7 / 81
1章
6話 対人戦
しおりを挟む「陰キャが息巻きやがって!絶対ぶっ殺す!」
額に青筋を浮かべ、声を荒げる茶髪の青年。
歌太郎に対し掌を向け
「焦げろ!ファイヤーボール!」
掌からサッカーボール大の炎の球が飛び出した。
「なっ!!」
和歌太郎は驚き横に飛び込むように避ける。
放たれた炎は和歌太郎の横を通り抜け、後ろの木にぶつかり消える。木の表面が黒く炭化している。
(今のは魔法!!あの威力はやばすぎる!正面から向かうには分が悪い)
そう考えた和歌太郎は、近くの木の影に移動した。
「おいおい、びびって隠れんのかよ!!ガチのチキンじゃねぇか」
(挑発に乗ってはダメだ。あいつの魔法には木を貫通する力はまだないはず)
和歌太郎は挑発には乗らず、冷静に木の影から敵を分析する。
すると、どうする?と考えている和歌太郎の視界に"ポンッ"と表示があらわれた。
------------------
【クエスト】
○プレイヤーとの初バトル
クリア条件:敵プレイヤー"ジャン"の死
------------------
(なんだ!?)
視界に現れた表示、それはクエストであった。
しかもクリア条件の"ジャン"という人物は和歌太郎が対立する茶髪の青年である。
(敵の死か……おそらくジャンとやらは俺を殺しに来る。一人の女性を殺した奴。俺を殺すことに躊躇はないはず。それに対抗するには……)
人を闘うこと、殺す事に大きな抵抗を感じる和歌太郎。しかし、それは至極当然な事。戦争のない現代日本を生きる人間にとって"殺人"とは犯罪でしかない禁忌の行為。そして、その禁忌の意識は和歌太郎の根底に根付いている。
「おーい。ガチの腰抜けかよ!まだ"あの女"の方が立ち向かってくるだけマシだったぜ。まぁ弱かったから、じっくり楽しんだ後、殺しちまったけどよっ!はっ!しかもよぉ、あの女結構可愛くてよぉ--」
まるで自慢するかのように話すジャン。
その話は止まらず、より詳細に生々しい語りは、その時の情景を脳に鮮明に浮かび上がらせる。
(くっ……この…)
怒りで握りしめた拳から血が滲む。
「--で最初は嫌がってたんだけどよぉ。途中から求めやがって--」
「黙れよ!」
語りを遮ったのは和歌太郎
ついに怒りが限界を超え、木陰から自ら姿を出す。
「へぇ~やっと出てきたな」
ニタァと笑うジャン
まるで作戦通りだという余裕の表情だ。
「ありがとうね。お前のお陰で覚悟ができたよ。"人殺しの覚悟が"」
和歌太郎も笑い返す。しかし、その瞳には氷のような凍てつく殺意が篭っていた。
「へっ!調子に乗りやがって!死ねよ!ファイヤーボール!」
再び放たれる高速の炎の塊。
しかし、和歌太郎は避ける素振りを見せない
「効かないよ!」
"バシュッ!"
和歌太郎は剣でファイヤーボールを真っ二つに斬ったのだ。
「なっ!ファイー」
「まだ終わらないよっ!」
次の魔法を放つ間もなく、踏み込み一気に接近!
「ひっ!!」
瞬く間に目前に迫り、剣を振りかぶる和歌太郎の姿に悲鳴を上げるジャン
「地獄で悔いろ……クズ野郎」
"シュッ"
躊躇なく振り下ろされた刃、遅れて赤い血飛沫が宙を舞う。
命を絶たれだジャンはその場に崩れ落ちる。
「殺してしまった……」
物言わぬ肉塊とかしたジャンを一瞥しポツリと言葉を溢す。
「でも覚悟を決めた結果だし、もう後戻りはできないしね。」
その言葉には強い決意が篭っていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる