君に恋したあの頃の夏

花梨美亜

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  そして、テスト期間が終わり、いよいよ、勝負の時が来た。私は、ハヤトに「負けないからね、ハヤト。この時のために、ゲームにもログインせず、ひたすら、勉強ばっかりしてきたんだから。」というと「やればできるじゃねーか。まっ、こっちも負ける気はねーけど」と言って、自分の席に着く。

 そして、担任の先生が、問題用紙と解答用紙を配り終え「始めてください」と言って、テストが開始した。開始からわずか三分、私は、ひたすら、答えを解答用紙に埋めていく。するとハヤトは「まじかよ、もうあいつ半分も解き終えてやがる、このままだと確実に負けてしまうな、シャーねーか、カンニングするか、カンニングのスキルだけは人一倍うまいからな。」と言い、隣の人の解答を写し始める。そしてテスト終了の合図が鳴ると同時に、先生が、解答用紙を回収し始める。そして私は「今回は満点の地震があるわ、この勝負は確実に勝てる。」と言って残りの教科もすらすらと解き終えて、あとは返却されるのを待つだけとなった。

 そして、テスト返却日当日。私はいつもより早く起きて、制服に着替え、リビングに向かう。すると母が「え?あの春香が早起きしてくるなんて、雨でも降るんじゃないかしら?」というので私は「私だって変わろうと毎日努力してるんです。」と言いながら朝飯を食べ進める。そして、食べ終えると洗面所で、顔を洗い、髪をセットし、玄関に向かい、靴に履き替え、「行ってきます。」と言って学校へと歩いて向かう。

 学校へ着くと、下履きから上履きに履き替え、自分のクラスに向かう。教室に入ると、仲のいい友達が「おはよう、春香ちゃん。今日は早いんだね。」と言われ「それ、母にも言われた。」というと「いつもと違う行動すると、誰でも驚くだろ。」と聞きなれた声がしたので振り返ると「ゲッ、ハヤト」といやそうな顔をする。するとハヤトが
「なんだよ、俺が来たら悪いのかよ」というので「別に?私に負けに来たのかと。」とあおると「今まで、俺に負けてたやつが言うセリフじゃねーんだよ」と言われ「今回ばかりは勝たせてもらうわよ」と言って、席に着く。
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