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10.我慢
10.我慢
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禁書と書かれた書物を読みながら人気のない草木が生い茂った道を屡鬼阿は歩いていた。
「…なんてこと…」
書かれている内容に屡鬼阿は目を疑った。
じめっとし、手元が暗い感覚に屡鬼阿は本から、自分の進行方向に視線を移した。
「あれ…ここどこ?トンネル?」
旧街道の使われていないトンネルに入ってしまった屡鬼阿は進行方向は光が見えず、瓦礫で塞がれていた。
くらいトンネルの中、やっと目が慣れてきたと思うと、足元に何か触れた。
「ひいっ!…なんだ…ネズミ…か…」
と、ネズミの進行方向を見ると瓦礫の手前に西洋で見るような墓の十字架にビニール袋がひっかけてあった。
その袋には液体のようなものが入っており、それに何匹もの黒いネズミの影がうごめいていた。
そして何匹も新たにその袋めがけて集まっていた。
屡鬼阿はネズミの不衛生さとただならぬ群れに一度光を欲した。
トンネルの入り口まで引き返すと、暗闇では気付かなかったが鋭く尖った前歯と、眼球のない赤い目、やけに発達した爪の鋭さの普通のネズミではないことに気付いた。
「ね、ネズミじゃない…!」
屡鬼阿が声をあげるとトンネルの奥に向かおうとしていたネズミが屡鬼阿の方へと方向を変え襲いかかってきた。
特安本部
屡鬼阿が純鋭の言葉で立腹してから日が暮れてしまった。
「もう、22時だ。」
里京の言葉に純鋭はため息をついた。
「昼ごろ、実家の寺院に戻っては、いたみたいなんですけどね…住職が1時間ばかり外出していた内にどこかに行ってしまったと…あの階段上り下りするのは、膝にこたえるのにいなかったですね。ほかにも彼女の行きそうな河川敷や、カフェ、都内の公園とかいってみましたがいませんでした。」
純鋭と里京の間に沈黙が流れた。
「君が捜していたのは徒歩でではなく、車だったから見つけられなかったんじゃないか?」
純鋭と里京は部屋の扉前に立っている声の主をみた。
「す、スティーブ!なんでお前がここにいるんだよ!」
スティーブと呼ばれた男は純鋭を睨んだ。
「君に迎えを頼んでたはずなんだけどね。仕事が入ったっていうから歩いてきてみたんだ。そしたらね、以前から里京から聞いていた保護対象の子を見つけてね。…ま、保護できていなかったけどね。」
スティーブの言葉に里京は反応した。
「まさかBlack wingか?」
「えぇ」
スティーブはため息をつきながら廊下にいた屡鬼阿を二人がいた部屋へと入れ自分もソファーへと腰を下ろした。
屡鬼阿は里京と純鋭の顔を順に睨みふてくされるように顔を背けた。
「Black wingとはなんだよ。スティーブ。」
純鋭はスティーブに聞いた。その言葉に屡鬼阿は立ち上がり部屋を出て行こうとした。
「おっと、君にもこの話を聞く権利はあるよ。」
スティーブの何か含んだような笑顔に屡鬼阿は不快感を抱いた。
「『漆黒の翼』の総監がここにいる時点でこの世界が正常じゃないということくらいは察しがついたわ。」
「あれ?僕、総監って名乗りましたっけ?」
屡鬼阿は手に持っていた『禁書』と記載された本を開いた。
「あなたのネクタイピン、これと一緒。さっきまで架空の組織だと思っていたのに…。」
スティーブは屡鬼阿が開いた、“総監の紋章”と記されたページを目を細めて凝視した。
「…そうですね…そんな史実書どこで手に入れたのです?」
「実家に無造作に置いてあったからちょっと拝借してきた。」
スティーブは何かを考えるような表情をしながら屡鬼阿を見つめた。
「で、漆黒の翼やらBlack wingやらってなんなんだよ。」
