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2章 祓え 妖とともに
16話
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『 岸壁で90年 』
港町のカキ小屋。
カキやホタテの網焼きの前に華南は様子を確かめながら見る。
(髪は燃え移らないように後ろにまとめる)
焼き加減がよくなった時ものに醤油をかけ、箸でつまむと横から取られる。
華南「!」
メタモ「ふーん、こんなのがいいの。 変な味。」
華南「吐け!! 出せ!!」
口を無理やりこじ開けようとする。
メタモ「やめてバカ!」
食事が済み二人は道を歩く。
華南「そんな姿で寒くないのか?」
メタモ「ん? まあ、熱いよりはいいかな。」
華南「そんなもんなのか・・・ 」
二人が過ぎていく後で金髪にタオルを巻いて少し軽装な青年が通る。
例の岸壁、外灯には所々サビが目立つ。
今は船も来そうにない感じのところに和服姿の中年女性(アキコ)。
メタモ「あれだね、早いとこ祓おうよ。」
華南「待て、人を襲ったということは聞いてないんだ。
話を聞いてからでもいいだろう。」
近くに来る。
華南「すいません。 なにやってるんですか?」
アキコ「あの子の帰りを待ってるの。
いつか必ず帰って来るから。」
華南「出掛けてるんですか? それとも家出?」
アキコ「国に行くよう言われたのよ、あの子だけじゃないけど。」
金髪の青年は取ってきた土をこねる。
別の日、例の岸壁に来る途中、外れの場所には古びた工房。
アキコ「コラ~!!」
「ヒィィ~~ ごめんなさい!!」
慌てて逃げる男達。
メタモ「ほら、やっぱり襲ってるじゃん!」
華南「アキコさ~ん!
なにがどうしたの?」
アキコ「失礼、取り乱しちゃって。
ここにゴミしようとしてたから注意してたのよ。」
雨も降っているがアキコは傘も挿していない。
華南「濡れるよ、寒くないの?」
アキコ「こんなのあの子に比べたら。」
華南「お子さんはどこへ。」
アキコ「北にある国って言ってたわね。
確か、シベリアとか。」
華南「派遣されたんですか?」
アキコ「うちの国が負けて連れていかれたの、向こうで無理やり働かされてるんだわ。」
メタモ「それって戦争してた時?
だったらもうしん 」
華南はメタモの口を塞ぐ。
アキコ「帰れないならせめて一言ちょうだい・・・!」
工房、作品は完成するが納得がいかず青年は割る。
岸壁から離れた場所。
座ってタバコを吸う男性数人。
「アキコさん? 知らんな。」
「俺のじいさんくらいならどうだろうな、でももうまともに口聞けねえけどな。」
華南「どんなことでも構いません、少しでも分かることがあれば。」
「そういえば確かかどうかわかんねえけどな。
その息子さんにも子どもがいたって、本当かどうかよくわかんねえが。」
岸壁でアキコは待ちぼうけているとどこかから謎の影が伸びる。
「?」
別の日。
華南「息子さんに子どもがいて、もしいたとしても年だろうな。」
メタモは横を向くと工房に人の気配を見る。
「華南、ちょっと気になることがあるんだけど。」
岸壁に華南は一人で来る。
アキコ「そうか、こんなに待っても来ないなんて。
わしのことなんて忘れてしまってるんだわ。」
華南「?」
アキコ「わしはこんなに思うとるのに、そんなの・・・
許さん!!」
アキコは黒いオーラと共に巨大な鬼のような姿に。
華南「!!」
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
〔 鬼子母神の使い 〕
鬼子母神(子供を食らう鬼が改心して安産や子供たちの成長を優しく見守る神様になった者)を崇拝し死して使いとなった者
子供の安全を見守り続けて地縛霊のようになっている者もいる
人に危害はくわえないが悪い行いをする者は厳しく罰する
