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3章
56話 決着
しおりを挟む「あれを再び使おうかな」
そう言って和歌太郎が取り出したのは"木槌"であった。
しかし以前の木槌と違い、ベッドの衝突部分は金属のコーディングがされており、全体的にパワーアップしたつくりになっている。
「大きなハンマーとかマジうけるんですけど!」
スイートが和歌太郎を指差し笑う
だが、その隙にも狂化状態のミシンが猛攻を仕掛ける。
「笑ってるのも今のうちだよ。だけど先に彼をどうにかしないとね」
和歌太郎は木槌を肩に構えたまま、ミシンの攻撃を避けていく。
(ミシンの攻撃は苛烈で不規則。読みづらいけど全ての動作に無駄が多いんだよ)
ミシンの動きは和歌太郎より速い。
しかし、和歌太郎はミシンの攻撃を余裕を持って躱す。
それは動作の違い。
ミシンの獣ような威力重視の動きと無駄を省いた武の動き。
(更に本能で動く君は殺意に反応しやすいんだよ)
和歌太郎は強烈な殺意を放つ。
ミシンの動きが明らかに止まる。
「それじゃ俺には勝てないよ」
その隙に和歌太郎は迫り、顎に強烈な飛び膝蹴りを喰らわした。
鈍い音が鳴り、ミシンはその場に倒れた。
白目を剥き、口からは泡を出している。
完全な気絶状態。
勝負は決まった。
ミシンのナンバープレート"4"が和歌太郎の胸に移り、ミシンは粒子と化し消えた。
「え~!マジ弱すぎじゃん!」
スイートはミシンが敗れたことに驚きを隠せない。
「次はお前だよ。」
和歌太郎が改良型木槌をまるで剣のように構える。
「いちいち腹立つんだよ!ガチで!……死ねよっ!」
スイートは砂鉄を巨大球体状に圧縮し、和歌太郎へと反発させた。
弾丸並の速度で放たれた砂鉄の球体が和歌太郎へと一直線に向かう。
(身体をバネのように捻り、力を溜め、一気に解放!)
和歌太郎は木槌を砂鉄の球体に向けて思い切りぶつけた。
"ヴァァァッーン!"
とてつも無い衝撃と轟音が響く。
ーー和歌太郎の木槌がバラバラに砕け散る。
ーー砂鉄の球体も砂と化し地面に散らばった。
「えっ!ありえない!動かないしっ!なんで!!」
焦るスイート
先程まで操作できた砂鉄が一切動かないのだ。
「ーーそれは衝撃によって磁化がバラけて磁性が無くなったからだよ」
いつの間にスイートの目前に迫っていた和歌太郎
和歌太郎は磁力を持った砂鉄に強烈な衝撃を与え、磁性を消したのである。
「次悪いことしたら許さないからね」
和歌太郎は一瞬にして接近、耳元に一言だけ呟き、スイートの後頭部に手刀で一撃を与え気絶させた。
「ふぅ~、めっちゃ疲れた。でもこれでクリアかな」
称号持ち2人を倒し、和歌太郎の胸に1と4のナンバープレートが揃った。
和歌太郎はマップ上で一番近いチェックポイントである棟の建物へと向かうことにした。
「ここはこの会社の受付的な棟っぽいね。」
入り口の自動ドアが開き、そこに和歌太郎が入ってくる。
「ここがチェックポイントらしいんだけど……」
地図上ではこの部屋がチェックポイントである。
和歌太郎がどうすればいいか困惑していると
その時視界にポップアウトが現れた。
"神経衰弱 クリア"
"転送を開始します"
和歌太郎の視界が白く染まった。
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