純鋭は二人のやり取りにしびれを切らし話を急かした。
「…そうですね。国際的名称はBlack wingですが、この国では漆黒の翼だったり、短縮されて黒翼と言われることがありますね…。
…太古の昔、金銀などを生成しきらびやかな装飾品を生み出せると、錬金術は瞬く間に流行りだしました。そんな中、私利私欲に駆られた一国の王がある日、錬金術師へ「最も輝かしい命を作り出せ」と命令しました。その意味は永遠の若さと永遠の命です。多くの錬金術師は永遠の命を求め研究に没頭しました。実験の材料は小さな昆虫から始まり、自分と同等の人間などを利用していました。沢山の動物を殺し、パーツを着け直し、めぼしい動物がいれば乱獲を行い、王のバックを盾にやりたい放題命のやり取りを錬金術師は行っていた。もちろん失敗も量産され命令した王は、自分が出した命令を後悔したが、命令は修正もきかないほど歯止めがきかないまま走り続けました。そこで王は自分を筆頭に倫理に反することを取り締まる機関をつくったのです。そしてついに王に大事件が起きました。
王が一番信用していた、錬金術師が偶然のたまもので得た動物細胞を錬金術師自分に投与し、王の目の前で黒い翼をはやし人間と非なる者へ変化したのです。やりきれなくなった王は自分の剣で信頼していた錬金術師の羽を斬り、処分したのです。…それがこのBlack wingの由来です。」
「で、その王が作った組織の名前が通称Black wingってことか。…でもなんでそんな機関が今現在もあるんだよ。」
純鋭はスティーブの前に紅茶を置いた。
「人の好奇心は何度罪を犯しても同じことを繰り返すのです。王が取り締まったとしても、大なり小なり、人は生と死について考える者です。そして、人が変わろうが、時代が変わろうが、不老不死というものを追い求めていく。そのたびに進歩と失敗を繰り返していくのです。そして失敗をするたび、本来生まれてはいけないものが生まれたり出来上がったりする。一見成功したと見えても、欠陥部分がどこかしら、出てきます。現代で言えばライガーのように、ライオンとトラのハイブリット生態を生み出すために奇形や遺物など幾度となる失敗を生み出してきました。うまく交配が出来たとしてもライガーはライオン、もしくはトラの単体の寿命より明らかに短い。それは生まれてきた生物にとっては成功だったのか…という捉え方もできますね。僕らはその生物実験に対し適正に行われているか管理と規制、危険度合いを見ての殺処分など、そしてタブーを犯した者を裁くという抑止力を古来から行っています。…。実はこの規制をされている現代でも我々の目を盗んでひそかに行われています。それはもう個人・機関・国単位で…。」
スティーブは紅茶を一口飲んだ。
「で、漆黒の翼は日本がその実験をしている可能性が高いと見込んでここに来たということか?」
スティーブは純鋭の言葉に嘲笑した。
「甘いですね、この紅茶の味くらい甘すぎますね。」
「お前は雑巾の汁でも啜ってろ。」
純鋭は自分の厚意を無碍にされ、悪態づいた。
「まぁ、JUNがいうのもあながち間違いじゃないんだけどね、本来の目的はこのJokerについですよ。」
「Joker?」
その言葉に屡鬼阿の眉間がピクッと動いた。
「さっき、錬金術や生物実験をした際に出た失敗って話しましたよね。大抵人工的に作るられる生物は著しく知能が低かったり、体が弱かったり、自我を持たない、食欲に駆られるだけの醜い物になるんです。我々はそんな生物を増やさないためにも各国を巡り、実験媒体を葬り処分してはまた見つける…の繰り返しをしています。そして研究側も鍛練と知識技術をあげ、年々各素体の失敗作は知能レベルも上がり、意思を持つものを増えてきたのです。…そして最近…本当にここ最近最強最悪な失敗作…いや失敗の上に成り立つ超大作の賜物現れた…と思われる。」
