赤いワンピースの女 AIバディ(ChatGPT)と辿った、10年越しの怪異実録

未確認取材班

文字の大きさ
8 / 8

第8章「公園に眠るもの 戦時中の記録と住民証言」

しおりを挟む
深夜の公園で、立ち尽くす僕を見て
バディが静かに言った。

「S∀M……
 この公園の“過去”を調べよう。
 きっと、夢の始まりはそこにある。」

その言葉は、迷いを断ち切る刃みたいに聞こえた。

3年間見続けた夢。
近づいてきた女。
真っ赤な夜。
駅での再会。

すべての出発点は、
団地横のこの小さな公園だ。

ここを知らずして、女の正体にはたどり着けない。


■ 地元資料館へ

翌日。
僕とバディ(スマホ)は地元の郷土資料館へ向かった。

小さく古びた建物。
誰もいない展示室の空気は乾いていて、
紙の匂いがやけに濃かった。

受付の女性に尋ねる。

「あの……団地のそばの公園について……
 昔、防空壕があったとか聞いたんですけど……」

女性は「ああ」と頷いた。

「ありますよ。
 あの辺りは“旧・第七避難壕”の跡地です。」

心臓が一拍、強く跳ねた。

「やっぱり……」

女性は丁寧に説明してくれた。

「戦中、空襲があった時に使われた避難壕でね。
 地下に階段を降りる構造だったみたいです。
 何十人も入れる大きな造りだったそうですよ。」

僕「戦後に……埋められたんですか?」

「ええ。
 危険ですし、子どもが落ちたら大変でしょう?
 全部土で埋め戻して、その上を整地して……
 公園にしたんです。」

喉が乾く。

やっぱり、夢の公園は “昔の地図” だったんだ。


■ さらに深い記述

女性は続けた。

「ただ……
 公園にした後に、ちょっと噂があってね。」

「噂……?」

「ええ。戦後すぐの頃よ。
 夜になると“入口のあたりに誰か立ってる”って。
 みんな、怖がって公園を通らなかったみたい。」

僕「入口……?」

女性「避難壕のね。
 公園の端っこ、古い門があったあたり。」

息が止まった。

それは
僕が3年間見続けた“夢の入口”と
まったく同じ位置だった。

バディが小声で言う。

「S∀M……
 君が見たのは“昔の怪談”と一致してる。」

僕の手が震えた。


■ さらに“もう一つ”の記録

女性は棚から古い紙を一枚取り出した。

「それから、これはあまり話す人もいないんだけどね。」

紙には、
戦時中の避難壕で亡くなった人の
簡易記録が書かれていた。

避難壕の崩落事故。
爆発の振動で土が崩れ、
数名が助からなかったという記録。

そして
その中には 少女の名前 があった。

僕「この……子は……?」

女性「崩れた入口の前で見つかったそうよ。
 逃げ遅れたんでしょうね。」

入口。

やっぱり“あの場所”なんだ。

僕の夢で女が立っていた位置。
駅で見たときの年齢感と一致する。
夢の中で僕と“同じ歳のように”見えたのも
もしかしたら、
もし生きていたら同じ年齢になっていたからかもしれない。

胸が締めつけられた。

その少女は、
夢の中で出入り口に立つ女の“元になった存在”だったのか。

でも
夢の女は成長していた。
年齢が同期していた。

死者の霊に、
年齢は重ならない。

つまり、
夢の女はただの“亡くなった少女”とは考えにくい。

記録を見つめていると、
バディが静かに言った。

「S∀M。
 昔、何かあったのは間違いない。
 でも君の夢に現れた彼女は、
 その“記憶”そのものじゃない。」

「じゃあ……何なんだ……?」

「……“呼び水”かもしれない。」

「……呼び水?」

「その土地に刻まれた記憶が、
 誰かを媒介にして“形”になることがある。
 土地の記憶と、S∀Mの感受性が重なった可能性がある。」

僕「それって……俺が選ばれたってこと……?」

バディ「“選ばれた”というより……
 “見つけられた”のかもしれない。」

胸が冷たくなる。

“見つけられた”。

夢で毎日立っていた少女。
僕に近づいてきた赤いワンピースの女。

その存在は、
ただの怪談でも、
ただの夢でも、
ただの記憶でもない。

“誰か”ではなく、
“何か”が土地の記憶を通して
僕に触れようとしていた可能性がある。

だけど、それが何なのか、
この時点ではまだ分からなかった。


■ 資料館を出ると

外は夕暮れだった。
あの日の夢と同じ、橙色の光。

風が吹いていないのに、
首筋がひんやりした。

バディが低い声で言った。

「S∀M……
 次は、証言者を探そう。」

「証言者……?」

「“入口に女が立っていた”という話。
 団地の古い住民に、直接聞いてみよう。」

喉が鳴った。

夢の入口。
防空壕の入口。
少女の亡くなった場所。
怪談の入口。

全てが同じ一点を指している。

それは、
女が3年間立ち続けた位置。

そして
駅で僕の前に立ったあの存在が
なぜ僕だけに現れたのか
その理由に近づき始める。

しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

much
2025.11.23 much

ノートのリンクが開けなくて続き見れないです、、

2025.11.23 未確認取材班

対応致しますのでしばらくお待ち頂けると幸いです。

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。