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19 取り調べ
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ヴォルテーヌ家に戻ったゼインはレオン、リュシエンヌと共にアラベルを拘束している軍本部へ向かった。
アラベルはようやく魔法が解かれ話せるようになったが、足と目は元に戻らなかった。
「魔法を発動するための代償ですからね。仕方ない」
ゼインは取り調べ室に入り、レオンとリュシエンヌは小さな窓越しにその様子を見守った。
「アラベル・デュメリー。君は12年前、魔法を発動させるアイテムを何らかの方法でリュシエンヌ嬢に飲ませたな?」
車椅子に座ったアラベルはゼインの声に反応し顔を上げた。
「はい……そうです」
「動機は何だ」
「マルセルがリュシエンヌと婚約したと聞いて……リュシエンヌがいなくなれば私にもチャンスはあると……そう思いました」
「最初からそう思っていたわけではないだろう? イネスに唆されたのではないか」
「……あの日……私はリュシエンヌへの婚約祝いを買うために街に出掛けていたのです……悔しいけれど仕方のないことだからちゃんとお祝いしようと……」
(アラベル……!)
アラベルのその言葉にリュシエンヌは胸が痛くなった。
「しかしその途中でイネスに声を掛けられた、と?」
「声というか……気がつけばイネスのいる部屋の前にいて。『叶わぬ恋をしているね?』と言い当てられてつい、信じてしまいました……」
「イネスは、『命を取ることはできないが眠らせることはできる』と言ったのではないか?」
「はい、その通りです……リュシエンヌを殺すわけではないから罪の意識を持たなくてもよいと……」
ゼインは既にわかっていることを一つ一つ確認しているように思えた。部屋の片隅に置かれた机で軍の兵士が調書を作成しているからだろう。
「リュシエンヌ嬢にどうやって……ああ、ここでは『毒』と呼ぼうか。『魔法を込めた角砂糖』では長いから。どうやって毒を飲ませたのか?」
「お祝いを言いに彼女の家に行き、隙を見てティーカップに角砂糖を入れました。かき混ぜなくてもあっという間に溶けて、色も変わらず……簡単でした。リュシエンヌがカップを口に運ぶまで何度もやめようと思ったけど……勇気がなくてそのまま……」
「そしてリュシエンヌ嬢は倒れたのだな」
「はい。たったひと口でリュシエンヌは……あの時、『助けて』と言った彼女の顔が、ずっと頭に焼き付いて……この12年忘れたことはありません」
レオンが、リュシエンヌと繋いだ手に力を込める。大丈夫か? というように。
「大丈夫よ、レオン。私はアラベルの内面が知りたい。どうしてあんなに激しく私を憎んでいたのか……」
リュシエンヌはレオンを見つめてそう言うと、またアラベルに視線を戻した。
(本当を言うと聞くのは怖い。ずっと親友だと思っていたアラベルが、心の中では私を憎んでいた、その理由を聞くのは……でも私は知らなければならない。私の何がアラベルを傷つけていたのかを)
「そして、それから君はマルセルと親交を深めていった」
「はい。最初は毒を疑われ徹底的に調べられましたが何の証拠も無く釈放されました。その足で、私はマルセルを訪ねたのです。彼は憔悴しきっていました。毒の線が消えた今、病気だと考えるしかない、しかしいったいいつ目覚めるのかと……私は彼を慰め、励まし、時にはリュシエンヌの元を二人で訪れて彼の心の傷が癒えていくのを待ちました」
~~~~~
アラベルの取り調べの前に、リュシエンヌとレオンはマルセルの事情聴取も窓からそっと見ていた。マルセルはその時こう言っていた。
「最初はアラベルが犯人だと思っていた。しかし毒ではないと断定され、ならばこれは病気なのだと。彼女の両親もそう思ってあらゆる医師に彼女を診せていたし、私も協力した。しかし彼女が目覚めることはなかった。美しいまま眠るリュシエンヌを諦めきれず何度も通う私の側にいつも寄り添ってくれたのがアラベルだった」
しかしマルセルにとってアラベルは結婚相手と思える女性ではなかったという。身分も見た目も、自分には釣り合わない。だが5年経ってようやく他の人との結婚を考えた時、なぜか頭に浮かんだのがアラベルだったのだそうだ。
「その時はなぜかアラベルがいいと……そう思って結婚した。しかし一年経つ頃には後悔していた。もっと他に良い女性がいたのではないかと。もちろん、アラベルにそれを言ったりはしていないが」
マルセルの聴取にゼインは立ち会っていない。リュシエンヌと一緒に窓から見るだけだった。
「……惚れ薬を使われてるな」
ぽつりと呟くゼイン。
「惚れ薬?」
「そう。彼から微かにその気配がする。結婚するためにアラベルが薬を盛ったのだろう」
~~~~~
