DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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3章

55話 結託

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和歌太郎とスイートの戦いに突如乱入したきた男"ミシン"

「あ、あなたは和歌太郎さんじゃないですか~。女性を殴るなんてぇ見損ないましたよぉ」

何故か和歌太郎を非難するミシン
相変わらずのほほんとした表情ではあるが、若干目が怒っている。

おそらく和歌太郎がスイートの番傘を折っているとこを見たのだろう。

「違うんだ!この女性は戦闘に乱入し、瀕死のプレイヤーを痛ぶった悪い奴なんだよ」

和歌太郎はまず誤解を解くことにした。

「えぇ~!そうなんですかぁ~」

驚愕の表情を浮かべるミシン

(よし、これは信じてくれそうだ)

和歌太郎はこの反応に手応えた。
しかし、そこでスイートが間に入ってくる。

「えーと、ミシン?アンタさぁ。あの男の事信じちゃう系?」

「だって和歌太郎さんが~「あたしの傘折られたちゃったんだよ?」

「もし、あたしの傘の仇うってくるんならご褒美あげちゃうぞー」

スイートがミニスカートをひらりとさせ、ミシンに艶美な笑みを向ける。

「や、やりますぅー。和歌太郎さんにスイートさんはあげないですぅ~」

ミシンはスイートの見え見えのお色気トラップに見事にひっかかったようである。

「お、おいっ!」

思わず突っ込む和歌太郎

「さぁ、あのマジムカつく奴を死ぬまでボコるよ!ダーリン」

「ぶっ殺してやりますよぉ~。和歌太郎さん死んでくださぁい」

ミシンとスイートが和歌太郎を倒すために協力関係になったようだ。
だが和歌太郎は

「はぁーかかっておいでよ。正直君たちに負けるはしないよ。」

一切焦りを感じていなかった。

(こんな人達に負ければ里石師匠さんにどやされるよ)

「ダーリン!最初から本気マジで行くし!"解放!"磁場大臣アドミニストレイター"」

スイートの周囲に黒い微小な粒子が現れた。

「わかりましたぁ~。行くぞぉ~"獣の王ライオネル"」

スイートに続いてミシンも称号を発動。
和歌太郎は未だ謎の存在であるミシンに警戒する。

ミシンの称号の発動による変化は劇的であった。
ひ弱そうな見た目が激変したのだ。

「ヤバイんですけどぉ。マジ獣じゃん!」

その変化にスイートも驚く。

ミシンの肉体は、ほぼ獣と化していた。
全身は2メートル近く大きくなり、全身に獣のような体毛が生え、顔はほぼ百獣の王ライオンのように変化。
爪や牙も鋭くなり、まさに獣人のような見た目になった。

「ちょっと恥ずかしいですぅ~。この称号の効果は、単純に五感、身体能力、狩猟本能を高めるんです~。で僕のスキルは《狂乱バーサク》と《興奮剤ドーピング》。使用すると理性が無くなって標的を倒すまで解けないので気をつけてくださいよぉ~」

「なんかヤバタニエン。でも任しな。私の称号はどちらかというと遠距離の方が向いてるし、あいつをぜってぇぶっ殺すよ。」

「りょかぁいです~。狂乱バーサク興奮剤ドーピング…………ヴォオォォオォォォォ」

スキルを使用したミシンが吠える。
狂乱は理性を無くし本能で戦う獣と化すスキル
興奮剤ドーピングは、自身の本能を最大限に高め、あらゆるリミッターを解放するスキル

今のミシンに理性は皆無、標的を殺す事に全てを集中させた。
獣の狂戦士ベルセルクと化したのだ。

ミシンが一気に和歌太郎に迫る。
その速度は和歌太郎より速い

鋭い爪が和歌太郎の身体を切り裂こうと襲い掛かる。
和歌太郎は何とか上半身を反らし、避ける。

(速い、そして鋭い。そして本能なのか全てが致命傷を与える場所を的確に狙ってくる。これは……ヤバイ)

ミシンの猛攻に和歌太郎は先読みの技術など里石から学んだ全てを使い、避けていく。しかし、ミシンの攻撃は苛烈を極める。
野生の本能による攻撃 

加えて

"ドンッ"

和歌太郎は上から突如落ちてきた黒いを横に大きくステップを踏むことで避ける。
避けた地面には大きなひびと凹みが発生している。

「チッ!避けられたしぃ!」

スイートの悔しそうな声が響く。
先程の頭上からの攻撃はスイートものであった。

今のスイートは称号の力により、自身から半径50メートル以内であれば、磁力を自在に扱う事が可能。スイートはその力を応用し大量の砂鉄を変幻自在に扱い、和歌太郎を攻撃したのである。

遠近自在のスイートと超接近タイプのミシンの連携が和歌太郎を襲う。

圧倒的な劣勢に陥っている和歌太郎だが

「あれを再び使おうかな」

そう言ってニヤリと笑った。
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