DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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2章

36話 団結

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3人で倒そうと意気込んだ和歌太郎だったが、ふとなにかを思い出した。

「そーいや、さっきちょっと怒ってたけど……?」

さっきとは、和歌太郎とヨーキが黒衣を剥がし、madderの元まで逃げ戻ってきた時の事である。
和歌太郎は今更ながらmadderに何か言われていたなと思い出したのである。

「そうだった、やってくれた的なことを言ってた気がするぜ」

ヨーキも和歌太郎の一言で思い出したようだ。

するとmadderは、はぁ~とため息をつき

「そーよ。私も途中で分かったんだけど、あの黒衣は確かにダメージ無効の効果はあるけど、あの神族の力自身を減退させる枷でもあったわけ。厳密には身体能力を低下、力の封印、外部からのダメージを遮断よ。だから私は顔面や投げ技など中にダメージを与えてたわけ」

madderは闘いながらも馬根の情報を"電脳計算プログラミング"を用いて解析していたのだ。
強い憎しみがあれどmadderの頭は冷静だったのだ。

その情報を聴いた和歌太郎達はただただ自責の念に駆られていた。

「やっちまったぜ」

特に自ら黒衣を剥ぐ作戦を立案したヨーキは額に手を当て己の失態を悔いている。

「で、でも外部からのダメージは通るようになったんだし……」

落ち込み気味のヨーキを案じ、フォロー入れる和歌太郎。
しかし、madderの返答は残酷なものであった。

「確かにダメージは通るでしょうけど、触れたら破壊する力は増しているし、後ダメージを与えても奴は死なないわ。」

「どう言う事だぜ?ダメージは通るけど死なないって矛盾していないか?」

立ち直ったヨーキがmadderの説明に対して指摘する。

「一切矛盾していないわよ。私の電脳計算プログラミングの本当の力は敵の分析、解析よ。で、結果分かった事があるわ。致死級のダメージを与えてもあのクズ野郎は死なない。」

「チッ……化け物かよ」

ヨーキはあまりの理不尽な事実に舌打ちをする。

「じゃあ、勝ち目は……」 

絶望的な表情になる和歌太郎を見て、madderはニヤリと笑う

「あるわ。倒す方法はある。あのクズ野郎の身体のどこかにある核を破壊するのよ」

「「核?」」

ヨーキと和歌太郎の声が揃う。

「そうよ。クズ野郎の身体のどこかに核はあるらしいわ。その核を潰すしか倒す方法はないわ」

「でも勝てる見込みがあるって事だよね!」

「あぁ、そうだな和歌太郎。俺たちで倒してやろうぜ」

「はぁ……ほんと能天気ね。でもあいつは絶対に殺さないとダメなのよ。だから強制的にでも私の作戦に従ってもらうわ。奴ももうすぐ動き出すだろうし一方的に説明するから聞いてーー」

そういうとmadderは和歌太郎とヨーキに説明を始める。
話は簡潔であったが馬根とmadderの確執、そして、これからの作戦について伝えられた。

madderの話を聞き終わった後、ヨーキと和歌太郎は静かに頷き

「ふぅ……madderお前を倒して宝玉を頂くのは、和歌太郎の一つ前にしてるやるぜ。今回は馬根を倒すことに全てを注ぐぜ」

「うん、俺もヨーキと同じかな。君の気持ちも痛いほど分かるし、殺しでは何も変わらないなんて綺麗事を言うつもりもない。だから3人で馬根に勝とう!」

すると3人の視界に同時にクエストのポップアップ表示が現れた。

------------------

【共同クエスト】
○暴走し神族を鎮魂せよ
クリア条件:馬根うまね ライトの死
クエスト参加者(3名)

------------------

「和歌太郎。どうやらお前の言葉がクエストになったようだぜ!前のクエストはさっぱり消えてやがる」

「ほんとだ!無くなってる!この共同クエストは必ずクリアしないとね」

「当たり前よ!そろそろ馬根が起きるわよ……気合い入れなさい」

ついに和歌太郎、ヨーキ、madder vs 馬根 月の真の戦いが始まる。

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