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どうだ!!
私の渾身の駄々は!!
参っただろ!!
私は厨房にいた。
ルンルンルン♪
「お菓子作りは楽しいな~♪」
ごめんなさい
黙るから
黙るからそんな冷ややかな目で見ないでタール様
まさかまさかで…タール様に企んでいたことがバレてしまった。
「…シュルク。なんで急にお菓子作りがしたいなんて言い出したの?」
「…言わない。」
「言って?」
「絶~対に言わない!!」
「…言って。命令。」
「言わない!!たとえ不敬罪になっても言わない!!」
私はお菓子作りに戻った。
これ以上タール様と目を合わせているなんて無理…
そう思っていたらタール様に後ろから抱きつかれた。
「…言わないの?」
「言わない。」
「今ここで何をされても?」
はい?
…ちょっと待って
何その手
なんで腰に手が回ってんの?
もう片方の手で私の両手塞いじゃってるし
「タール様?」
「シュルクとは婚約してるんだし早いけどそういうことしてもいいよね?」
「……そういうことって何?」
よし
知らないで通そう
「…知ってるんでしょ?だから誘拐された時にあれだけ泣き叫んだんでしょ?」
マジかよ…
数秒でバレた
「…知らない。他の奴隷さんが何かやられてた。」
私はそう言った。
事実だもん
他の部屋からヤバイの聞こえたよ?
鞭だよね?
鞭使ってるよね?
しかも聞こえてきた声男の声よ?
ドエム?
私が考えを巡らせているとタール様は近くの壁を殴った。
「あいつら…シュルクになんてもん見せてんだ…」
「タール様?手…痛くないの?」
「痛くないよ。シュルクを汚した奴らが許せないだけだよ。」
お~い
あなた10歳よね?
なんで知ってんの?
まぁ…12歳で知ってる私も異常だけどね
仕方ないよ
娘の前でお父さん…そういうことするんだもん
私もそういうことになりそうになって逃げたけどね
「…シュルク。お菓子作るのはいいけど怪我しちゃダメだよ?」

話しそらした
「うん。分かってる。」
グサッ
やべ…
手元見なかったから思いっきり切れた
「シュルク?言ったそばから怪我したけど?」
怖い怖い怖い怖い!!
にしても手が痛い!!
包丁で切った~!!
「…先に手当てしないとね。メイド。」
…そこはメイドに任せるんだ
「シュルクの手当てしといて。それと…怪我した方の手は使わせないようにして。」
…ん?
片手使わないでどうやって過ごすの?
利き手じゃないからまだマシだけど…
私が怪我したのは左手
利き手は右手
「シュルクの世話は…メイド達任せたよ。僕は公務があるんだ。」
なるへそ
だから珍しくタール様がやるって言い出さなかったんだ…
ちょっと待って
私…全部メイドがいないと出来ないじゃん!!
食事も着替えもお風呂も!?
タール様…仕組んだな?
私が逃げ出せないように…
やられた…
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