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Zzz…
「シュルク。何でこんなところで寝てるの?風邪は?」
Zzz…?
タール様か…
あなたは何回私の安眠妨害をするつもりなの…
起きるけど
起きるけどね?
幸せそうに眠っている人を起こすな
「シュルク。起きた?」
なぜタール様の手にカメラが?
私がそれをじーっと見つめているとタール様は自分の後ろに隠した。
隠せてませんよ?
見ましたよ?
「…うにゅ…タール様…抱っこ。」
「…はいはい。」
タール様はカメラを執事に託すと私を抱き上げた。
「よく眠れた?」
「うん!!メイド達のおかげだね。ありがと!!」
「か…感激ですぅ…」
「今日のことは一生忘れません!!」
「後世まで語り継ぎますぅ…」
メイドさん?
大袈裟過ぎやしません?
「…Zzz…」
「…シュルク…また寝ないの。」
「…はっ!!」
私は顔を横に振ってなんとか眠気を飛ばした。
「顔洗ってくる~」
私はタール様に降ろしてもらうと洗面所に走った。
そしてバシャバシャと顔を洗うとやっとぱっちりと目が開くようになった。
「シュルクちゃんは今日も元気いっぱい頑張ります!!」
何となく鏡の前で宣言してみた。
「病人が何言ってんの?」
「…タール様…」
私は恥ずかしくて小さく縮こまった。
12歳の子が決めポーズなんて恥ずい
…そういえば学校での発表用のダンスがあったな…
あれ…確か…私タール様に強制的にセンターにされてた気が…
猫ダンス…
うぅ…
人の目が怖くなりそう…
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