姉はすべてを支配する。さればわれらも姉に従おう。

さいきごそ

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年上のひと

犬猿

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「昨日来た大きい子、知り合いなんだ」
 いつものようにバックルームで返本作業に勤しんでいると、脇を突かれた。
 アイカワさんはいつもの、いわゆるアヒル口を作って微笑んでいる。
 今日も三つ編みをカチューシャ風にして後ろをアップにした髪形であった。連日同じヘアースタイルはめずらしい気がする。
「うん。昨日、一君が褒めてくれたから今日もこれにしてみた」
 ニッと歯を見せて笑う。すぐそばにはニカイドウさんもいるのだけれど、明らかにその存在を無視している。
 アイカワさんは昨日来た大きい子=シーナさんのことをいろいろと訊いてきた。
「ふぅん、最近知り合った子かあ。あの子よくここに来るけれど、スタイルよくてお洒落さんだから気にはなっていたんだ。瓊紅保女子の子よね。友達かな、学校帰りにすっごい美人な子と胸の大きいハーフみたいな子と何度か来てたかな」
 上四元クシナとティナさんのことであろう。
「もっと一君とお話してたそうだったよね」
「……そう、ですか?」
「とぼけちゃってまあ。明らかにキミに気がありそうじゃない」
 先ほどからずっと黙っているニカイドウさんが僕たちの脇を通った。その手にはファックス用紙。
「回収ですか? 僕が行きますよ」
 問題が発生した雑誌等は出版社からの指示で速やかに回収、返本しなければならないことになっている。
「ううん、いいの。一君はお話してて」
 ニカイドウさんはお仕着せの笑顔を残して店内へと向かった。
「嫌味ないい方ねえ」
 とげを隠すどころかむき出しにして、アイカワさんは毒づく。
 なんとなくは感じていたけれど、ニカイドウさんとアイカワさんには壁のようなものを互いに作っている気がする。いや、アイカワさんに限らず、他の女性パート、アルバイトの人たちも似たような接し方をニカイドウさんにしている。
「あの人妻さん、一君にずいぶんご執心だよねえ」
「そんなことないですよ」
「ええ~、どう見てもキミに媚び売りまくってるじゃない」
 そこまでいうと、女性経験がないからよく分からないのかね、とちょっと呆れたような目線をもらってしまった。
 確かにここで働き始めてからニカイドウさんとは接する時間が多いこともあっていろいろとよくはしてもらっているはいるけれど、一連の言動は年上のお姉さん特有の戯れのようなものなのではないだろうかと女性経験のない僕は勝手に思っている。
「明らかにキミを狙ってるって。やめときなよ、人妻なんて。おまけにヤニ吸いとか」
 悪意のみを舌に乗せてアイカワさんはそう力説した。いいたいことは分からないではないけれど、露骨にニカイドウさんを腐されるのは気持ちのよいものではない。
「そんな顔しないでよ、まるで私が悪いみたいじゃない」
 表情に出てしまったのか、アイカワさんはつまらなそうにそう吐き捨てると、店内に戻っていった。
 入れ替わるように、雑誌を抱えたニカイドウさんが戻ってきた。二十冊以上ありそうだ。
「手伝います」
 上の方から半分くらいを受け取ると、ニカイドウさんは台車を持っていけばよかったと苦笑した。
「本当、一君はやさしいんだ」
 回収雑誌をダンボールに詰めていると、ニカイドウさんの艶っぽい声が降ってきた。
「さっきはごめんなさいね、嫌ないい方しちゃって」
 ひょっとしてアイカワさんの発言が聞こえていたのだろうか。
「アイカワさん、いろいろいってたでしょう」
「……いえ、特には」
「女の子たちがタバコを吸っているのが気に入らないのは分かってるんだ。あと一君に言い寄っていることを面白く思っていないことも。アイカワさんとかシオノさん、ツルシインさんもかな、みんな一君みたいな若い男の子が来てうれしいのね。それが私みたいな擦れた人妻が狙っているから相当アタマにきているのよ」
 シオノさんはニカイドウさんより年上のようだけれど、具体的な年齢は不明だ。ただ独身ということは聞いている。彼氏募集中ということも。ツルシインさんは僕が休みの日にシフトに入っている女子高生ということ以外よく分からない。なんでもここ以外にもアルバイトをしているとかで精力的な人のようだ。ちょっと気になったのは知り合いにツルシインという人はいないのだけれど、彼女は僕を知っているということであった。僕のタイムカードを見て「ニノマエ君、ここで働いてるんだ」と驚いたらしい。
「アイカワさんやシオノさん、何かいっていたんですか?」
「態度で分からない? アイカワさん、どう考えても一君のこと気に入ってるじゃない」
 髪型発言のことだろうか。
「シオノさんは年齢のこともあるから焦っているのかな、よく恋人欲しいって話してるし」
 それは確かに聞いている。というか、あの人はそればっかりなイメージだ。

