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30(タール目線)
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…シュルクが戻ってこない。
もうすぐ授業が始まるっていうのに…
「はぁ…仕方ない。探しに行こ…」
その途中で先生に会ったが事情を説明し授業をやめてもらった。
「なんで僕がこんなこと…」
僕は校舎の至る所を探し回った。
そして…後回しにしていた大図書館に着いた。
「後はここだけか…」
僕は中に入って驚いた。
図書館というより塔だ。
天井が高すぎる。
「…地上にはいないし…まさか上?」
僕は見上げた。
これだけの階段をシュルクが登ったとは思えないが探していないところはそこしかない。
「…まさか…ね。」
10分後…
「まさか…が当たったよ…」
シュルクはそこで幸せそうな顔でお昼寝していた。
起こそうと思ったのだが寝言で僕を呼ぶため可愛すぎてやめた。
「…カメラ持ってくればよかった。」
僕がそう呟くと僕付きの執事がカメラを取ってきた。
…なんで学校にいるんだ?
僕はそう思ったが1秒たりとも無駄にしたくなかったためシュルクの写真を撮りまくった。
「…可愛い。」
僕はどんな表情も逃さない。
うなされているのを見て起こそうかとも思ったがすぐに二ヘラと笑ったのでやめた。
僕は…いつまで耐えれるだろうか。
父上には成人するまで手を出すなと言われた。
そんな無茶な…
こんな可愛い婚約者を前にしてお預けか?
僕はシュルクが風邪を引かないよう注意を払った。
虫が近づくようなら追い払う。
風が強くなってきたら窓を閉める。
シュルクを探しに来たはずがシュルクのお昼寝が快適になるように手を回していた。
「…可愛い。」
僕は今日だけで何回この言葉を口にしただろう。
数時間は見ているはずなのに飽きない。
僕がじっとシュルクを見つめていると執事から連絡があった。
馬車が迎えに来たようだ。
そろそろ帰らないと父上が心配する。
「シュルク。そろそろ起きないと帰れなくなるよ。」
僕がそう声をかけるとシュルクはもそもそと動いたがまた動かくなった。
「もう1回寝ようとしないの。帰るよ。」
本当はもう少し見ていたかった。
それが本音だ。
「タ…タール様…」
「授業サボってまでお昼寝した感想は?」
「とっても気持ちよかった!!」
「…帰るよ。今日1日分の教育を僕が直々にするから。」
ふふふ
またシュルクの寝顔期待してるよ。
それにしても気持ちよかったか…
僕の苦労は報われたね。
「帰ります…」
「それでいい。早くしてよ?馬車待たせてるんだから。」
「…早くしてと言われても…階段降りるのに時間が…!?」
…シュルク何を思いついたんだい?
そしてシュルクは手すりに腰掛けた。
「せ~の~」
「…シュルク!?」
で!!と叫ぶとシュルクは勢いよく手すりを滑った。
何してるんだ!!
落ちたらどうするんだ!!
僕は階段を駆け下りてシュルクを追いかけた。
「きゃははは!!早い早い~」
「シュルク!!危ないことはやめなさいって!!」
「タール様が早くって言ったんだもん!!」
シュルクは数分後地上にたどり着いた。
僕はというと…それよりも時間がかかった。
「着いた~」
「ぜぇ…はぁ…」
「タール様?息が上がってるよ?」
「シュルク…が…無茶…するから…」
「無茶?…まぁ何回か落ちそうになったけど…」
「!?シュルク!!2度とこの最上階には登っちゃいけないよ!!」
「ど…どうして~?」
シュルクは目をうるうるさせた。
…シュルク僕がこれに弱いの分かっててやってるな?
あぁ…小悪魔な君も今すぐ写真に残したい…だけどそんなことしたらシュルクに嫌われるよね。
「う…シュルクが怪我してからじゃ遅いでしょ?」
「怪我しないよ?シュルク…運動神経いいもん。」
「だとしても。」
「だったらタール様が私が無茶しないようにここにエレベーター付けて?」
「…それだとあそこに逃げ込むでしょ?」
「お願い~…」
シュルクは小首を傾げうるうるさせた目で僕にお願いした。
…折れたよ。
僕が了承するまで続ける気でしょ。
「…分かった。父上に言っておくから。」
「やったぁ!!タール様!!早く帰ろ!!」
「…はぁ。心だけが3歳のままか…」
シュルクは3歳の時から変わらない。
無邪気で可愛くて危なかっしくって…いつも閉じ込めておきたくなる。
「…タール様あんまり酷い事言うとシュルクタール様のこと嫌いになるからね。」
「別に構わないよ。どこに逃げようとシュルクは僕のものだ。誰にも渡しはしないよ。」
そろそろ独占しようか。
監禁でもして父上にも見せないようにしよう。
そのためには準備をしないとね。
シュルクが快適に過ごせるように。
「か…か…帰ろ!!」
シュルクは僕から逃げるように走り出した。
この日以来シュルクは密室に僕と2人きりになると震えだすようになった。
もうすぐ授業が始まるっていうのに…
「はぁ…仕方ない。探しに行こ…」
その途中で先生に会ったが事情を説明し授業をやめてもらった。
「なんで僕がこんなこと…」
僕は校舎の至る所を探し回った。
そして…後回しにしていた大図書館に着いた。
「後はここだけか…」
僕は中に入って驚いた。
図書館というより塔だ。
天井が高すぎる。
「…地上にはいないし…まさか上?」
僕は見上げた。
これだけの階段をシュルクが登ったとは思えないが探していないところはそこしかない。
「…まさか…ね。」
10分後…
「まさか…が当たったよ…」
シュルクはそこで幸せそうな顔でお昼寝していた。
起こそうと思ったのだが寝言で僕を呼ぶため可愛すぎてやめた。
「…カメラ持ってくればよかった。」
僕がそう呟くと僕付きの執事がカメラを取ってきた。
…なんで学校にいるんだ?
