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本編
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シュワルツ視点
「おじさ~ん!!」
「あいよ。シュワルツ。今日もお前に似合わないハンカチを持ってきたのか」
「だからこれは俺と一緒に住んでる子が作ったやつって言ってるじゃないか」
「そうだったな…あぁ。そうそう。今そのハンカチをよく買っていくお客さんがいるから会ってみるか?」
…リースのハンカチを買ってくれてる人か
会ってみてもいいかもな
「どこだ?」
「今は店の方にいる。こっちだ」
おじさんのあとについて俺は売り場の方へ向かった。
「あの人達だよ」
「ふぅん…やっぱり貴族だな」
おじさんは俺に2人組の客を見せた。
俺達の格好に似せてるけどあれはかなり上質な布を使ってる
リースのハンカチはそういう人に好まれるんだな
「…おじさん。これ今日の分。俺、そろそろリースのところに戻るわ」
「新しい布は買っていくのか?」
「あぁ。…あと白い糸を買えるだけ」
「糸?何に使うんだ?」
…そういえば聞いてなかったな
「さぁな。分からない」
「まぁ…その子が作るやつはかなり上出来だからな。うちとしても看板商品にでもしたいよ」
「…リースに無理させられないからな。このあと病院によって薬を買ってくるつもりなんだ」
「なんだ。病気か?…熱を下げる薬なら少しはあるからあげるよ」
「いいのか!?」
俺は思わず大きな声を出してしまった。
するとさっきのお客さんがこちらを向いた。
「ほら。商品をおろしているやつとして挨拶してこい」
「は!?…いやまぁいいけど」
俺はその人達の前に立った。
「初めまして。俺はシュワルツと言います。…俺の知り合いのハンカチを買ってくださっている…わ!?」
2人のうちの1人…女の人の方が俺の肩を掴んだ。
「その子の名前はなんと言いますの!!」
「え?…リースですけど」
「リース…」
「…落ち着け。名前が似ているからといってティアだとは限らない」
「…そうね…ねぇあなた。その子と会わせてくださらない…?」
「リースと?」
…今は体調を崩しているし
会わない方がいいよな
「…すみません。リースは体が弱くて…今も寝込んでいるんです。なので…」
「「体が弱い?」」
「え?は…はい」
俺がそう言うと2人は首を傾げた。
「…おかしいわね。あの子は天真爛漫でむしろ元気が有り余っていたのに」
「魔力切れの影響か?…このハンカチからもティアの魔力を微かに感じる」
「…会ってみないことには分からないわね」
…なんか俺抜きで話が進んでいくんだけど
「失礼します」
俺は頭を下げて速攻でその場を抜け出した。
もうおじさんから新しい布やらは貰ってたからな
あとはカンネと合流して戻るだけだ
「…もしかしてリースはあの人達を知っているのか…?」
家族…とか?
いやいやいや
髪や瞳の色も全然違ったし他人だろ
あの人達は貴族に多い眩い程の金髪に女の人が青い瞳で男の人が紫の瞳だったからな
…たとえ家族が来てもいまのリースじゃ分からないだろうし
「おじさ~ん!!」
「あいよ。シュワルツ。今日もお前に似合わないハンカチを持ってきたのか」
「だからこれは俺と一緒に住んでる子が作ったやつって言ってるじゃないか」
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…リースのハンカチを買ってくれてる人か
会ってみてもいいかもな
「どこだ?」
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「糸?何に使うんだ?」
…そういえば聞いてなかったな
「さぁな。分からない」
「まぁ…その子が作るやつはかなり上出来だからな。うちとしても看板商品にでもしたいよ」
「…リースに無理させられないからな。このあと病院によって薬を買ってくるつもりなんだ」
「なんだ。病気か?…熱を下げる薬なら少しはあるからあげるよ」
「いいのか!?」
俺は思わず大きな声を出してしまった。
するとさっきのお客さんがこちらを向いた。
「ほら。商品をおろしているやつとして挨拶してこい」
「は!?…いやまぁいいけど」
俺はその人達の前に立った。
「初めまして。俺はシュワルツと言います。…俺の知り合いのハンカチを買ってくださっている…わ!?」
2人のうちの1人…女の人の方が俺の肩を掴んだ。
「その子の名前はなんと言いますの!!」
「え?…リースですけど」
「リース…」
「…落ち着け。名前が似ているからといってティアだとは限らない」
「…そうね…ねぇあなた。その子と会わせてくださらない…?」
「リースと?」
…今は体調を崩しているし
会わない方がいいよな
「…すみません。リースは体が弱くて…今も寝込んでいるんです。なので…」
「「体が弱い?」」
「え?は…はい」
俺がそう言うと2人は首を傾げた。
「…おかしいわね。あの子は天真爛漫でむしろ元気が有り余っていたのに」
「魔力切れの影響か?…このハンカチからもティアの魔力を微かに感じる」
「…会ってみないことには分からないわね」
…なんか俺抜きで話が進んでいくんだけど
「失礼します」
俺は頭を下げて速攻でその場を抜け出した。
もうおじさんから新しい布やらは貰ってたからな
あとはカンネと合流して戻るだけだ
「…もしかしてリースはあの人達を知っているのか…?」
家族…とか?
いやいやいや
髪や瞳の色も全然違ったし他人だろ
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