DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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1章

3話 初戦闘

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「えっ!…モンスター!?」

後ろを振り返り驚きで固まる和歌太郎

"敵発生のためチュートリアルをスキップします"

【クエスト】
初めての魔物討伐
・ゴブリンを1体の討伐

唐突に終わりを告げたチュートリアルと視界に現れた【クエスト】というキーワード。
和歌太郎の背後数十メートルの所に立っていたのは緑色の醜悪な形相をした小人《ゴブリン》であった。

「チュートリアル中に戦闘が始まって、チュートリアルが勝手にスキップされるってどういう事!?」

困惑する和歌太郎に対し、返答はなし。
いきなり戦闘が始まってしまった。

(ヤバイ……どうしよう!?)

脳裏に浮かぶ《ゲームでの死=実際の死》
冷たい汗が背中を流れ落ちる。

「ギャギャギャッ!!」

醜悪な表情を更に醜悪にしゴブリンが和歌太郎ににじり寄る。
右手には、木製のお粗末な棍棒を握っている。
形状を極めて歪であるが、打ち所が悪ければ死ぬ可能性は十分に有る。

(ゔぅ……くそっ!ど、どうすれば!!とりあえず!)

和歌太郎は回れ右をして逃げ出した。

「ギャ?ギャァーー!」

一瞬呆気にとられるゴブリン。しかし、すぐ様獲物が逃げた事に気づき、追いかける。

全速力で走る和歌太郎。
チラリ後ろを振り返る。

(よしっ!逃げ切れる!)

犬人族の補正された身体能力でゴブリンを瞬く間にどんどん距離を離していく。
しかし、その油断が命取りとなった。

「うっ!!(へっ!?)」

視界が回転する。
唐突に迫って来る地面
地面の石に躓き転んだ事を理解した時には手遅れだった。

ゴロゴロと地面を転がる和歌太郎。

(痛いっ……でも速く逃げないと!!)

必死で起き上がろとした時、背筋に冷たいものを感じた。

「ギャギャーー!!」

視界の端で捉えたのはゴブリンが棍棒を振り落ろす瞬間
立ち上がりきれていないが足で地面を蹴り無理やり前方に転がり避ける。

(危なかった!あの一撃を貰えばアウトだった。)

「ギャシャっー!」

苛立ちを露わにするゴブリン
その隙に和歌太郎は何とか立ち上がる事に成功する。
だが身体へのダメージは大きく、片足から血が出ている。

「ガチめにヤバイね。足首に力が入らない。捻挫もしくは折れたかも」

足首の負傷により逃げる選択肢は無くなった。
しかし、目の前のゴブリンが見逃してくれるはずもない

「覚悟を決める!まずは剣!」

何もない空間に黒い穴が開き、鉄製の剣が出てきた。
武器セットに含まれていた"ノーマルの剣"である。

「すごいしっくりくる。スキル"剣術"のおかげなのかな」

慣れた動作で剣を構える。
その構えには一切の隙が無く、剣士と言えるものであった。

「ギャァ…」

ゴブリンも剣を握る事によって変化した和歌太郎の強者の空気を野生の勘で感じ取っていた。

「やらなきゃやられるなら……ってやる!!」

和歌太郎の瞳がゴブリンを射抜く。
痛めた足で地面を蹴り、一瞬でゴブリンの懐に入り
剣を斜め下から袈裟斬りに

緑色の胴体に赤い線が入り、遅れて血が噴き出す。
声を出す間もなくゴブリンは絶命した。

「やった……」

勝利からの安堵により膝から崩れ落ちる和歌太郎


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