「ああ、オトコ欲し~」

 口を開けばそんなことをいい、僕にいいオトコいない? 紹介してよ、なんなら君でもいいから、とかかなり飢えてらっしゃるようだった。
 化粧っ気がない上にそんなことばかりいっているからかどうかは分からないけれど、未だに男性経験はないとのことであった。
 休憩中、アイカワさんとそんな話をしながら、返本作業してる僕に「もらってくれない?」ともう受け入れてくれるのなら誰でも的な投げやり発言をしたりしていた。もちろんそばにはニカイドウさんもいたのだけれど、やはりそんなことはお構いなし。アイカワさんほどではないけれど、シオノさんもニカイドウさんにはいい印象を持っていなさそうだった。
「タバコはともかく、一君のことは譲る気はないんだ、私」
 いつの間にかこちらを見上げているニカイドウさんの顔がすぐそこにある。
「……ニ、ニカイドウさんは旦那さんが、」
「旦那がいる人間は恋しちゃダメ? 旦那は彼氏じゃないとかバカなことをいうつもりはないけど、でもやっぱり恋する気持ちには抗えないの。メスとして」
 メス・・という原始的な言い回しと潤んだふたつの瞳に精神がかき乱される。加えて口元のほくろと薬指の指輪の醸す淫猥さが青臭い劣情をむだに刺激し、背徳感と罪悪感を否応なく駆り立てる。
 ニカイドウさんがそっと手のひらを僕の胸板に乗せ、目を閉じる。
「………だ、ダメです、ダメですよ。そういうのはよくないです」
 ニカイドウさんは答える代わりに気持ちつま先立ちをして、距離を縮めてくる。
 何も言葉を発しようとしない彼女の円熟したくちびるはしかし、雄弁に今のむき出しの感情を容赦なく僕にぶつけていた。
 停止した時間の中、軽く結ばれたままのくちびるから小さく切ない吐息が漏れる。
 ノー・エスケイプ状態。
 こういうときは羽二生さんを思い浮かべて自制心を呼び起こすに限るのだけれど、なぜか羽二生さんはおろか誰も何も浮かんではこなかった。それだけ上四元クシナに迫られている以上に切迫している状況ということであろうか。
 タンッ、と勢いよくスイングドアが開いた。
 押せばやわらかく開き、あとは勝手に閉まるこの軽いドアはスーパーやコンビニで従業員の人が出入りしているのを見て知ってはいたけど、いざ自分が体験すると、けっこう楽しかったりする。
「おッつかれーィ」
 声の主はモチヅキさんだった。
 瓊紅保にある商科大学の付属高校に通う二年生だそうで、地元の利を活かして僕より早く出勤し、僕より早く退勤する。裾幅四十近くはありそうなフレアのジーンズ――ご本人にベルボトムだと訂正を求められた――を愛用する陽気で裏表のなさそうな人だ。
 よく暖色系のぴっちりしたTシャツなどのカットソーと合わせていて、インパクトのあるボトムスに負けないくらい目に鮮やかなトップスは数百円で買った古着かと思えば、けっこう高めなブランドだったりする。
 彼女の着ていたTシャツのブランドを指摘したときには「知ってるねー、君」とたいそう喜ばれた。たまたま姉も買っているブランドだっただけなのだけれど、モチヅキさんはブランドロゴが露骨にプリントされてもいないのに分かるのはすごいよと妙なことで褒められた。
 むしろ僕は同年代に比べると服装等にはあまり興味がなく、未だに姉が買ってくるお仕着せの服を着ている。もし詳しくなったとするのならば、それは姉の買い物に付き合わされているからに過ぎない。
「今日も働いたぞっと」
 ミディアムのストレートヘアを揺らしながらロッカーの前に立つと、いつものようにそのまま着替え始めたので慌てて背を向けた。
 在庫品を管理する横に長いバックルームの隅には従業員用ロッカーがいくつか並んでいるのだけれど、間仕切りもなにもないので女性はさらにその奥、椅子やテーブルのある休憩室で着替えることになる。ここは公共の場でよく見るような畳スペースもあり、横になることもできる。
