、希李は動かない。なんとなく、ハレの日の空気を味わいたくなくて逃げてきたのだ。
眺めるのは一つの席。そこに、彼の幻影を思い浮かべる。
考えていたのは、1度目の事だった。
この世界は2度目。本来は来年の3月まで時は進んでいたらしく、それを神の力によって今年の入学式まで巻き戻された。その記憶を持っているのは、ユーリと雅文だけだ。
その事実を知ったのはもう結構前になるが、学校においての節目となる大きな行事を迎えた事でか、今になって想像を巡らしていた。
1度目の自分と彼の関係はどうだったのだろう。
いや、それは分かっていた。この2度目で雅文に声をかけた時、彼は希李がこの高校にいた事を知らないようだった。
つまりは、1度も関わる事がなかったのだろう。
約1年間、ずっと身を隠し続けていた。それはつまり、自分は彼の事をずっと意識し続けていたという事で。
なんだか馬鹿らしくも思える。
中学卒業の時に気持ちの整理をつけ、関わらないと決めたのだが、整理はついていないようだった。何せ1年間もその動向をつぶさに見ていたのだから、相当だ。
てっきりもっと軽い感情だと思っていたのだが、かなり根深いらしい。
まあそれは、今でも思う事なのだが。
「……へへっ」
ため息の代わりに自分に向けて嘲笑を零す。それで何かが晴れるという事はない。
果たして、彼の望みが叶ったら、自分はどうするのだろうか。
また、距離を取って幸せを願うのか。
あるいは、自分が幸せを願っても……。
そんな事を考えようとして、やめた。なんだかどっちも良い気分にはなれそうにない。
とその時、孤独だった教室に足音が踏み入った。
「希李」
「……ユーリ」
声の方を向くと、ユーリがいた。彼女は座り込む希李へと歩み寄ると、相変わらずの感情の掴めない表情で問いかけてくる。
「体育祭には参加しないのですか?」
「あんま気分じゃないんだよねー」
どうやら探してきてくれたらしい。それに心の中で謝りながら、本音を打ち明ける。
今日も彼は死ぬ予定だ。カメラ越しの映像は覚えているが、あの教室の一員にはなりたくないと思っていた。しかし今日グラウンドにいれば、仲間入りをしてしまうだろう。
……感情に左右されてるなぁ。
制御出来ていない自分を格好悪く感じて、希李はしばらくして腰を持ち上げた。心に嘘をつくのは難しくない事だった。
「行こっか」
「気分ではないのでは?」
突然の気の変わりようにユーリが首を傾げると、希李は「だいじょーぶ」と適当に誤魔化す。
先を行く希李をユーリは追いかけ、二人は並んで廊下を歩いた。もう体育祭は始まっているだろうが、急いだ様子はない。
「ユーリはなんの競技に出るの?」
「最初はパン食い競争です。いっぱい食べられるよう、お腹を空かせてきました」
と、得意げに語る少女に、希李は思わず笑みをこぼす。
「あれ、パンを多く食べる競技じゃないよ」
「……そうなのですか」
表情は変わっていないのにユーリの落胆がハッキリと伝わって、なんでだか少しだけ今日が楽しみになった。
◆◇◆◇◆
体育祭は晴天の下で行われている。予報通り空には雲一つなく、すっかり夏の気配が降り注いでいた。
仁ト高校第1グラウンドは、例年通りの盛り上がりを見せ、生徒達からは声援が飛び交っている。
しかし緑組の面々は、チーム代表としてスタート地点に立ったその仲間に、少し顔を曇らせた。
「次、あの1年か……」
「あー。あいつちゃんと走んのかぁ?」
上級生達が零す不安を聞きながら、美桜も彼を見つめる。
「……」
10人近い選手と共に開始の合図を待っているのは、加納雅文だ。フラフラと足場の定まらないその様子は、いつもの飄々とした彼の態度を想起させた。
今行われようとしているのは障害物競走。他にも同じ組の生徒はいて、彼に期待する仲間はほとんどいないだろう。
『今回の障害はかなり手が込んでいるらしいので、皆さんお気を付けくださいねー』
『私は練習中、脱臼しました』
『冗談だといいですねー』
実況と解説のやり取りを挟んだところで準備が整い、ピストルが鳴らされる。
