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~ライアン・ストームの事情(最終話)
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ライアン・ストームがガレス・ストームから勅命を受けたのは皇女殿下が留学する前の事。
「ライアン来なさい」
「騎士団長閣下、此処では駄目なのでしょうか?」
親子で有っても上司と部下、人の目が有る所では弁えるのが筋。
ライアンは誰が見ても将来の騎士団長候補だ。
「ああ。国家機密に関わる事だ」
周囲に聞こえぬ声で息子に話の内容を伝えれば即座に理解し
「伺わせて頂きます」
と反応。
騎士団長の執務室へと移動した。
「して父上、そんな国家機密を私に話して大丈夫なのですか?」
「ああ、これからお前は王家の影になって貰わねばならぬ」
「王家の影…」
「そうだ、2か月後、帝国から輿入れの為に皇女殿下が訪問される」
「ロゼッタ・ヴァルハラ皇女殿下が…」
「流石だな。そして皇女は我が国の食料事情を慮っての輿入れ。
馬鹿王子の婚約者になられる」
「第二王子殿下…では無いのですか?」
「まあ王位継承権の順位的に第一王子と言うだけだ。
それに…あの馬鹿なら何を皇女にしでかすか判ったものではないだろう?」
「…確かに…」
「だからこそ、騎士団最強のお前に影を務めて貰いたいと思う」
「影から皇女様や女性たちを馬鹿から守る為ですね?」
「ああ、側近候補として付け。
そして阿保な事をヤラかす前に阻止しろ」
「これは騎士団長の勅命と捉えて宜しいですね?」
「ああ。お前には酷な仕事かも知れんが、
他に頼める騎士はいないからな」
信頼されて居る証…ライアンはキリリと背筋を伸ばし
「その勅命、拝命させて頂きます」
と回答し、その翌日には第一王子の護衛騎士と言う立場に収まり、
女性の尻ばかり追いかけ、隙あらば傷モノにしようと手を出す寸前に何かしらの用事を子女に伝え、
その場から助け出したりする事となり、
あの断罪事件が起きた際には「これで阿呆を守らなくて済む」とも
「皇女殿下になにもされなくて良かった」とも思った。
全ての事が終わり任務完了の時
「ライアン、今までご苦労」
と父親で有り騎士団長でも有るガレスから労いの言葉を掛けられた。
「勿体なきお言葉…。
皇女殿下や女性たちを守る事が出来たのは僥倖でした」
晴れやかに報告する息子が立派な護衛騎士となった事を喜ぶガレス。
「本当に…お前が護衛騎士でなければ防げなかったやも知れぬと思うと鳥肌がたつ」
「騎士はハニートラップ対策を受けて居るとは言え、
男爵令嬢は防げないでしょう」
言葉巧みに騎士の弱い所を付き、
懐に入ろうと画策して居たリリアンナを思い出し寒気がするライアン。
「阿婆擦れに引っかかった騎士は鍛え直す事となった」
「当然の結果かかと…」
「流石だな。これにて影の任務は終了となるが、
陛下から護衛して欲しい旨が伝えられた」
「・・・まさか・・・」
「専属騎士だ。頼んだぞ?」
「はっ!」
即断即決、現王で有るリアムと妻で有るロゼッタを守るならば、
自分の身を挺してでも…と意気込むライアンを優しく見守るガレスで有った
完結
「ライアン来なさい」
「騎士団長閣下、此処では駄目なのでしょうか?」
親子で有っても上司と部下、人の目が有る所では弁えるのが筋。
ライアンは誰が見ても将来の騎士団長候補だ。
「ああ。国家機密に関わる事だ」
周囲に聞こえぬ声で息子に話の内容を伝えれば即座に理解し
「伺わせて頂きます」
と反応。
騎士団長の執務室へと移動した。
「して父上、そんな国家機密を私に話して大丈夫なのですか?」
「ああ、これからお前は王家の影になって貰わねばならぬ」
「王家の影…」
「そうだ、2か月後、帝国から輿入れの為に皇女殿下が訪問される」
「ロゼッタ・ヴァルハラ皇女殿下が…」
「流石だな。そして皇女は我が国の食料事情を慮っての輿入れ。
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それに…あの馬鹿なら何を皇女にしでかすか判ったものではないだろう?」
「…確かに…」
「だからこそ、騎士団最強のお前に影を務めて貰いたいと思う」
「影から皇女様や女性たちを馬鹿から守る為ですね?」
「ああ、側近候補として付け。
そして阿保な事をヤラかす前に阻止しろ」
「これは騎士団長の勅命と捉えて宜しいですね?」
「ああ。お前には酷な仕事かも知れんが、
他に頼める騎士はいないからな」
信頼されて居る証…ライアンはキリリと背筋を伸ばし
「その勅命、拝命させて頂きます」
と回答し、その翌日には第一王子の護衛騎士と言う立場に収まり、
女性の尻ばかり追いかけ、隙あらば傷モノにしようと手を出す寸前に何かしらの用事を子女に伝え、
その場から助け出したりする事となり、
あの断罪事件が起きた際には「これで阿呆を守らなくて済む」とも
「皇女殿下になにもされなくて良かった」とも思った。
全ての事が終わり任務完了の時
「ライアン、今までご苦労」
と父親で有り騎士団長でも有るガレスから労いの言葉を掛けられた。
「勿体なきお言葉…。
皇女殿下や女性たちを守る事が出来たのは僥倖でした」
晴れやかに報告する息子が立派な護衛騎士となった事を喜ぶガレス。
「本当に…お前が護衛騎士でなければ防げなかったやも知れぬと思うと鳥肌がたつ」
「騎士はハニートラップ対策を受けて居るとは言え、
男爵令嬢は防げないでしょう」
言葉巧みに騎士の弱い所を付き、
懐に入ろうと画策して居たリリアンナを思い出し寒気がするライアン。
「阿婆擦れに引っかかった騎士は鍛え直す事となった」
「当然の結果かかと…」
「流石だな。これにて影の任務は終了となるが、
陛下から護衛して欲しい旨が伝えられた」
「・・・まさか・・・」
「専属騎士だ。頼んだぞ?」
「はっ!」
即断即決、現王で有るリアムと妻で有るロゼッタを守るならば、
自分の身を挺してでも…と意気込むライアンを優しく見守るガレスで有った
完結
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