(中には元々鬼だった者もいる)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
華南「アキコさん! どうしたんだ!?」
アキコ「わしの子をどこにやった?」
華南「私達だって一緒に待ってるんだ。 きっと帰って来るから。」
アキコ「嘘をつくな!! お前が隠したんだろ!!」
華南に襲いかかる。
工房、金髪の青年はろくろを回している。
その途中で形が崩れて落ち込む。
使っていない窯の煙突からメタモは中に入って来る。
うまくいかなくて悩んでいる青年に近寄る。
「うわ! 誰だ!? どこから・・・ 」
メタモ「ねえアンタ。」
華南とアキコの交戦は続く。
やがて華南はアキコに肩車のように乗る。
「やめるんだアキコさん!! こんな形で祓うなんて・・・
それにしてもこの豹変ぶりはなんだ?」
アキコは華南の片足をつかんで宙吊りにする。
華南に殴りかかろうとした時。
「アキコばあちゃん!!」
金髪の青年がメタモとともに来る。
(メタモの指メガネを通して姿を見る)
アキコ「なんだお前は?」
青年(マルティン)「オレはマルティン。 あなたの息子のヨシオはオレのひいじいちゃんで。」
ロケットペンダントを出す。
「これがその片身、今でも放さず持ってるんだ!」
アキコは華南を持ったまま片方の手でマルティンに掴みかかる。
メタモは守ろうとするが弾き飛ばされる。
華南とマルティンは掴まれてメタモは足元で食い止めようとする。
掴んだ二人を食おうとする。
「 母さん!! 」
マルティンのペンダントから光りながら出てくる男性(ヨシオ)。
ヨシオ「もうやめて。」
アキコの手が止まる。
「・・・ヨシオ・・・・・・」
アキコから黒いオーラがなくなり元の人の姿に。
ヨシオ「ボクが連れてかれた地域はとても貧しくて。 文を出すこともできなかったんだ。
それで困ってる人達を助けて暮らしてたら、雪の積もった山のふもとを歩いてる時に雪崩に遭って、それでボクは・・・
でも母さんを忘れたことはないから。」
マルティン「英雄なんだよ、じいちゃんは。
みんなもそう言っている。」
ヨシオ「みんなが、ボクのことを?」
アキコ「ヨシオ、無事に帰って来てくれて。」
ヨシオ「母さんごめんよ心配させて。
もう離れたりしないから。」
アキコとヨシオは光輝く。
アキコ「 みんなありがとう。 」
マルティン「じいちゃん!! オレ・・・」
ヨシオ「できるさ、きっと。
マルティン。 お前以上の孫なんて、いやしないんだから 」
二人は光の粒子になって消える。
その中に光るピンクと青の石。
マルティンは手に取る。
華南「それはマルティンさんが持って。」
工房、いつものようにマルティンは陶器を作るがうまくいかない。
しかし近くに置かれたペンダントと二つの石を見て微笑む。
華南とメタモは町を去る。
手には大きな貝殻。
華南「そんなものどうするんだ?」
メタモ「えー、なんかきれいじゃん。 華南だって貝好きでしょ?」
華南「まあ・・・、 別に貝殻まではいいだろ。
メタモはどうやってかぎつけたんだ?」
メタモ「なんとなくね、工房にいたマルティンが気になってさ。」
小回想、工房内。
マルティン「うわ! 誰だ!? どこから・・・
盗んだところでなにもないぞ。」
メタモ「別になにもしないから。
ねえアンタ。」
メタモは頭だけ変える。
メタモ「こんな人知らない?」
マルティン「?」
マルティンはふとペンダントを開く。
マルティン「アキコ、ばあちゃん。
え? なんで!?」
メタモ「事情はあと、とにかく来て。」
華南「でも成りすますには体の中に入らなきゃいけないんじゃ。」
メタモ「部分的なら少量でもいいんだよねこれが。」
アキコと華南の会話中、メタモは指から少しだけ液体を出して気づかれないようにアキコの体に入って出てくる。
華南「・・・今回は、よくやった。」
メタモ「えー、素直に褒めてくれてもいいのに。」
華南「うるさいな・・・ 」
