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「んにゃ…」
私はどうやらガチで寝ていたらしい。
外真っ暗だ~
あはは…
寝すぎた…
体痛い…
「…タール様酷いよ…」
魔法ってね~
逆らえないんだよ~
なんかね~
体が反応しちゃうの~
…待てよ?
私が同じのをタール様にぶつけたら…
うん
悪魔の微笑みが見えたからやめとこ
…なんかいい方法ないのかな~
「…ふぁぁ…とりあえず起きよ…もう寝れそうにないし…」
私はクローゼットから簡単に着れる服を取り出し自分で着た。
「あれ?おかしいな…反対向きだ…」
まぁ間違えたけど…
そっから3回ぐらいやり直したよ?
ダメだね~
令嬢って
何でもやってもらうから自分で出来なくなっちゃう…
ボタン止めだって手こずってるし…
「…ん?あれ?掛け違えた…もう1回…」
こんな調子でめっちゃ時間かかる…
「…やっと着れた~」
私が着替えを終えたのはそれから30分後だった。
前の私だったら3分で着れたのに…
「よし。探検だ~まだ探索できてないとこあるし~」
シュルク探検隊出動~

「…迷った…」
うん
広すぎ…
今だけ部屋あっても使わないでしょ?
なんか薄暗いし…
「…あれ?シュルク様?このような所になぜおいでに?」
「…メイド~!!」
私はメイドに抱きついた。
「ここは使用人棟ですよ?シュルク様のお部屋はあちらの王宮です。」
「使用人棟?」
「メイドや執事の住む棟です。」
「…メイドの部屋行く!!」
「ダメです。早くお休みになってください。」
「やだやだやだ~!!行くの~!!行くまで寝ないの!!」
必殺駄々っ子!!
これなら溺愛してなくても効くでしょ?
「…仕方ありませんね。少しだけですよ?」
「抱っこ~歩き疲れた~」
「甘えん坊ですね。」
メイドは私を抱き上げ歩いた。
楽ちん楽ちん~♪
「ここが私の部屋です。ルームメイトが3人いますね。」
「…こんな小さい所に4人で住んでるの?もっと大きいとこないの?」
「これが使用人に与えられる部屋ですから。」
「じゃあシュルクのお部屋あげる!!」
「ダメですよ。」
即答…
「…シュルクのお隣のお部屋は~?」
「それもダメです。というか王宮の部屋には私達使用人は住めません。」
「そ~なの?」
やべ
言葉使いが小さい時に戻ってる…
眠くなってきたか?
「…はぁ…疲れたぁ…あれ?ラン戻ってたんだ。」
「スミレ。ちょっとね…」
「スミレ~部屋に入れないじゃない。入口で止まらないでくれる?」
「そうよ。サクラの言う通りよ。どいてよ。」
メイドが一気に3人も帰ってきた。
「スミレ。サクラ。コチョウ。お帰りなさい。シュルク様。私のルームメイトです。」
「シュルクですわ。お邪魔しています。」
「「「お…王妃様ぁ!?」」」
あ~あ
叫んじゃった…
まぁここからなら届かないよね?
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