「思われるとはなんだ?」
里京は半信半疑になりながらも話を続けさせた。
「お渡しした南極の写真ですよ。南極で見つけた地下施設は破壊されていたものの、確かに人がいた形跡があった。…しかしその施設研究員はほとんどが非検体に殺害されたようだった。そしてあの14名のメッセージから字が書けるくらいの知能がある。我々は残された手がかり(死体)からJokerと名称を付けた。」
「超大作ってことは他にも他人が感動することがあるってことだろ?」
「そうですね。今ある情報だと、全ての能力において、人間の限界を超えているといった、バカが言うようなことしか言えません。ただ、1人で大人を何人も殺し、メッセージを並べるということは、野放しにしていたら危険ということです。」
「でもそいつの行方はわからないってことか…」
「はい。ですが日本でもJokerと呼ばれている事件があると里京から聞き、小さな情報でもえようと思いまして…。それに世界の各トップは優秀な生物兵器として捕獲したいという国も出てきたため早めに見つけ出す必要があります。」
「最低最悪の残虐で生物兵器として利用されるような奴ならば、殺してあげればいいじゃない。」
屡鬼阿はスティーブにカマをかけるよう嘲笑のように口元をゆるませた。
「…先ほども言った通り、Jokerはもはや失敗作ではなく超大作なんですよ…殺す必要があるならばやむを得ない
ですが、逆に殺される覚悟も必要です。」
「殺す必要があるならば殺す…?」
純鋭はスティーブの言葉に反応した。
「殺さなくても、利用価値はあるだろ?戦争とかマイナスな使い道じゃなくて、逆にこっち側に入れてしまえば大きな抑止力にもなる。」
「…この国の誰が生物実験をしているかわかりませんが、もしもこの国で確保できるなら考えましょう。特安の方のお力も借りたいと思います。協力していただけますか?」
スティーブはソファーから立ち上がり右手を里京へ差し出した。
「国の上の方には話を通してある。こちらの捜査にも協力いただけるなら力を貸そう。」
里京も立ち上がると差し出されたスティーブの手を掴んだ。
その様子を見ながら屡鬼阿は、この場からいなくなりたい気持ちに駆られていた。
「…なんてこと…」
書かれている内容に屡鬼阿は目を疑った。
じめっとし、手元が暗い感覚に屡鬼阿は本から、自分の進行方向に視線を移した。
「あれ…ここどこ?トンネル?」
旧街道の使われていないトンネルに入ってしまった屡鬼阿は進行方向は光が見えず、瓦礫で塞がれていた。
くらいトンネルの中、やっと目が慣れてきたと思うと、足元に何か触れた。
「ひいっ!…なんだ…ネズミ…か…」
と、ネズミの進行方向を見ると瓦礫の手前に西洋で見るような墓の十字架にビニール袋がひっかけてあった。
その袋には液体のようなものが入っており、それに何匹もの黒いネズミの影がうごめいていた。
そして何匹も新たにその袋めがけて集まっていた。
屡鬼阿はネズミの不衛生さとただならぬ群れに一度光を欲した。
トンネルの入り口まで引き返すと、暗闇では気付かなかったが鋭く尖った前歯と、眼球のない赤い目、やけに発達した爪の鋭さの普通のネズミではないことに気付いた。
「ね、ネズミじゃない…!」
屡鬼阿が声をあげるとトンネルの奥に向かおうとしていたネズミが屡鬼阿の方へと方向を変え襲いかかってきた。
特安本部
屡鬼阿が純鋭の言葉で立腹してから日が暮れてしまった。
「もう、22時だ。」
里京の言葉に純鋭はため息をついた。
「昼ごろ、実家の寺院に戻っては、いたみたいなんですけどね…住職が1時間ばかり外出していた内にどこかに行ってしまったと…あの階段上り下りするのは、膝にこたえるのにいなかったですね。ほかにも彼女の行きそうな河川敷や、カフェ、都内の公園とかいってみましたがいませんでした。」
純鋭と里京の間に沈黙が流れた。