「 ああ風よ、心あらば伝えてよ。
愛し子待ちて今日もまた、
怒濤砕くる岸壁に立つ母の姿を・・・・・・ 」
港町のカキ小屋。
カキやホタテの網焼きの前に華南は様子を確かめながら見る。
(髪は燃え移らないように後ろにまとめる)
焼き加減がよくなった時ものに醤油をかけ、箸でつまむと横から取られる。
華南「!」
メタモ「ふーん、こんなのがいいの。 変な味。」
華南「吐け!! 出せ!!」
口を無理やりこじ開けようとする。
メタモ「やめてバカ!」
食事が済み二人は道を歩く。
華南「そんな姿で寒くないのか?」
メタモ「ん? まあ、熱いよりはいいかな。」
華南「そんなもんなのか・・・ 」
二人が過ぎていく後で金髪にタオルを巻いて少し軽装な青年が通る。
例の岸壁、外灯には所々サビが目立つ。
今は船も来そうにない感じのところに和服姿の中年女性(アキコ)。
メタモ「あれだね、早いとこ祓おうよ。」
華南「待て、人を襲ったということは聞いてないんだ。
話を聞いてからでもいいだろう。」
近くに来る。
華南「すいません。 なにやってるんですか?」
アキコ「あの子の帰りを待ってるの。
いつか必ず帰って来るから。」
華南「出掛けてるんですか? それとも家出?」
アキコ「国に行くよう言われたのよ、あの子だけじゃないけど。」
金髪の青年は取ってきた土をこねる。
別の日、例の岸壁に来る途中、外れの場所には古びた工房。
アキコ「コラ~!!」
「ヒィィ~~ ごめんなさい!!」
慌てて逃げる男達。
メタモ「ほら、やっぱり襲ってるじゃん!」
華南「アキコさ~ん!
なにがどうしたの?」
アキコ「失礼、取り乱しちゃって。
ここにゴミしようとしてたから注意してたのよ。」
雨も降っているがアキコは傘も挿していない。
華南「濡れるよ、寒くないの?」
アキコ「こんなのあの子に比べたら。」
華南「お子さんはどこへ。」
アキコ「北にある国って言ってたわね。
確か、シベリアとか。」
華南「派遣されたんですか?」
アキコ「うちの国が負けて連れていかれたの、向こうで無理やり働かされてるんだわ。」
メタモ「それって戦争してた時?
だったらもうしん 」
華南はメタモの口を塞ぐ。
アキコ「帰れないならせめて一言ちょうだい・・・!」
工房、作品は完成するが納得がいかず青年は割る。
岸壁から離れた場所。
座ってタバコを吸う男性数人。
「アキコさん? 知らんな。」
「俺のじいさんくらいならどうだろうな、でももうまともに口聞けねえけどな。」
華南「どんなことでも構いません、少しでも分かることがあれば。」
「そういえば確かかどうかわかんねえけどな。
その息子さんにも子どもがいたって、本当かどうかよくわかんねえが。」
岸壁でアキコは待ちぼうけているとどこかから謎の影が伸びる。
「?」
別の日。
華南「息子さんに子どもがいて、もしいたとしても年だろうな。」
メタモは横を向くと工房に人の気配を見る。
「華南、ちょっと気になることがあるんだけど。」
岸壁に華南は一人で来る。
アキコ「そうか、こんなに待っても来ないなんて。
わしのことなんて忘れてしまってるんだわ。」
華南「?」
アキコ「わしはこんなに思うとるのに、そんなの・・・
許さん!!」
アキコは黒いオーラと共に巨大な鬼のような姿に。
華南「!!」
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〔 鬼子母神の使い 〕
鬼子母神(子供を食らう鬼が改心して安産や子供たちの成長を優しく見守る神様になった者)を崇拝し死して使いとなった者
子供の安全を見守り続けて地縛霊のようになっている者もいる
人に危害はくわえないが悪い行いをする者は厳しく罰する
(中には元々鬼だった者もいる)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
華南「アキコさん! どうしたんだ!?」