「5年が経ち彼は私に言いました。『リュシエンヌを諦めようと思う。私はクレマン家を継いでいかねばならないから』それを聞いて、マルセルはこれから見合いを始めるのだと思いました。だから彼に、惚れ薬を……飲ませました」
リュシエンヌが息を呑む。ゼインの言った通りだ。
「その薬の効き目は一年ほどだったのではないか?」
「はい。でもマルセルはずっと優しかった。私は幸せで、でも不安で……こんな私とずっと夫婦でいてくれるはずがない、いつか離縁されてしまうのではないかと……だからどうしても子供が欲しかった。マルセルの血を引く子供さえ産めば、私は彼の妻でいられる。たとえ愛が無くなっても子供がいれば……」
ゼインが、少し憐れむような目を向けた。だがもちろんアラベルには見えていない。
「リュシエンヌ嬢を眠らせた代償に子供を産めなくなっているとは知らなかった?」
その言葉に、アラベルは唇を噛む。ずっと顔色が悪かったのに、急激に赤みが差してきた。
「そうよ。あのイネスが私を騙したのよ。そうなるとわかっていれば、リュシエンヌを眠らせたりしなかった。マルセルに愛されたあと捨てられるくらいなら、最初から私のものにならなければよかった……!」
(アラベル……! あなたはそれほどまでにマルセル様のことを……!)
リュシエンヌは手で口を押さえ嗚咽が漏れないようにしたが、涙だけは止めることができなかった。
「君が傷ついているのはわかった。だがしかし、2回目についてはどうなのだ?」
「だって! リュシエンヌは目覚めてすぐに公爵様に愛されて……大きな屋敷で贅沢三昧で……しかも若くて美しくて……私の欲しいものを全て持っている。そしていつかは子供を産むのよ? 私は一生産むことができないのに! そんなの許せないじゃない!」
アラベルはパーティーの時と同じように涙を流しながら叫んだ。
「だからイネスに頼んだのよ! リュシエンヌが子供を産めないように。若さや美しさを失うように……!」
「それは単なる八つ当たりじゃないか」
ゼインが呆れたように冷めた口調で言う。
「リュシエンヌ嬢を同じ目に遭わせるためだけに、足と目を失う契約を結んだのか」
「そうよ! リュシエンヌが子供を抱いている姿なんて見たくないもの! 目なんて見えなくていいの! 歩けなくたっていい! どうせすぐに死ぬつもりだったわ!」
「……本当にそうか? もし誰にもバレずに成功していたら、今度は悲劇のヒロインになるのは君だ。突然倒れ目と足を失った君を、マルセルは放り出したりしないだろう。マルセルの愛人が子供を産もうと、正妻の座は君のもの。皆、君を大事にかまってくれるだろう。そしてリュシエンヌが妊娠出来ないという悩みを君に相談しに来る日を待てばいい……違うか?」
荒れ狂っていたアラベルが静かになった。どのくらい時間が経ったのだろうか。やがてゆっくりと口を開く。
「そうかも、しれないわ……」
急にアラベルは穏やかな表情になった。リュシエンヌへの憎しみの奥底にマルセルへの愛が流れていること、本当に欲しかったのは彼の愛情だということがわかり……ようやく自分の罪を悟ったのかもしれない。
「アラベル、魔法による罪を犯した者は生涯幽閉される。これは世界中どの国でも例外はない。裁判すら開かれないから、この後牢獄へ直行することになるだろう。何か言い残したことはあるか?」
「マルセルにごめんなさい、と。リュシエンヌには……何も言わなくていいわ」
「アラベル!」
リュシエンヌは思わず窓に近づきアラベルを呼んだ。
「アラベル! 私……」
しかしその後が続かない。何を言えばアラベルに伝わるのだろう。
「私……あなたを本当の親友だと思っていたわ。あなたは違ったかもしれないけれど、私はあなたが大好きだった」
リュシエンヌの声が聞こえる方向に顔を向けたアラベルは、声を出さずに口の動きだけで「ごめんね、」と言った。そしてすぐに背を向け、兵士に車椅子を押されて取り調べ室を後にした。
アラベルはようやく魔法が解かれ話せるようになったが、足と目は元に戻らなかった。
「魔法を発動するための代償ですからね。仕方ない」
ゼインは取り調べ室に入り、レオンとリュシエンヌは小さな窓越しにその様子を見守った。
「アラベル・デュメリー。君は12年前、魔法を発動させるアイテムを何らかの方法でリュシエンヌ嬢に飲ませたな?」
車椅子に座ったアラベルはゼインの声に反応し顔を上げた。
「はい……そうです」
「動機は何だ」
「マルセルがリュシエンヌと婚約したと聞いて……リュシエンヌがいなくなれば私にもチャンスはあると……そう思いました」
「最初からそう思っていたわけではないだろう? イネスに唆されたのではないか」
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(アラベル……!)