「君が捜していたのは徒歩でではなく、車だったから見つけられなかったんじゃないか?」
純鋭と里京は部屋の扉前に立っている声の主をみた。
「す、スティーブ!なんでお前がここにいるんだよ!」
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スティーブの言葉に里京は反応した。
「まさかBlack wingか?」
「えぇ」
スティーブはため息をつきながら廊下にいた屡鬼阿を二人がいた部屋へと入れ自分もソファーへと腰を下ろした。
屡鬼阿は里京と純鋭の顔を順に睨みふてくされるように顔を背けた。
「Black wingとはなんだよ。スティーブ。」
純鋭はスティーブに聞いた。その言葉に屡鬼阿は立ち上がり部屋を出て行こうとした。
「おっと、君にもこの話を聞く権利はあるよ。」
スティーブの何か含んだような笑顔に屡鬼阿は不快感を抱いた。
「『漆黒の翼』の総監がここにいる時点でこの世界が正常じゃないということくらいは察しがついたわ。」
「あれ?僕、総監って名乗りましたっけ?」
屡鬼阿は手に持っていた『禁書』と記載された本を開いた。
「あなたのネクタイピン、これと一緒。さっきまで架空の組織だと思っていたのに…。」
スティーブは屡鬼阿が開いた、“総監の紋章”と記されたページを目を細めて凝視した。
「…そうですね…そんな史実書どこで手に入れたのです?」
「実家に無造作に置いてあったからちょっと拝借してきた。」
スティーブは何かを考えるような表情をしながら屡鬼阿を見つめた。
「で、漆黒の翼やらBlack wingやらってなんなんだよ。」
純鋭は二人のやり取りにしびれを切らし話を急かした。
「…そうですね。国際的名称はBlack wingですが、この国では漆黒の翼だったり、短縮されて黒翼と言われることがありますね…。
…太古の昔、金銀などを生成しきらびやかな装飾品を生み出せると、錬金術は瞬く間に流行りだしました。そんな中、私利私欲に駆られた一国の王がある日、錬金術師へ「最も輝かしい命を作り出せ」と命令しました。その意味は永遠の若さと永遠の命です。多くの錬金術師は永遠の命を求め研究に没頭しました。実験の材料は小さな昆虫から始まり、自分と同等の人間などを利用していました。沢山の動物を殺し、パーツを着け直し、めぼしい動物がいれば乱獲を行い、王のバックを盾にやりたい放題命のやり取りを錬金術師は行っていた。もちろん失敗も量産され命令した王は、自分が出した命令を後悔したが、命令は修正もきかないほど歯止めがきかないまま走り続けました。そこで王は自分を筆頭に倫理に反することを取り締まる機関をつくったのです。そしてついに王に大事件が起きました。
王が一番信用していた、錬金術師が偶然のたまもので得た動物細胞を錬金術師自分に投与し、王の目の前で黒い翼をはやし人間と非なる者へ変化したのです。やりきれなくなった王は自分の剣で信頼していた錬金術師の羽を斬り、処分したのです。…それがこのBlack wingの由来です。」
「で、その王が作った組織の名前が通称Black wingってことか。…でもなんでそんな機関が今現在もあるんだよ。」
純鋭はスティーブの前に紅茶を置いた。
「人の好奇心は何度罪を犯しても同じことを繰り返すのです。王が取り締まったとしても、大なり小なり、人は生と死について考える者です。そして、人が変わろうが、時代が変わろうが、不老不死というものを追い求めていく。そのたびに進歩と失敗を繰り返していくのです。そして失敗をするたび、本来生まれてはいけないものが生まれたり出来上がったりする。一見成功したと見えても、欠陥部分がどこかしら、出てきます。現代で言えばライガーのように、ライオンとトラのハイブリット生態を生み出すために奇形や遺物など幾度となる失敗を生み出してきました。うまく交配が出来たとしてもライガーはライオン、もしくはトラの単体の寿命より明らかに短い。それは生まれてきた生物にとっては成功だったのか…という捉え方もできますね。僕らはその生物実験に対し適正に行われているか管理と規制、危険度合いを見ての殺処分など、そしてタブーを犯した者を裁くという抑止力を古来から行っています。…。実はこの規制をされている現代でも我々の目を盗んでひそかに行われています。それはもう個人・機関・国単位で…。」