一斉に選手が走り出すと同時に、声援の声が膨れ上がった。その声の中に、彼を応援するものはあったのだろうか。
レースはあっと言う間に終わり、少し意外な結果を残した。
「あいつ、思ってたよりちゃんとやってたな」
「後半大分バテてたけどな」
加納雅文は3着だった。最後、平均台から足を踏み外していなければ1着もあり得ただろう。
ゴールで座り込む彼は、荒い息を整えている。そこだけ切り取れば、仲間のために全力を尽くした熱心な生徒だ。
しかしいつもの印象とは食い違う。その事になんだか警戒を覚えてしまって、美桜は彼から目を離せなかった。
第1グラウンドにはいくつものテントが建てられ、教員、生徒だけでなく保護者や地域の住民も集まり賑わい始めていた。
主役である生徒達は、各々のテントの下で開始のプログラムを待っている。
「大宮ーっ」
青組テント。1年6組が待機するその日陰で、友人の名を投げかける女子生徒がいた。
前髪で目を隠したおさげ。一見陰とした風貌だが、180㎝近い背丈とガサツな仕草はどうしても陽の下に出てきて、印象をチグハグにさせている。
白波瀬風。体操服で染まる集団の中で唯一制服を着る姿は余計に視線を集めた。
「ねえ、大宮見なかった?」
「え? お、大宮さん? いや、見なかったけど……」
突然声をかけられた男子は、その相手が変人で有名なクラスメイトだと知ると途端に顔を引きつらせたが、それでも真摯に答えを返す。
「記録お願いしようと思ったのになぁ……」
情報を得られなかった白波瀬はその場で立ち止まり改めて周囲を見渡していて、どこか居心地の悪そうな男子は思わず質問を投げていた。
「えっと、なんで白波瀬さんは制服なの……?」
「体育祭参加する気ないし」
「え……?」
あっけらかんと告げられた答えに疑問は更に深まる。しかし問いの機会は切り上げられ、白波瀬は彼の側を離れていった。
それからも白波瀬はクラスメイトに友人の所在を尋ねていく。3人目、これから運動するというのにやけに髪型に気合を入れた女子生徒は呆れたように語った。
「大宮さん? どうせまたサボってるんじゃないの? 練習の時だってほとんど来てなかったじゃん」
「そうなん?」
「あ……白波瀬さんもサボってたね」
知って当然のように語ると首を傾げられ、そう言えばと思い出す。白波瀬は嫌悪感を忘れるくらいに平時から変人なのだ。
「てか、なんで今日は来たの? もう来ない前提で組んじゃってるけど」
「ああ大丈夫。あたし、賭けするために来ただけだから」
「はぁ?」
理解出来ない返答に、女子生徒は問いかけた事を後悔した。
クラスメイトから眉をしかめられた事に気づいてない白波瀬は、情報収集を切り上げテントの外へと出る。
丁度、全校生徒集合のアナウンスが鳴り、青組の集団も動いていく中、彼女だけは観覧用のテントへと歩いて行っていた。
「にしても、あの大宮がサボりか……」
思い浮かべる友人は、白波瀬からすれば真面目な生徒。授業をまるで聞かない自分のためにノートを貸してくれたりする良い奴だ。あと小さくて顔も好み。
だというのにここ最近は頻繁に授業をサボタージュしていて、今日も姿を見ていない。
「さては、男でも出来たかぁ」
変人が浮かべた適当なその推測は、あながち間違いでもなかった。
◆◇◆◇◆
大宮希李は教室にいた。
そこは1年2組の教室。生徒達はもう既にグラウンドで集まっていて無人。そんな中でどの席を選ぶ事もなく、彼女は隅の掃除用具入れを背にして床に座っていた。
そろそろ体育祭の開会式が始まる頃だろう。時刻からそう察するが、希李は動かない。なんとなく、ハレの日の空気を味わいたくなくて逃げてきたのだ。
眺めるのは一つの席。そこに、彼の幻影を思い浮かべる。
考えていたのは、1度目の事だった。
この世界は2度目。本来は来年の3月まで時は進んでいたらしく、それを神の力によって今年の入学式まで巻き戻された。その記憶を持っているのは、ユーリと雅文だけだ。
その事実を知ったのはもう結構前になるが、学校においての節目となる大きな行事を迎えた事でか、今になって想像を巡らしていた。
1度目の自分と彼の関係はどうだったのだろう。