アラベルのその言葉にリュシエンヌは胸が痛くなった。
「しかしその途中でイネスに声を掛けられた、と?」
「声というか……気がつけばイネスのいる部屋の前にいて。『叶わぬ恋をしているね?』と言い当てられてつい、信じてしまいました……」
「イネスは、『命を取ることはできないが眠らせることはできる』と言ったのではないか?」
「はい、その通りです……リュシエンヌを殺すわけではないから罪の意識を持たなくてもよいと……」
ゼインは既にわかっていることを一つ一つ確認しているように思えた。部屋の片隅に置かれた机で軍の兵士が調書を作成しているからだろう。
「リュシエンヌ嬢にどうやって……ああ、ここでは『毒』と呼ぼうか。『魔法を込めた角砂糖』では長いから。どうやって毒を飲ませたのか?」
「お祝いを言いに彼女の家に行き、隙を見てティーカップに角砂糖を入れました。かき混ぜなくてもあっという間に溶けて、色も変わらず……簡単でした。リュシエンヌがカップを口に運ぶまで何度もやめようと思ったけど……勇気がなくてそのまま……」
「そしてリュシエンヌ嬢は倒れたのだな」
「はい。たったひと口でリュシエンヌは……あの時、『助けて』と言った彼女の顔が、ずっと頭に焼き付いて……この12年忘れたことはありません」
レオンが、リュシエンヌと繋いだ手に力を込める。大丈夫か? というように。
「大丈夫よ、レオン。私はアラベルの内面が知りたい。どうしてあんなに激しく私を憎んでいたのか……」
リュシエンヌはレオンを見つめてそう言うと、またアラベルに視線を戻した。
(本当を言うと聞くのは怖い。ずっと親友だと思っていたアラベルが、心の中では私を憎んでいた、その理由を聞くのは……でも私は知らなければならない。私の何がアラベルを傷つけていたのかを)
「そして、それから君はマルセルと親交を深めていった」
「はい。最初は毒を疑われ徹底的に調べられましたが何の証拠も無く釈放されました。その足で、私はマルセルを訪ねたのです。彼は憔悴しきっていました。毒の線が消えた今、病気だと考えるしかない、しかしいったいいつ目覚めるのかと……私は彼を慰め、励まし、時にはリュシエンヌの元を二人で訪れて彼の心の傷が癒えていくのを待ちました」
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アラベルの取り調べの前に、リュシエンヌとレオンはマルセルの事情聴取も窓からそっと見ていた。マルセルはその時こう言っていた。
「最初はアラベルが犯人だと思っていた。しかし毒ではないと断定され、ならばこれは病気なのだと。彼女の両親もそう思ってあらゆる医師に彼女を診せていたし、私も協力した。しかし彼女が目覚めることはなかった。美しいまま眠るリュシエンヌを諦めきれず何度も通う私の側にいつも寄り添ってくれたのがアラベルだった」
しかしマルセルにとってアラベルは結婚相手と思える女性ではなかったという。身分も見た目も、自分には釣り合わない。だが5年経ってようやく他の人との結婚を考えた時、なぜか頭に浮かんだのがアラベルだったのだそうだ。
「その時はなぜかアラベルがいいと……そう思って結婚した。しかし一年経つ頃には後悔していた。もっと他に良い女性がいたのではないかと。もちろん、アラベルにそれを言ったりはしていないが」
マルセルの聴取にゼインは立ち会っていない。リュシエンヌと一緒に窓から見るだけだった。
「……惚れ薬を使われてるな」
ぽつりと呟くゼイン。
「惚れ薬?」
「そう。彼から微かにその気配がする。結婚するためにアラベルが薬を盛ったのだろう」
~~~~~
「5年が経ち彼は私に言いました。『リュシエンヌを諦めようと思う。私はクレマン家を継いでいかねばならないから』それを聞いて、マルセルはこれから見合いを始めるのだと思いました。だから彼に、惚れ薬を……飲ませました」