スティーブは紅茶を一口飲んだ。
「で、漆黒の翼は日本がその実験をしている可能性が高いと見込んでここに来たということか?」
スティーブは純鋭の言葉に嘲笑した。
「甘いですね、この紅茶の味くらい甘すぎますね。」
「お前は雑巾の汁でも啜ってろ。」
純鋭は自分の厚意を無碍にされ、悪態づいた。
「まぁ、JUNがいうのもあながち間違いじゃないんだけどね、本来の目的はこのJokerについですよ。」
「Joker?」
その言葉に屡鬼阿の眉間がピクッと動いた。
「さっき、錬金術や生物実験をした際に出た失敗って話しましたよね。大抵人工的に作るられる生物は著しく知能が低かったり、体が弱かったり、自我を持たない、食欲に駆られるだけの醜い物になるんです。我々はそんな生物を増やさないためにも各国を巡り、実験媒体を葬り処分してはまた見つける…の繰り返しをしています。そして研究側も鍛練と知識技術をあげ、年々各素体の失敗作は知能レベルも上がり、意思を持つものを増えてきたのです。…そして最近…本当にここ最近最強最悪な失敗作…いや失敗の上に成り立つ超大作の賜物現れた…と思われる。」
「思われるとはなんだ?」
里京は半信半疑になりながらも話を続けさせた。
「お渡しした南極の写真ですよ。南極で見つけた地下施設は破壊されていたものの、確かに人がいた形跡があった。…しかしその施設研究員はほとんどが非検体に殺害されたようだった。そしてあの14名のメッセージから字が書けるくらいの知能がある。我々は残された手がかり(死体)からJokerと名称を付けた。」
「超大作ってことは他にも他人が感動することがあるってことだろ?」
「そうですね。今ある情報だと、全ての能力において、人間の限界を超えているといった、バカが言うようなことしか言えません。ただ、1人で大人を何人も殺し、メッセージを並べるということは、野放しにしていたら危険ということです。」
「でもそいつの行方はわからないってことか…」
「はい。ですが日本でもJokerと呼ばれている事件があると里京から聞き、小さな情報でもえようと思いまして…。それに世界の各トップは優秀な生物兵器として捕獲したいという国も出てきたため早めに見つけ出す必要があります。」
「最低最悪の残虐で生物兵器として利用されるような奴ならば、殺してあげればいいじゃない。」
屡鬼阿はスティーブにカマをかけるよう嘲笑のように口元をゆるませた。
「…先ほども言った通り、Jokerはもはや失敗作ではなく超大作なんですよ…殺す必要があるならばやむを得ない
ですが、逆に殺される覚悟も必要です。」
「殺す必要があるならば殺す…?」
純鋭はスティーブの言葉に反応した。
「殺さなくても、利用価値はあるだろ?戦争とかマイナスな使い道じゃなくて、逆にこっち側に入れてしまえば大きな抑止力にもなる。」
「…この国の誰が生物実験をしているかわかりませんが、もしもこの国で確保できるなら考えましょう。特安の方のお力も借りたいと思います。協力していただけますか?」
スティーブはソファーから立ち上がり右手を里京へ差し出した。
「国の上の方には話を通してある。こちらの捜査にも協力いただけるなら力を貸そう。」
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