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1章
2話 チュートリアル
しおりを挟む「あれ?」
気づけば和歌太郎は草原に立っていた。
先程の白い空間とは異なり身体があり、しっかりと感覚がある。
手をグーパーして自身の身体を動かす。
(多少身体は軽く感じるけど、現実と全く同じだ。むしろ違いがわからない)
「うん?」
すると和歌太郎は、自身の視界の端にクエスチョンマークが現れていることに気づいた。
「一回押してみよかな」
和歌太郎は空間に浮いたホログラムのようなクエスチョンマークにタッチする。すると、視界の真ん中にホログラムの文章が現れた
"チュートリアルを始めますか?"
「はい」
"【このゲームについて】
初めにこれはただのゲームではなく死の遊戯です。そして、この世界はゲームではなく現実です。
このゲーム内での死は現実の死に直結します。
参加プレイヤーはエリア内の6つの宝玉を集め、ゲームクリアを目指してください。
クリアしたプレイヤーへの報酬は《何でも願いを一つ叶える権利》が与えられます"
「えっ…デスゲーム……って言う設定だよな」
"いいえ。魔法やスキルはありますが実在する世界です。"
「え?俺の言葉に返答した??」
「確かに普通に考えるとこのような凄い技術が俺なんかに明かされるのはありえない。でもデスゲームだって言われてもなぁ~」
デスゲームという深刻な事態に対して、なかなか実感が湧かない和歌太郎。
"ではチュートリアル再開します"
"ステータスを表示してみましょう"
「とりあえず細かい事は忘れて今は魔法とスキルの世界を楽しむとしようかな」
胸につっかえるものはあるが今はとりあえず楽しもうと持ち前のポジティブさで切り替える。
"心の中でステータスと念じてみよう"
(ステータス)
そう心の中で唱えると
---------------
【院財 和歌太郎】
《種族》犬人族
《スキル》
・剣術
・金属加工
《持物》
地図
武器セット(ノーマルの剣・ノーマルの盾・ノーマルの槍・ノーマルの斧・皮の鎧上下セット)
---------------
すると目の前にステータスが記載された半透明の板が現れた。
「お~!これが俺のスキル!」
目を輝かせ感動する和歌太郎。
"各項目は意識を集中する事で詳細を確認することができます。またスキルや魔法は、クエスト報酬や熟練度、特殊アイテムにより成長・獲得が可能です。"
「なるほど、やっぱりゲームみたいだな。とりあえず楽しみにしてたステータスを見ようかな」
そう言って初めに意識を向けたのが《種族》であった。
------------------
《犬人族》
全体的な身体能力が高く、嗅覚が聴覚が優れている。
ー------------------
「確かにそーいえば、めっちゃ鼻がよくなった気がする。あまり自然すぎて気づかなかったけど」
ちなみに和歌太郎は気づいていないが、彼の頭部には髪と同じ青色の犬耳が生えている。簡素な布の上下服を着た犬耳男という日本では即逮捕の出で立ちである。
「次はスキルだな」
------------------
《剣術》
剣を扱う技能を得る。
《金属加工》
金属を加工する事ができる能力。
・研磨
・曲げ
ー------------------
「これが俺のスキル。《剣術》は当たりだよね!でも《金属加工》はうーん。でも不思議な事に使い方はめっちゃ分かるんだよね」
"スキルは既に使用者の身体の一部です。歩き方は教わらずとも分かるようにスキルも然り学ばずとも使用する事ができます。"
すると突然和歌太郎は深いため息をついた。
「うーん、やっぱりこれは現実なんだよなぁ」
VRMMOというだけでは説明できない現象に対して、和歌太郎の冷静な部分が徐々にこの現実を受け入れようとしていた。
"続いて持物【異次元BOX】の使い方について"
しかし、そんな和歌太郎を置いてチュートリアルは進む
「よし!とりあえずはしっかりとチュートリアルで学ばないとね!」
"アイテムは異次元BOXに収納可能。異次元BOXとはアイテムを異次元に収納する事ができ、取り出す事も可能です。"
「ゲームとかでよくあるアイテムボックスみたいなものか」
試しに和歌太郎は異次元BOXより地図を出してみる。
すると何もない空間から地図が現れた。
地図には島が描かれており、和歌太郎がいると思われる場所に○が表示され点滅している。
"点滅している部分はあなたの現在位置です。マップ上に表示されているマークの詳細は右下に記しています"
「えーと、このマークは…おっ!村とかもあるんだ!後、今ここは草原ゾーンってところなのかな」
地図を見ながら唸る和歌太郎
島は大きく分けて4つのゾーンがあり、和歌太郎がいる草原ゾーン、隣の竹林ゾーン、山岳ゾーン、火山ゾーンがあるそうだ。
"では続いて
ガサッ!
和歌太郎の後ろで草木をかき分ける音がした。
出かけていたチュートリアルの表示が消失する。
和歌太郎は反射的に後ろを振り向く
そこには……
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