リュシエンヌが息を呑む。ゼインの言った通りだ。
「その薬の効き目は一年ほどだったのではないか?」
「はい。でもマルセルはずっと優しかった。私は幸せで、でも不安で……こんな私とずっと夫婦でいてくれるはずがない、いつか離縁されてしまうのではないかと……だからどうしても子供が欲しかった。マルセルの血を引く子供さえ産めば、私は彼の妻でいられる。たとえ愛が無くなっても子供がいれば……」
ゼインが、少し憐れむような目を向けた。だがもちろんアラベルには見えていない。
「リュシエンヌ嬢を眠らせた代償に子供を産めなくなっているとは知らなかった?」
その言葉に、アラベルは唇を噛む。ずっと顔色が悪かったのに、急激に赤みが差してきた。
「そうよ。あのイネスが私を騙したのよ。そうなるとわかっていれば、リュシエンヌを眠らせたりしなかった。マルセルに愛されたあと捨てられるくらいなら、最初から私のものにならなければよかった……!」
(アラベル……! あなたはそれほどまでにマルセル様のことを……!)
リュシエンヌは手で口を押さえ嗚咽が漏れないようにしたが、涙だけは止めることができなかった。
「君が傷ついているのはわかった。だがしかし、2回目についてはどうなのだ?」
「だって! リュシエンヌは目覚めてすぐに公爵様に愛されて……大きな屋敷で贅沢三昧で……しかも若くて美しくて……私の欲しいものを全て持っている。そしていつかは子供を産むのよ? 私は一生産むことができないのに! そんなの許せないじゃない!」
アラベルはパーティーの時と同じように涙を流しながら叫んだ。
「だからイネスに頼んだのよ! リュシエンヌが子供を産めないように。若さや美しさを失うように……!」
「それは単なる八つ当たりじゃないか」
ゼインが呆れたように冷めた口調で言う。
「リュシエンヌ嬢を同じ目に遭わせるためだけに、足と目を失う契約を結んだのか」
「そうよ! リュシエンヌが子供を抱いている姿なんて見たくないもの! 目なんて見えなくていいの! 歩けなくたっていい! どうせすぐに死ぬつもりだったわ!」
「……本当にそうか? もし誰にもバレずに成功していたら、今度は悲劇のヒロインになるのは君だ。突然倒れ目と足を失った君を、マルセルは放り出したりしないだろう。マルセルの愛人が子供を産もうと、正妻の座は君のもの。皆、君を大事にかまってくれるだろう。そしてリュシエンヌが妊娠出来ないという悩みを君に相談しに来る日を待てばいい……違うか?」
荒れ狂っていたアラベルが静かになった。どのくらい時間が経ったのだろうか。やがてゆっくりと口を開く。
「そうかも、しれないわ……」
急にアラベルは穏やかな表情になった。リュシエンヌへの憎しみの奥底にマルセルへの愛が流れていること、本当に欲しかったのは彼の愛情だということがわかり……ようやく自分の罪を悟ったのかもしれない。
「アラベル、魔法による罪を犯した者は生涯幽閉される。これは世界中どの国でも例外はない。裁判すら開かれないから、この後牢獄へ直行することになるだろう。何か言い残したことはあるか?」
「マルセルにごめんなさい、と。リュシエンヌには……何も言わなくていいわ」
「アラベル!」
リュシエンヌは思わず窓に近づきアラベルを呼んだ。
「アラベル! 私……」
しかしその後が続かない。何を言えばアラベルに伝わるのだろう。
「私……あなたを本当の親友だと思っていたわ。あなたは違ったかもしれないけれど、私はあなたが大好きだった」
リュシエンヌの声が聞こえる方向に顔を向けたアラベルは、声を出さずに口の動きだけで「ごめんね、」と言った。そしてすぐに背を向け、兵士に車椅子を押されて取り調べ室を後にした。
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