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第5章 ぼっちの俺がリア充みたいな夏休みを過ごしてるのは気のせいか?
第29話 それに将来は拓馬のところに永久就職するって決めてるから
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大阪旅行から帰った翌日、俺とアリスは少し遠出してデパートに来ていた。その目的は明日の花火大会に着ていく浴衣を探すためだ。
正直俺は浴衣を着る事によってこだわりなんて全く無かったがアリスは違ったらしい。だから朝早くから叩き起こされるはめになっていた。今は呉服店に来て二人で浴衣を見ている。
「拓馬的には何色の浴衣が私に似合うと思う?」
「結構悩むところだけど個人的には青色かな」
爽やかで涼しげな印象がある青色の浴衣は絶対アリスに似合いそうだ。そんな俺の言葉を聞いたアリスは青色の浴衣を持って試着室へと入っていった。それから少しして試着室から出てきたアリスは口を開く。
「どうかな?」
「やっぱりよく似合ってる」
青色の浴衣は想像していた以上によくアリスに似合っていて、まるで何かのモデルようにしか見えない。
「ありがとう、じゃあこれにするよ」
「他の色は試着しなくていいのか?」
「うん、拓馬が似合うって言ってくれたんだから間違いはないと思うしね」
「アリスが満足してるならそれで良いけど」
アリスは試着室の中へと再び入り、中で元の服に着替えて出てきた。
「じゃあ次は拓馬の着る浴衣を選ぼうか」
「いや、俺は別に買わなくて大丈夫だぞ」
「せっかくの花火大会なんだから拓馬も浴衣着ようよ」
「そう言われてもな、そもそも浴衣を買うお金なんか持ってきてないし」
デパートにある呉服店のためそれなりに良い値段であり、今の手持ちでは到底買えそうにないのだ。
「あっ、拓馬の浴衣は私が買ってあげるからお金は大丈夫」
「いやいや、それは流石に申し訳ないから」
「それなら貸しって事にしといてあげる」
アリスはどうしても俺に浴衣を着させたいらしい。結局そのまま押し切られて俺の浴衣も買う事になってしまった。
「この浴衣とかどう?」
「ちょっと派手すぎて俺には似合わないと思うんだよな」
「じゃあこっちは?」
「それは割とありだと思ってる」
そんな感じのやり取りを何度か繰り返し、最終的にシンプルな黒い浴衣を選んだ。そして会計をする俺達だったが、二人分の浴衣の合計金額は五万円と表示されていた。
五万円という金額は高校生にとってかなりの大金だ。だがアリスは顔色一つ変えずクレジットカードで支払ってしまった。
「……よくそんなにお金あるな」
「だいぶ稼いでるから正直お金には困ってないんだよ」
「アリスってバイトとか何もしてない気がするけど、一体どうやって稼いでるんだ?」
気になった俺がそう質問するとアリスはとんでもない答えを返してくる。
「株の配当だよ、確か年間で四百万円くらい貰ってたと思う」
「よ、四百万円!? それだけ配当金を受け取ろうと思ったら元本がめちゃくちゃ必要だと思うけど一体どうやって準備したんだよ……?」
俺は株についてそんなに詳しくないが、利回りが10%だったとしても元本が四千万円くらい必要なはずだ。するとアリスはそんな俺の疑問に答える。
「パズル&ダンジョンズを運営してる会社の株をゲームがサービス開始する前に百万円分くらい買ったら一年後に大流行して株価が百倍になったんだよね。だから利確してその一部で高配当型の株を買ったんだ」
さらっとそんな事を話すアリスに俺は驚きを隠せなかった。てか、パズル&ダンジョンズが大ヒットするまでは全く知られてなかった会社によく百万円も投資する気になったな。
未来でも知らない限りそんなタイミングよく買ったり売ったりできないと思うが、そんな事はあり得ないのでアリスは先見の明が凄まじくあったのだろう。
「アリスは将来就職しなくても個人投資家として生きていけるんじゃないか?」
「たまたま運良く勝てただけだからそれは難しいと思うな。それに将来は拓馬のところに永久就職するって決めてるから」
ニヤニヤしながらそう口にするアリスは相変わらず平常運転なようだ。目的を達成したため呉服店を後にする俺達だったが、アリスはまだ他にも行きたいところがあるらしく手を引かれる。
「なあ、次はどこに行くんだ?」
「それは着いてからのお楽しみ」
はぐらかされてしまったため嫌な予感を覚える俺だったが、残念ながらそれは見事に的中してしまう。
「いやいや、女性用の水着売り場じゃん」
「最近胸が大きくなってきたから新しいのを買おうと思って」
「俺は外で待ってるからゆっくり選んでくれ」
「えー、拓馬に選んでもらうつもりだからそれは困るな」
アリスは平然とそんな事を言い放った。どうやら先程と同じく俺に選ばせるつもりのようだ。だがどう考えても浴衣を選ぶよりもハードルが圧倒的に高い。
ただでさえ周りの客や店員からジロジロ見られて居心地が悪いというのに、そんな中で水着を選ばせる行為はもはや拷問レベルだ。
「拓馬的には赤と黒のビキニならどっちが私に似合うと思う?」
「どっちでも似合うと思うから早く決めてくれ」
一刻も早くこの場を離れたい一心でそう答えた俺だったが、それが良くなかったらしい。
