婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】

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4.陛下と妃殿下の叱責

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 ヴォルフガンフの厳しい声がゼノンの失言を許さない。
「お前は先ほどから誰に物を言ってるか理解してないのだな」
「誰にって悪役令嬢で有るロゼッタです」

「悪役令嬢と言う身分は存在しません。
 皇女殿下になんたる無礼…わたくし、このように育てた覚えはない。
 どうしたら、ここまで阿呆な頭になるのか知りたいのですが…陛下」
「ワシとて阿呆で馬鹿に育った事が信じられん。
 しかも皇女殿下を悪役とは…何を持って悪役なのかすら理解に苦しむ。
 そして教育なのだが…任せて居た宰相子息がでは…な」

 そう教育を担当して居たのは宰相では有るが、教育を託されたのは息子ロイド。
 息子も揃って断罪に加わるなど前代未聞、教育はおろそか、
女子の尻しか追っかけてないなど頭が痛くなるのは当然。
 幼子に教える方が遥かにマシなレベルの阿呆ぶり。

「ロイド・グラナート、お前にゼノンの教育を任せた筈だが、
 勉強嫌いだけでこの状態阿呆な王子になるのか?」
 聞いても無駄だと判って居ても聞くしか今は無いと判断。

「王子殿下の命令は絶対です。
 勉強は嫌だ好きな女性を探せ命令だ、
 と言われれば勉強を強固に押し付ける事は出来なくなります。
 そして女性を追いかける事を止めれば自由にさせろ命令だと言われてしまう始末でした。
 王子を止めるには王子以上の身分の方にしか出来ません」

 暗にロゼッタが仕事をしなかったのが原因のような言い様に皇帝陛下が青筋を立てる。
「ほぉ…我が娘ロゼッタが仕事をしなかったから阿呆になったと言いたいのだな?」

 い殺しそうな声音にビクリと反応したものの
「いっ…いえっ…そう言うつもりで発言した訳ではっ…」
 と慌てて言い訳を述べる。

「勉強しなかったのも女性の尻を追いかけたのも王子殿下の都合。
 その都合をいちいち指摘しなければならないなど、有り得ないのですけれど…
 この国は他力本願なのですわ。父上」
「ふんっ。自己解決能力が無いのだな。先が思いやられる。
 もう良いで有ろう?この国に支援など無用。
 自分で解決できぬからこそ我が国に支援を求め、
 これ今の現状だ。カストル殿、我らは帰国させて頂く」

「みっ…密約を破棄されるとおっしゃるのですか?」
「当然だろう?そやつアホ王子が望んだのは下位貴族の令嬢。
 そんな王子に我が娘を据えたのはカストル殿で有ろう?
 責任は取って貰わねば困る」
「くぅ・・・」

 もう残念…では済まされない。
 戦争を仕掛けられないだけ良しとしなければ…と腹を決めた。
「皇帝陛下ヴォルフガンフ様、どうかお待ち下さい。
 これ阿呆王子は廃嫡します故、今一度、お考え直しを…」

 そう言葉にしたのは王妃イザベラ・アゼウス。
「・・・廃嫡したとてロゼッタにされた事柄は消えぬ。そうであろう?」

 何も言えなくなってしまった王妃。
「では失礼させて頂きましょう父上、母上が待って下さってる事でしょう」
「そうだな」

 2人つれだって王城を後にしようと出口へ向かい始めてしまい、
いよいよ国の崩壊が間近と迫ろうとして居た
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