僕はそう思ったが1秒たりとも無駄にしたくなかったためシュルクの写真を撮りまくった。
「…可愛い。」
僕はどんな表情も逃さない。
うなされているのを見て起こそうかとも思ったがすぐに二ヘラと笑ったのでやめた。
僕は…いつまで耐えれるだろうか。
父上には成人するまで手を出すなと言われた。
そんな無茶な…
こんな可愛い婚約者を前にしてお預けか?
僕はシュルクが風邪を引かないよう注意を払った。
虫が近づくようなら追い払う。
風が強くなってきたら窓を閉める。
シュルクを探しに来たはずがシュルクのお昼寝が快適になるように手を回していた。
「…可愛い。」
僕は今日だけで何回この言葉を口にしただろう。
数時間は見ているはずなのに飽きない。
僕がじっとシュルクを見つめていると執事から連絡があった。
馬車が迎えに来たようだ。
そろそろ帰らないと父上が心配する。
「シュルク。そろそろ起きないと帰れなくなるよ。」
僕がそう声をかけるとシュルクはもそもそと動いたがまた動かくなった。
「もう1回寝ようとしないの。帰るよ。」
本当はもう少し見ていたかった。
それが本音だ。
「タ…タール様…」
「授業サボってまでお昼寝した感想は?」
「とっても気持ちよかった!!」
「…帰るよ。今日1日分の教育を僕が直々にするから。」
ふふふ
またシュルクの寝顔期待してるよ。
それにしても気持ちよかったか…
僕の苦労は報われたね。
「帰ります…」
「それでいい。早くしてよ?馬車待たせてるんだから。」
「…早くしてと言われても…階段降りるのに時間が…!?」
…シュルク何を思いついたんだい?
そしてシュルクは手すりに腰掛けた。
「せ~の~」
「…シュルク!?」
で!!と叫ぶとシュルクは勢いよく手すりを滑った。
何してるんだ!!
落ちたらどうするんだ!!
僕は階段を駆け下りてシュルクを追いかけた。
「きゃははは!!早い早い~」
「シュルク!!危ないことはやめなさいって!!」
「タール様が早くって言ったんだもん!!」
シュルクは数分後地上にたどり着いた。
僕はというと…それよりも時間がかかった。
「着いた~」
「ぜぇ…はぁ…」
「タール様?息が上がってるよ?」
「シュルク…が…無茶…するから…」
「無茶?…まぁ何回か落ちそうになったけど…」
「!?シュルク!!2度とこの最上階には登っちゃいけないよ!!」
「ど…どうして~?」
シュルクは目をうるうるさせた。
…シュルク僕がこれに弱いの分かっててやってるな?
あぁ…小悪魔な君も今すぐ写真に残したい…だけどそんなことしたらシュルクに嫌われるよね。
「う…シュルクが怪我してからじゃ遅いでしょ?」
「怪我しないよ?シュルク…運動神経いいもん。」
「だとしても。」
「だったらタール様が私が無茶しないようにここにエレベーター付けて?」
「…それだとあそこに逃げ込むでしょ?」
「お願い~…」
シュルクは小首を傾げうるうるさせた目で僕にお願いした。
…折れたよ。
僕が了承するまで続ける気でしょ。
「…分かった。父上に言っておくから。」
「やったぁ!!タール様!!早く帰ろ!!」
「…はぁ。心だけが3歳のままか…」
シュルクは3歳の時から変わらない。
無邪気で可愛くて危なかっしくって…いつも閉じ込めておきたくなる。
「…タール様あんまり酷い事言うとシュルクタール様のこと嫌いになるからね。」
「別に構わないよ。どこに逃げようとシュルクは僕のものだ。誰にも渡しはしないよ。」
そろそろ独占しようか。
監禁でもして父上にも見せないようにしよう。
そのためには準備をしないとね。
シュルクが快適に過ごせるように。
「か…か…帰ろ!!」
シュルクは僕から逃げるように走り出した。
この日以来シュルクは密室に僕と2人きりになると震えだすようになった。
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