「むー、拓馬がちゃんと真面目に選んでくれるまでここを動かないから」
「……おいおい勘弁してくれよ」
仕方なくめちゃくちゃ真面目に似合いそうなビキニを考え始める俺だったが、アリスが中々納得してくれなかったため結局一時間近く滞在するはめになってしまった。
正直俺は浴衣を着る事によってこだわりなんて全く無かったがアリスは違ったらしい。だから朝早くから叩き起こされるはめになっていた。今は呉服店に来て二人で浴衣を見ている。
「拓馬的には何色の浴衣が私に似合うと思う?」
「結構悩むところだけど個人的には青色かな」
爽やかで涼しげな印象がある青色の浴衣は絶対アリスに似合いそうだ。そんな俺の言葉を聞いたアリスは青色の浴衣を持って試着室へと入っていった。それから少しして試着室から出てきたアリスは口を開く。
「どうかな?」
「やっぱりよく似合ってる」
青色の浴衣は想像していた以上によくアリスに似合っていて、まるで何かのモデルようにしか見えない。
「ありがとう、じゃあこれにするよ」
「他の色は試着しなくていいのか?」
「うん、拓馬が似合うって言ってくれたんだから間違いはないと思うしね」
「アリスが満足してるならそれで良いけど」
アリスは試着室の中へと再び入り、中で元の服に着替えて出てきた。
「じゃあ次は拓馬の着る浴衣を選ぼうか」
「いや、俺は別に買わなくて大丈夫だぞ」
「せっかくの花火大会なんだから拓馬も浴衣着ようよ」
「そう言われてもな、そもそも浴衣を買うお金なんか持ってきてないし」
デパートにある呉服店のためそれなりに良い値段であり、今の手持ちでは到底買えそうにないのだ。
「あっ、拓馬の浴衣は私が買ってあげるからお金は大丈夫」
「いやいや、それは流石に申し訳ないから」
「それなら貸しって事にしといてあげる」
アリスはどうしても俺に浴衣を着させたいらしい。結局そのまま押し切られて俺の浴衣も買う事になってしまった。
「この浴衣とかどう?」
「ちょっと派手すぎて俺には似合わないと思うんだよな」
「じゃあこっちは?」
「それは割とありだと思ってる」
そんな感じのやり取りを何度か繰り返し、最終的にシンプルな黒い浴衣を選んだ。そして会計をする俺達だったが、二人分の浴衣の合計金額は五万円と表示されていた。
五万円という金額は高校生にとってかなりの大金だ。だがアリスは顔色一つ変えずクレジットカードで支払ってしまった。
「……よくそんなにお金あるな」
「だいぶ稼いでるから正直お金には困ってないんだよ」
「アリスってバイトとか何もしてない気がするけど、一体どうやって稼いでるんだ?」
気になった俺がそう質問するとアリスはとんでもない答えを返してくる。
「株の配当だよ、確か年間で四百万円くらい貰ってたと思う」
「よ、四百万円!? それだけ配当金を受け取ろうと思ったら元本がめちゃくちゃ必要だと思うけど一体どうやって準備したんだよ……?」
俺は株についてそんなに詳しくないが、利回りが10%だったとしても元本が四千万円くらい必要なはずだ。するとアリスはそんな俺の疑問に答える。
「パズル&ダンジョンズを運営してる会社の株をゲームがサービス開始する前に百万円分くらい買ったら一年後に大流行して株価が百倍になったんだよね。だから利確してその一部で高配当型の株を買ったんだ」
さらっとそんな事を話すアリスに俺は驚きを隠せなかった。てか、パズル&ダンジョンズが大ヒットするまでは全く知られてなかった会社によく百万円も投資する気になったな。
未来でも知らない限りそんなタイミングよく買ったり売ったりできないと思うが、そんな事はあり得ないのでアリスは先見の明が凄まじくあったのだろう。
「アリスは将来就職しなくても個人投資家として生きていけるんじゃないか?」
「たまたま運良く勝てただけだからそれは難しいと思うな。それに将来は拓馬のところに永久就職するって決めてるから」
ニヤニヤしながらそう口にするアリスは相変わらず平常運転なようだ。目的を達成したため呉服店を後にする俺達だったが、アリスはまだ他にも行きたいところがあるらしく手を引かれる。
「なあ、次はどこに行くんだ?」
「それは着いてからのお楽しみ」
はぐらかされてしまったため嫌な予感を覚える俺だったが、残念ながらそれは見事に的中してしまう。
「いやいや、女性用の水着売り場じゃん」
「最近胸が大きくなってきたから新しいのを買おうと思って」
「俺は外で待ってるからゆっくり選んでくれ」
「えー、拓馬に選んでもらうつもりだからそれは困るな」
アリスは平然とそんな事を言い放った。どうやら先程と同じく俺に選ばせるつもりのようだ。だがどう考えても浴衣を選ぶよりもハードルが圧倒的に高い。
ただでさえ周りの客や店員からジロジロ見られて居心地が悪いというのに、そんな中で水着を選ばせる行為はもはや拷問レベルだ。
「拓馬的には赤と黒のビキニならどっちが私に似合うと思う?」
「どっちでも似合うと思うから早く決めてくれ」
一刻も早くこの場を離れたい一心でそう答えた俺だったが、それが良くなかったらしい。
「むー、拓馬がちゃんと真面目に選んでくれるまでここを動かないから」
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