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2章
40話 別れ
しおりを挟む和歌太郎とヨーキの宝玉争奪作戦は、馬根とmadderの死によって終結した。
そして2人には、合同クエストの報酬が与えられた。
合同クエストの報酬は通常の3択報酬から2項目選択に加え、特別報酬が与えられた。
報酬を獲得した後の和歌太郎のステータスは以下のようになった。
---------------
【院財 和歌太郎】
《種族》犬人族
《スキル》
・精神耐性
・剣術
・金属加工 ❕
・身体能力強化❕
《持物》
地図
剣×3
痺れナイフ×20
ナイフ×20
木槌×2
煙玉×5
丈夫な服
???の剣
作成武器a
招待状❕
【宝玉】(1)
・赤の宝玉❕
---------------
馬根を倒した事による報酬で和歌太郎は、3択の内からは《状態の回復》と《ステータスの強化》を選択、また《特別報酬》によって"身体能力強化"のスキルを獲得した。
"身体能力強化"は、名称通り自身の身体能力を向上させるスキルで非常に使い勝ってが良いスキルである。
そして《ステータスの強化》により金属加工の
能力に新たな項目が追加された。
・表面処理
金属の表面に特殊な加工を施す事ができる能力である。
加えて持ち物には、madderの持ち物が加わっている。
そのためmadderの持つ宝玉は和歌太郎が持つ事になった。
「本当に宝玉をもらってもいいの?」
馬根との戦いから一夜明けた翌朝
和歌太郎はもう一度ヨーキに確認する。
「あぁいいぜ。いづれお前とも戦いになるんだしな。それまで誰にも取られるなよ」
「うん、ヨーキもね。ちなみにこれからどうするの?」
「実は俺らが戦っている間に宝玉の分布も大きく変わったらしいぜ」
そう言いヨーキは地図を広げる。
「あっ!ほんとだ!」
和歌太郎はヨーキの広げた地図を覗き見て驚きの声をあげる。
「まず、この2つは俺と和歌太郎。で新たに増えたのが2つ。しかも1カ所にある。俺はそれを狙いにいくぜ」
「って事は火山ゾーンに行くんだね」
「あぁ、お前は?」
「madderの持ち物にあった招待状の場所に行くつもりだよ。でもその前にヨーキが言ってたダンジョンで今のスキルを使いこなすために修業しようかなって思ってるけどね」
「あぁ、そういえば言ったな。ダンジョン内にいればピンポイントで狙われる事はないから賢い判断だぜ。だが招待状の方は気を付けろよ。」
「うん。了解。あっ、そういや村人達って今どうなってるのかな?」
「あぁ村人達なーー
ヨーキはそう言って麻痺が解けた後の村人達の状況を話し始めた。
ヨーキに話によると、村人達はmadderに洗脳されているわけではなかった。視覚と聴覚の共有はしていたがそれは村人達の了承の上で、警備などは村人達が率先して行っていたらしい。
村人達は心からmadderに従っていたのだ。
というのもこの村は一時10名のプレイヤーの襲撃にあったそうで、その際にmadderが現れ、10名のプレイヤーを撃退したそうだ。
「なんでプレイヤーがそんなにも……」
「絶対的な力を手にすると人はそれを試したくなる。だが魔物や同じプレイヤーは殺される可能性があるから村人達を襲う。クズの思考って奴だぜ」
「人の命を何だと……。でもmadderがいなくなったけどこの村は大丈夫かな?」
「madderは村人達の命令を聞く自立タイプのマネキン兵器を数体を残していったらしいし、大丈夫だろうぜ」
「そっか……ほんと用意周到すぎてびっくりだね」
「あぁ、本当にな。」
「………」
「………」
2人の間に突然会話が無くなる。
一時の沈黙
「行くんだね。」
和歌太郎がポツリと呟く
その表情には僅かな寂しさのようなものが見える。
「あぁ、そろそろな。一箇所にいれば宝玉を狙う輩が集まってくるしな。だからー」
「「次に会うのは願いを賭けて戦う時」」
「ーだね」
「ーだぜ」
2人は拳を突き合わす。
再会を誓って……
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