『夜明けのミッドナイト』

真田直樹

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第一部 出会い

第29章 未来の予感

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第29章 未来の予感

冬の夜。

喫茶ミッドナイトの窓の外では、冷たい風が通りを吹き抜けていた。

店の中では、七人がテーブルを囲んでいた。

テレビ出演から数日。

SNSの動画はさらに広がっていた。

優斗がスマートフォンを見ながら言う。

「再生数」

里奈が身を乗り出す。

「いくつ?」

優斗が少し驚いた顔をする。

「三万」

里奈が叫ぶ。

「えー!」

紀子も目を丸くする。

「そんなに?」

さゆりが言う。

「テレビの影響だね」

桂一が冷静に言う。

「拡散の連鎖だ」

里奈が笑う。

「難しい!」

雅人も少し驚いていた。

「すごいな」

優斗は画面を見ながら思った。

三万人。

知らない人たちが、自分たちの音楽を聴いている。

それは不思議な感覚だった。

そのとき里奈が言った。

「ねえ」

皆が見る。

里奈は笑って言った。

「大きなライブやろう!」

桂一が言う。

「急だな」

里奈は続ける。

「もっと大きい場所!」

紀子が少し驚いた。

「できるかな」

さゆりが言う。

「夢は大きい方がいい」

雅人も言う。

「挑戦は必要だ」

優斗は少し考えた。

文化祭では客がほとんどいなかった。

でも今は違う。

少しずつ人が増えている。

優斗は言った。

「やってみよう」

里奈が笑う。

「決まり!」

桂一が言う。

「計画が必要だ」

紀子が言う。

「新しい曲作る」

さゆりが言う。

「宣伝する!」

雅人が言う。

「手伝う」

皆の声が重なった。

そのとき勝巳が言った。

「大きい夢だな」

皆が振り向く。

勝巳はコーヒーを飲む。

「若い奴は」

「すぐ大きいこと言う」

里奈が笑う。

「いいじゃん!」

勝巳は少し笑った。

そして言った。

「でもな」

少し間を置く。

「それでいい」

店が静かになる。

勝巳は続ける。

「夢は」

「最初は無茶なくらいでちょうどいい」

優斗はその言葉を胸に刻んだ。

大きな夢。

まだ遠い未来。

でも。

少しだけ見えてきた。

この日。

七人の中に、新しい予感が生まれた。

音楽。

夢。

仲間。

それらが重なり、

何か大きなものへと動き始めていた。

ミッドナイトの窓の外。

冬の星が静かに光っていた。

そして――

七人はまだ知らない。

この小さな夢が、

やがて東京中を巻き込む

大きな物語へ変わることを。
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