アキコ「わしの子をどこにやった?」
華南「私達だって一緒に待ってるんだ。 きっと帰って来るから。」
アキコ「嘘をつくな!! お前が隠したんだろ!!」
華南に襲いかかる。
工房、金髪の青年はろくろを回している。
その途中で形が崩れて落ち込む。
使っていない窯の煙突からメタモは中に入って来る。
うまくいかなくて悩んでいる青年に近寄る。
「うわ! 誰だ!? どこから・・・ 」
メタモ「ねえアンタ。」
華南とアキコの交戦は続く。
やがて華南はアキコに肩車のように乗る。
「やめるんだアキコさん!! こんな形で祓うなんて・・・
それにしてもこの豹変ぶりはなんだ?」
アキコは華南の片足をつかんで宙吊りにする。
華南に殴りかかろうとした時。
「アキコばあちゃん!!」
金髪の青年がメタモとともに来る。
(メタモの指メガネを通して姿を見る)
アキコ「なんだお前は?」
青年(マルティン)「オレはマルティン。 あなたの息子のヨシオはオレのひいじいちゃんで。」
ロケットペンダントを出す。
「これがその片身、今でも放さず持ってるんだ!」
アキコは華南を持ったまま片方の手でマルティンに掴みかかる。
メタモは守ろうとするが弾き飛ばされる。
華南とマルティンは掴まれてメタモは足元で食い止めようとする。
掴んだ二人を食おうとする。
「 母さん!! 」
マルティンのペンダントから光りながら出てくる男性(ヨシオ)。
ヨシオ「もうやめて。」
アキコの手が止まる。
「・・・ヨシオ・・・・・・」
アキコから黒いオーラがなくなり元の人の姿に。
ヨシオ「ボクが連れてかれた地域はとても貧しくて。 文を出すこともできなかったんだ。
それで困ってる人達を助けて暮らしてたら、雪の積もった山のふもとを歩いてる時に雪崩に遭って、それでボクは・・・
でも母さんを忘れたことはないから。」
マルティン「英雄なんだよ、じいちゃんは。
みんなもそう言っている。」
ヨシオ「みんなが、ボクのことを?」
アキコ「ヨシオ、無事に帰って来てくれて。」
ヨシオ「母さんごめんよ心配させて。
もう離れたりしないから。」
アキコとヨシオは光輝く。
アキコ「 みんなありがとう。 」
マルティン「じいちゃん!! オレ・・・」
ヨシオ「できるさ、きっと。
マルティン。 お前以上の孫なんて、いやしないんだから 」
二人は光の粒子になって消える。
その中に光るピンクと青の石。
マルティンは手に取る。
華南「それはマルティンさんが持って。」
工房、いつものようにマルティンは陶器を作るがうまくいかない。
しかし近くに置かれたペンダントと二つの石を見て微笑む。
華南とメタモは町を去る。
手には大きな貝殻。
華南「そんなものどうするんだ?」
メタモ「えー、なんかきれいじゃん。 華南だって貝好きでしょ?」
華南「まあ・・・、 別に貝殻まではいいだろ。
メタモはどうやってかぎつけたんだ?」
メタモ「なんとなくね、工房にいたマルティンが気になってさ。」
小回想、工房内。
マルティン「うわ! 誰だ!? どこから・・・
盗んだところでなにもないぞ。」
メタモ「別になにもしないから。
ねえアンタ。」
メタモは頭だけ変える。
メタモ「こんな人知らない?」
マルティン「?」
マルティンはふとペンダントを開く。
マルティン「アキコ、ばあちゃん。
え? なんで!?」
メタモ「事情はあと、とにかく来て。」
華南「でも成りすますには体の中に入らなきゃいけないんじゃ。」
メタモ「部分的なら少量でもいいんだよねこれが。」
アキコと華南の会話中、メタモは指から少しだけ液体を出して気づかれないようにアキコの体に入って出てくる。
華南「・・・今回は、よくやった。」
メタモ「えー、素直に褒めてくれてもいいのに。」
華南「うるさいな・・・ 」
「 ああ風よ、心あらば伝えてよ。
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