いや、それは分かっていた。この2度目で雅文に声をかけた時、彼は希李がこの高校にいた事を知らないようだった。
つまりは、1度も関わる事がなかったのだろう。
約1年間、ずっと身を隠し続けていた。それはつまり、自分は彼の事をずっと意識し続けていたという事で。
なんだか馬鹿らしくも思える。
中学卒業の時に気持ちの整理をつけ、関わらないと決めたのだが、整理はついていないようだった。何せ1年間もその動向をつぶさに見ていたのだから、相当だ。
てっきりもっと軽い感情だと思っていたのだが、かなり根深いらしい。
まあそれは、今でも思う事なのだが。
「……へへっ」
ため息の代わりに自分に向けて嘲笑を零す。それで何かが晴れるという事はない。
果たして、彼の望みが叶ったら、自分はどうするのだろうか。
また、距離を取って幸せを願うのか。
あるいは、自分が幸せを願っても……。
そんな事を考えようとして、やめた。なんだかどっちも良い気分にはなれそうにない。
とその時、孤独だった教室に足音が踏み入った。
「希李」
「……ユーリ」
声の方を向くと、ユーリがいた。彼女は座り込む希李へと歩み寄ると、相変わらずの感情の掴めない表情で問いかけてくる。
「体育祭には参加しないのですか?」
「あんま気分じゃないんだよねー」
どうやら探してきてくれたらしい。それに心の中で謝りながら、本音を打ち明ける。
今日も彼は死ぬ予定だ。カメラ越しの映像は覚えているが、あの教室の一員にはなりたくないと思っていた。しかし今日グラウンドにいれば、仲間入りをしてしまうだろう。
……感情に左右されてるなぁ。
制御出来ていない自分を格好悪く感じて、希李はしばらくして腰を持ち上げた。心に嘘をつくのは難しくない事だった。
「行こっか」
「気分ではないのでは?」
突然の気の変わりようにユーリが首を傾げると、希李は「だいじょーぶ」と適当に誤魔化す。
先を行く希李をユーリは追いかけ、二人は並んで廊下を歩いた。もう体育祭は始まっているだろうが、急いだ様子はない。
「ユーリはなんの競技に出るの?」
「最初はパン食い競争です。いっぱい食べられるよう、お腹を空かせてきました」
と、得意げに語る少女に、希李は思わず笑みをこぼす。
「あれ、パンを多く食べる競技じゃないよ」
「……そうなのですか」
表情は変わっていないのにユーリの落胆がハッキリと伝わって、なんでだか少しだけ今日が楽しみになった。
◆◇◆◇◆
体育祭は晴天の下で行われている。予報通り空には雲一つなく、すっかり夏の気配が降り注いでいた。
仁ト高校第1グラウンドは、例年通りの盛り上がりを見せ、生徒達からは声援が飛び交っている。
しかし緑組の面々は、チーム代表としてスタート地点に立ったその仲間に、少し顔を曇らせた。
「次、あの1年か……」
「あー。あいつちゃんと走んのかぁ?」
上級生達が零す不安を聞きながら、美桜も彼を見つめる。
「……」
10人近い選手と共に開始の合図を待っているのは、加納雅文だ。フラフラと足場の定まらないその様子は、いつもの飄々とした彼の態度を想起させた。
今行われようとしているのは障害物競走。他にも同じ組の生徒はいて、彼に期待する仲間はほとんどいないだろう。
『今回の障害はかなり手が込んでいるらしいので、皆さんお気を付けくださいねー』
『私は練習中、脱臼しました』
『冗談だといいですねー』
実況と解説のやり取りを挟んだところで準備が整い、ピストルが鳴らされる。
一斉に選手が走り出すと同時に、声援の声が膨れ上がった。その声の中に、彼を応援するものはあったのだろうか。
レースはあっと言う間に終わり、少し意外な結果を残した。
「あいつ、思ってたよりちゃんとやってたな」
「後半大分バテてたけどな」
加納雅文は3着だった。最後、平均台から足を踏み外していなければ1着もあり得ただろう。
ゴールで座り込む彼は、荒い息を整えている。そこだけ切り取れば、仲間のために全力を尽くした熱心な生徒だ。
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