 しかしモチヅキさんは煩雑だからなのか、わざわざ奥まで行くことはせず、誰がいようともかまわず服を脱ぎ出すので、初めてそれに遭遇したときはかなり驚いた。
 不可避の事態により確認してしまったそのときのモチヅキさんの下着はチュールレースのフリルTバックっぽかった。ああいう感じのは母も持っている。失礼ながらピンクのそれは可愛くセクシーで彼女のキャラクターに合わず意外な気がした。
 不可抗力とはいえ、見てしまったことを必死に謝罪する僕にモチヅキさんは「どうして謝るんだい」と不思議そうにいうのだった。
 後日、その場に居合わせたアイカワさん経由から耳にしたらしいシオノさんからずいぶんと追及され、「ねえ、モチヅチさんをおかずにしたの?」としばらく顔を会わせるたびに訊かれることになった。
 もっとも当のモチヅキさんはシオノさんの不穏当な発言を含めてまるで気にする様子がないことが、救いだったけれど。
「……よし、っと」
 勤務中は威圧感さえ感じさせるベルボトムはさすがに自粛しているようで、仕事用にブーツカットをロッカーに常駐させて着替えている。制服姿でアルバイト先に赴くのは嫌なのか一旦、帰宅してから私服でやって来るのだ。
 トレードマークのベルボトムを穿き終えたのか、気合いを入れるようにロッカーを閉める音が聞こえた。
 今日のTシャツはショッキングピンク。当人曰く絶賛発育中の胸は適度な膨らみと弾力を誇っている。
 耳に被せるスポーツタイプのイヤホンを装着したモチヅキさんは手のひらの音楽プレーヤーのスイッチを入れた。
「ニカイドウさん、一君、お先に失礼します」
 ではでは、と手刀のポーズで僕らの前を通りながらうやうやしくアタマを下げると、ジーンズの裾をなびかせてモチヅキさんは颯爽と帰って行った。
「元気な子よね、彼女」
 モチヅキさんが入ってきた瞬間、ニカイドウさんは背を向けてなにごともなかったかのように返本作業をしていた。華麗な身のこなしとも取れるし、見事な瞞着ぶりとも取れる。
「あの子も一君に気があるのかな」
 さっきまでのことなどなにも知らないといった体で歌うようにいうその横顔にちょっと大人のずるさを感じた。そして、こういうときだけ子供を意識する自分にも。
「ニカイドウさんの中では僕はずいぶんと持ててるんですね」
 くすっと笑い声がした。「一君も皮肉をいうんだ」
 特に何の意識も乗せたつもりはなかったけれど、彼女にはそう取られたようであった。
「……気を悪くさせたのならすみません」
 どこか覚めたニカイドウさんの物言いに恐縮してアタマを下げると、クスッと品のいい笑い声が起こる。
「私ね、あなたのそういうところ好き」
 以前、上四元クシナにいわれた言葉がフラッシュバックする。迫り方といい、似てはいるけれど、後ろ暗いところがある分、こちらは選択次第で手痛いダメージを負う気がする。
「さっき雑誌を受け取ってくれたとき、一君の手、私の胸に触れたでしょう」
 モチヅキさんによって凪いだバックルームの空気がふたたび猥雑さを取り戻し始める。
 ニカイドウさんは僕の手を取ると、一君のエッチ、と甘くやさしく、老猾に囁いた。
 再度、訪れる難局に苦慮しながら、今日も送ってもらうとなると、ただではすまないような気がして、気が重くなってくる。とりあえずはこの急場をなんとかしないといけない。
 モチヅキさんが忘れ物を取りにでも戻らないかと願うけれど、奇跡などそうそう起こるはずもない。
 僕は何かをごまかすように渇ききった咽喉をむりやり鳴らした。
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