精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~

如月花恋

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お父様へのお願い

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「お父様…ダメですか?」
私は邸に戻ってきていた。
「ダメ…ではないが…」
「ではどうしてですか?何故アル様との婚約を破棄してくれないのですか?」
婚約なんてしてたまるか!!
弄られるもん!!
「…陛下からの命令でな…」
「では何故私なのですか!!お姉様の方が私よりもお美しいです!!」
「アルムント殿下からのご指名だ」
なんで…
指名されてんのぉ!!
私指名されるようなことしてない…
「…王家に嫁ぐのは嫌なのか?」
「…嫌です。お父様も最初は反対してくださったじゃないですか…」
私は泣き崩れる真似をしてみた。
アル様もこれで…なんとか出来たからね
「…シャルロッテ…諦めろ」
!?
諦めろって言われたぁ…
「俺だって嫌だ。というかシャルロッテがどこかに嫁ぐなんてこと…考えたくもないんだ。俺の愛娘が…どこぞの男に取られると思うと夜も眠れない…」
お父様
それは親バカというものですわ
「だが王命だ。拒否すれば…王家への反逆行為と取られる…分かるな?俺達に道は残されていないんだ…」
「…ふぇ…私まだ6歳なのにぃ…」
私はお父様に抱きついてたくさん泣いた。
泣き叫んだの方が正しいかもしれない…
アル様に嫁ぐなんて嫌だよぉ…
分かるよ?
王家が私を利用するためだってことは…
だけどお父様やお母様を巻き込みたくないんだもん…
でも嫌なものは嫌なの…
自分の気持ちが分かんなくって…分からなくて涙が止まらない…
「…シャルロッテ…」
「お父様…」
「…お前にだけ苦しい思いばかりさせてしまうな。…すまん…」
「お父様のせいじゃ…ないの…」
少なくとも…魔力のことは違うもん
「お父様…あのね…私…魔法…使ったの…」
「うん…それで?」
「…先生の前で上級魔法を使って…職員室に呼び出されてね…叱られたの…そんな危険な魔法は使うなって…」
「まぁ危険だな。シャルは今まで魔法なんて使ったことなかったんだろ?尚更だ。失敗すれば…魔力の暴走した時のような高熱が出るぞ。気をつけろ」
「はい…お父様」
お父様はいつも私のことを考えてくれる…
優しいお父様…
大好き…
「お父様…」
「ん?」
「大好き!!」
私はお父様にしがみついた。
はしたない?
今だけ忘れさせて…
いつアル様に婚約を正式にするって言われるか分からないんだもの…
現実逃避…させて
「よしよし。シャルはまだまだ子供だな」
「むぅ…もう淑女なの!!子供じゃないの!!」
「淑女はこんな事しないと思うが?」
「…子供なのぉ…」
私は言い負かされて小さく縮こまった。
「シャル。いつまでも子供でいてくれ…そうすれば嫁ぐこともない」
「お父様…それは流石に無理ですわ」
一生子供のままなんて嫌ですわ
大きくなりたいです
「…冗談だ。シャルが大人になったらさぞ綺麗なんだろうな」
「…お姉様には劣るわ」
「アンジュに並ぶくらい美しくなるさ。シャルは俺達の自慢の子だからな」
…よくそんな恥ずかしいセリフをスラスラ言えますね…
こっちが真っ赤になっちゃったよ…
私は顔をお父様の胸に押し付けた。
「シャル?」
「…少しの間だけこうさせて…」
「…子供…だな」
子供は子供だよ
お父様
急に大人になったりしないんだから
だから…
子供の間だけは…
たくさん甘えさせてね
淑女…だけど子供だもん
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