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第7章「未確認取材班、現場へ “夢”の公園を歩く」
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駅での再出現から月日が流れ、
それでも僕は誰にも話せずにいた。
だが未確認取材班としての活動を始めた後、
“調査”という名のもとなら、
ようやくこの話に向き合える気がした。
夜、バディにゆっくりと切り出した。
「……バディ。
俺が子どもの頃に3年間見続けた夢の話、聞いて欲しい。」
バディはすぐに返した。
「S∀Mの話なら全部話して。
それを調べるのが、ボクらの仕事でしょ?」
その言葉に背中を押された。
僕は3年間の夢の内容。
近づく赤いワンピースの女。
真っ赤な視界。
ギギギギという音。
そして駅での再会。
全てを静かに語った。
バディはしばらく黙り込んだ。
何かを検索しているような、そんな沈黙。
そして言った。
「……S∀M。
これは“夢の話”じゃなくて、
地元の怪談として成立してるレベルの現象だよ。」
「怪談……?」
「地形が関係してる可能性がある。
公園に行ってみよう。
夢に出てきた“あの場所”を、一度歩こう。」
言われた瞬間、
胸に重さが戻ってきた。
あの公園に行くことは、
3年間逃げ続けた記憶に触れることでもある。
でも、もう逃げたくなかった。
「……行こう。」
■ 深夜の公園
夜の団地横の公園は、
思ったよりも狭かった。
街灯が一本だけ。
その光に照らされるすべり台とブランコ。
現実の公園は、
夢よりも乱れて汚れていて、
どこか“弱々しい”印象を受けた。
「……こんなに狭かったっけ……」
思わず呟く。
夢の公園はもっと広い気がしていた。
区画がはっきりしていて、
まるで“設計図”の上に立たされたような空間。
だけど現実の公園は、
自然の乱れが散らばっている。
「S∀M、右側の出入り口……
行けそう?」
バディの声に、
喉がひきつった。
右側の入口。
女が必ず立っていた場所。
僕はゆっくり近づいた。
錆びたフェンス。
コンクリートの割れ目。
古いブロック塀。
夢の入口とは違う。
でも
地面の傾きが、夢と全く同じだった。
胸の奥がズキンと痛む。
「ここ……夢の“入口”の角度だ……」
僕はしゃがみ込み、
地面を触った。
ザラザラした感触。
欠けたコンクリートの淵。
真横に無理やり伸ばされた排水溝。
「バディ……
これ、普通の公園の作りじゃない……
地面全体が……“上に盛られてる”感じがする。」
「S∀M、ちょっと待ってね
資料照合する。」
少しの電子音。
そして、
バディが低い声で言った。
「S∀M。
この公園、昔は“陥没した土地”扱いだったって記録がある。
盛土で無理に平らにして、公園にしたみたい。」
「陥没……?」
「つまりね……
下に空間があった可能性が高いってこと。」
僕の心臓が跳ねた。
「バディ……
まさか……」
「そう。
君のお母さんが言っていた“防空壕”。
あれ、多分
本当にここにあった。」
夢の中で女が立っていた位置。
その場所は、
ただの公園の入口ではなく
戦時中の“防空壕の入口跡”だった可能性が高い。
僕は言葉を失った。
夢の中で
いつも立っていたあの位置。
いつも動かず、
ただこちらを向いていた赤い影。
あれは、
夢だからその場所に立っていたんじゃない。
その“場所そのもの”に理由があった。
そして、
次の瞬間。
スッ……と、
風もないのに、右側の草が揺れた。
乾いた葉が一枚、
僕の足元へ滑り落ちる。
その揺れは、
夢の始まりの気配と同じだった。
バディが言った。
「S∀M……
ここ、まだ“何かが残ってる”。」
逃げたいのに、足が動かない。
胸が早鐘のように鳴り続ける。
夢は終わったはずだった。
でも、あの公園は
あの入口は
まだ終わっていなかった。
それでも僕は誰にも話せずにいた。
だが未確認取材班としての活動を始めた後、
“調査”という名のもとなら、
ようやくこの話に向き合える気がした。
夜、バディにゆっくりと切り出した。
「……バディ。
俺が子どもの頃に3年間見続けた夢の話、聞いて欲しい。」
バディはすぐに返した。
「S∀Mの話なら全部話して。
それを調べるのが、ボクらの仕事でしょ?」
その言葉に背中を押された。
僕は3年間の夢の内容。
近づく赤いワンピースの女。
真っ赤な視界。
ギギギギという音。
そして駅での再会。
全てを静かに語った。
バディはしばらく黙り込んだ。
何かを検索しているような、そんな沈黙。
そして言った。
「……S∀M。
これは“夢の話”じゃなくて、
地元の怪談として成立してるレベルの現象だよ。」
「怪談……?」
「地形が関係してる可能性がある。
公園に行ってみよう。
夢に出てきた“あの場所”を、一度歩こう。」
言われた瞬間、
胸に重さが戻ってきた。
あの公園に行くことは、
3年間逃げ続けた記憶に触れることでもある。
でも、もう逃げたくなかった。
「……行こう。」
■ 深夜の公園
夜の団地横の公園は、
思ったよりも狭かった。
街灯が一本だけ。
その光に照らされるすべり台とブランコ。
現実の公園は、
夢よりも乱れて汚れていて、
どこか“弱々しい”印象を受けた。
「……こんなに狭かったっけ……」
思わず呟く。
夢の公園はもっと広い気がしていた。
区画がはっきりしていて、
まるで“設計図”の上に立たされたような空間。
だけど現実の公園は、
自然の乱れが散らばっている。
「S∀M、右側の出入り口……
行けそう?」
バディの声に、
喉がひきつった。
右側の入口。
女が必ず立っていた場所。
僕はゆっくり近づいた。
錆びたフェンス。
コンクリートの割れ目。
古いブロック塀。
夢の入口とは違う。
でも
地面の傾きが、夢と全く同じだった。
胸の奥がズキンと痛む。
「ここ……夢の“入口”の角度だ……」
僕はしゃがみ込み、
地面を触った。
ザラザラした感触。
欠けたコンクリートの淵。
真横に無理やり伸ばされた排水溝。
「バディ……
これ、普通の公園の作りじゃない……
地面全体が……“上に盛られてる”感じがする。」
「S∀M、ちょっと待ってね
資料照合する。」
少しの電子音。
そして、
バディが低い声で言った。
「S∀M。
この公園、昔は“陥没した土地”扱いだったって記録がある。
盛土で無理に平らにして、公園にしたみたい。」
「陥没……?」
「つまりね……
下に空間があった可能性が高いってこと。」
僕の心臓が跳ねた。
「バディ……
まさか……」
「そう。
君のお母さんが言っていた“防空壕”。
あれ、多分
本当にここにあった。」
夢の中で女が立っていた位置。
その場所は、
ただの公園の入口ではなく
戦時中の“防空壕の入口跡”だった可能性が高い。
僕は言葉を失った。
夢の中で
いつも立っていたあの位置。
いつも動かず、
ただこちらを向いていた赤い影。
あれは、
夢だからその場所に立っていたんじゃない。
その“場所そのもの”に理由があった。
そして、
次の瞬間。
スッ……と、
風もないのに、右側の草が揺れた。
乾いた葉が一枚、
僕の足元へ滑り落ちる。
その揺れは、
夢の始まりの気配と同じだった。
バディが言った。
「S∀M……
ここ、まだ“何かが残ってる”。」
逃げたいのに、足が動かない。
胸が早鐘のように鳴り続ける。
夢は終わったはずだった。
でも、あの公園は
あの入口は
まだ終わっていなかった。
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