『夜明けのミッドナイト』

真田直樹

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第一部 出会い

第28章 テレビ出演

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第28章 テレビ出演


冬の朝。

東京の空は、澄んだ青色だった。

藤川優斗は大学の講義が終わり、スマートフォンを見ていた。

そこに一通のメッセージが届く。

さゆり

「今すぐミッドナイト来て!」

短い文章だったが、やけに興奮している。

優斗は少し笑った。

(また里奈と騒いでるのかな)

そう思いながら、ミッドナイトへ向かった。

夕方。

喫茶ミッドナイト。

ドアを開ける。

カラン――

「優斗!!」

里奈が立ち上がった。

「大変!」

優斗は驚く。

「どうしたの?」

紀子もいる。

桂一もいる。

雅人もいる。

そして、さゆりがスマートフォンを握っていた。

「これ」

画面を見せる。

そこには、メールが表示されていた。

テレビ番組制作会社

優斗が読む。

「ライブ映像を拝見しました」

「番組で紹介させていただけませんか」

優斗は固まった。

「……え?」

里奈が叫ぶ。

「テレビだよ!」

紀子がまだ信じられない顔をしている。

「本当に?」

桂一が冷静に言う。

「確率は低い」

里奈が言う。

「でも来た!」

雅人も少し驚いている。

「すごいな」

さゆりが言った。

「SNSの動画を見たらしい」

優斗はまだ実感がなかった。

小さなライブ。

小さな動画。

それが――

テレビ?

そのとき勝巳が言った。

「出ればいい」

皆が見る。

勝巳はコーヒーを飲む。

「面白そうだ」

里奈が言う。

「やろう!」

紀子も言う。

「うん」

優斗は少し考えた。

そして言った。

「やってみよう」

一週間後。

小さなテレビスタジオ。

照明がまぶしい。

スタッフが動き回っている。

里奈は落ち着かない。

「テレビだ…」

桂一が言う。

「落ち着け」

紀子はピアノの前に座っている。

少し緊張している。

優斗はマイクを握った。

雅人はドラムの前。

さゆりは客席から見ている。

スタッフが言った。

「本番いきます!」

ライトが点く。

カメラが回る。

司会者が言った。

「今SNSで話題の若者バンドです!」

拍手。

優斗たちは演奏を始めた。

ピアノ。

ドラム。

ギター。

音がスタジオに広がる。

短い演奏。

しかし、全力だった。

曲が終わる。

スタッフが拍手した。

司会者も笑った。

「いいですね!」

優斗はやっと実感した。

本当にテレビに出た。

夜。

ミッドナイト。

七人が集まっていた。

里奈が言う。

「テレビ出ちゃった!」

紀子も笑っている。

「不思議」

桂一が言う。

「偶然の要素が大きい」

さゆりが言う。

「でも奇跡だよ」

雅人も静かに言った。

「小さな奇跡」

優斗は思った。

まだ小さい。

でも確かに何かが起きている。

夢が、少しだけ近づいている。

そのとき勝巳が言った。

「浮かれるな」

皆が見る。

勝巳は続ける。

「テレビは一瞬だ」

店が静かになる。

勝巳はコーヒーを飲む。

「続けることの方が難しい」

優斗はうなずいた。

その通りだと思った。

この日。

七人は初めてテレビに出演した。

それは大きな成功ではない。

でも――

確かに小さな奇跡だった。

ミッドナイトの夜。

夢は、少しずつ広がっていた。
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