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里帰り

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「酔ったぁ…」
私は泉の辺で休んでいた。
だって…馬車ガッタガタするし
賊に狙われるし
何やかんやあって…物凄く気持ち悪くなった
「うぅ…お父様…」
早く行きたいよ~
お部屋でベットふかふか~ってしたいよ~
「…よし。我慢しよ!!」
私はなんとか気合で頑張った。
「が…頑張った…自分で自分を褒めたい…」
まぁフラフラだったけど
「シュルク!!どうした!!顔色悪いぞ!!」
「あ…お父様…ただいま~」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!!」
お父様は私を抱き上げリビングのソファーに寝かせた。
私8歳
それなりに年頃の女の子よ?
気軽に抱き上げないで…
「…馬車で酔ったか?2回目だからな。慣れないよな。」
ふにゃ~
お父様のナデナデ~
「…シュルク。お父様に会いたくて戻って来たの。」
「そうかそうか。婚約破棄するのか。父様は大歓迎だぞ。」
お父様
シュルクそんなこと一言も言ってない
…まてよ?
今破棄すれば純潔失わないかも?
「…破棄する~シュルク痛いのや~」
「シュルク!?だからどこで覚えた!!」
「この前誘拐された時~奴隷になったの~」
「…あの野郎…俺にはなんの情報もよこさなかったじゃないか。」
お父様!!
血!!
血出てるから!!
それ以上手を握りしめちゃダメ!!
「…シュルクね。襲われかけたの~」
のほほ~んと言ってみたのだが…逆効果だった…
「…どこのどいつだ?」
「シュルクを襲った人達はタール様が消したよ~?」
「…ちっ。俺にもやらせろよな。」
お父様~?
俺にもやらせろですって~?
あなたまで殺人する気だったの~?
「ねぇお父様。シュルクも……やんなきゃだめ?」
「シュルクはやらなくてもいいぞ?父様の所で皆から隠れて暮せばいい。」
隠れるの?
何故に?
「…シュルク隠れるの?かくれんぼ?」
「…男達からな。隠れるんだよ。」
なんで私の周りの人はそう私を隠したがるかな~
魅了してるの?
スキルとかあったりして~
んな分けない…
「もしかしたらシュルクは魅了のスキル持ちかもな。」
あるんですか…
スキル
なんかゲームみたいになってきた…
「スキル?」
「あぁ。でも教えるのはまた今度な。」
はぐらかされた…
くそ~
絶対聞き出してやる~
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