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20 あなたのためなら(仮) 最終話
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チュンチュン
いつの間にかふて寝が成功してぐっすり寝てしまっていたらしい。
鳥の鳴き声に目を覚ます。カーテンの隙間から日差しが差し込み、朝まで熟睡してしまったことに気がついた。
そして部屋の中にはいい匂い‥‥‥
そういや、腹減ったな。
もぞもぞと布団から抜け出すと、そこには‥‥‥
「起きた?」
は、裸エプロン?
2メートル近い裸の男がふりふりの白いエプロンを身にまとい、ニコニコ笑っていた。
ちょっとそれ、軽くホラーじゃね?
「おい、まさか‥‥‥」
「だいじょうぶ、履いてるから♡」
真白は、エプロンの下をぺろっとめくり、トランクスを見せた。
いや、見たくねー、別に。まあ、生よりいっか。生はやばい。いろいろと。
「ごほん。聞いてないから。そんなことよりなんでそんな格好を」
「僕の夢だったんだぁ」
真白は両手をあごの前で組み合わせ、小首をかしげた。
「これからは、さあちゃんの食べるものは全部、僕が作ってあげるからね?」
「はあ?」
「食べたいものならなんでも作れるように努力するね?」
「‥‥‥お、おう。それはありがたいな」
「ほんと?うれしい♡」きゅるん♡
いや、だからさ、それって可愛い女の子に言われれば天にも昇りたくなるんじゃないの?仁王じゃなくて女の子なら。
オレはため息をついた。
「自然にしろ、自然に」
「これ以上ないほど自然だけど」
「‥‥‥もういい」無駄な抵抗は諦めよう。オレにだってそのくらい分かる。
「さあちゃん」真白がベッドに腰掛け、おれの髪を撫でた。
「愛してるよ。僕の作ったものを毎日食べてね。そしたら、いつかさあちゃんの身体が僕の作った食べ物から作られるってことでしょう?ふふふ、楽しみだなあ」
ぞくり。
「お前‥‥‥」
「可愛いね、さあちゃん」
「まさか、いままで、オレにやたらと食い物を差し入れてたのはそういうことだったのか‥‥‥」
「もちろんだよ!僕の弁当がさあちゃんの一部になると思えば、いくらでも頑張れたよ。いつか、就職したら、僕が稼いだお金からさあちゃんの体が作られるって想像しただけでもう‥‥‥♡」
「おい」
「それにね、服も持ち物もいつかは全部僕が買ってあげるからね、さあちゃんは何もしなくていいんだよ。僕のことを待っててくれれば‥‥‥」
「ぐおお!!」
執着こっわ!!オレ、もしかして早まったんじゃない?
女の子大好きアピールをやめちゃダメだった?
結愛ちゃんに土下座して付き合ってるフリでもいいからお願いした方がよかったんじゃない?
「さあちゃん、愛してるよ。さあちゃんのためならなんでもできる。すき♡」
真白はにっこりと笑ってオレの頬に軽くキスをする。
「大好きだよ。可愛いさあちゃん。これからは永遠に僕のもの。だーいすき♡」
「お、おう。」
「裸エプロンも男の夢だっていうから、さあちゃんのために頑張っちゃった♡」
ついつい、目が泳いでしまう。ちょっと違う。
たしかにこいつはオレのためならなんでもしてきた。
でもそれってほんとにオレのため?
ねえ、ほんとにオレのため?
もしかして、おれって、おれって、こいつに囲い込まれてなかった?
結局、真白の思う壺に落っこっちゃってない?
「さ、温かいご飯ができてるよ。さあちゃんの好物ばかりつくっちゃった。今日はお祝いだしね。ふ・た・り・の♡」
やたらとハイテンションな真白の後からもぞもぞと体を起こす。
まあ、仕方ない。
とりあえず、飯だ。
腹が減ってはなんとやら、だ。
テーブルの向こうで嬉しそうに飯を盛る真白を見て思う。
ま、可愛い女の子じゃないってことは、諦めよう。
どうせこいつはオレにひっついて離れないだろうし、オレだってまあ、こいつのことが‥‥‥
「はいどうぞ」
湯気を立てたスープ皿がオレの前に置かれる。
オレの好物だ。骨つき鶏とネギをグダグダになるまで煮込んだ手間のかかるやつ。
めっちゃ時間かかるから母ちゃんは滅多に作ってくれなかったんだよな。
口に含むとふわりとしたネギの甘みと鶏の出汁が効いたスープがとろりと広がる。
(‥‥‥うまい)
真白は嬉しそうにオレを見ている。
オレはバレないようにため息を口の中で押し殺した。
まあ、オレだってこいつのためなら、なんだってできるんだ。
とうとう、エ、エッチまでしたんだからな?
しかもオレが下で!!
まあ、真白を抱けるかって言われたら、ちょっと自信ないけどさあ。
「うまいな。さすが真白だな」
オレが微笑むと、真白の顔に満面の笑みが広がる。
「明日も、あさってもその先も、ずーっと一緒にいようね」
「‥‥‥ん」
目の前に広がる食卓には重すぎる真白の愛が広がっていた。
つやつやした炊きたてご飯にネギと鶏のスープ。
ハンバーグに豚バラの角煮、卵焼きにサラダ。ついでにコロッケまである。
なかなか、肉肉しくてがっつりしたメニューだな。朝から。
でも、オレの好物を並べた真白の気持ちはひしひしと伝わってくる。
一食食うたびに真白特製の体になっていくんだろうか。
それはそれで、なんか、どうなんだろ?
なんだか、大手を振って、それでいい!!って思えないぞ?
それともそのうち心が決まるのか?
お前のためなら、ってのは人体改造まで含まれるのか?
それって、みんなそうなの??
ほんとにほんと?
‥‥‥そうとは思えない。
いや、どうかな。経験不足のせいか判断できない。
顔を上げると真白がニコニコと幸せそうに笑っていた。
この笑顔には弱い。
オレは顔の筋肉を動かして無理やりに笑顔を作って見せた。
ますます嬉しそうに笑う真白を見るとオレの胸がどきりと大きな音を立てる。
仕方ない。お前を好きだって認めるよ。
ただなあ、お前のためならなんでもできるとまではまだ言い切れない。
もうちょっとだけ時間をくれよ。
そうすれば、答えは自然に出てくるだろう。
でもまだ今日のところは、(仮)ってつけといてくれよな。
な、いいだろ?真白。
オレはハンバーグに箸をぶっ刺して猛然と食べ始めた。
きっといい日になるだろう。
おしまい。
***************************************************
ここまでたどり着いていただきまして、ありがとうございました!!
(多分いいことありますよ。善行賞で(笑))
少しでもお楽しみいただけていたら幸いです!!
よろしければ、また次回作でお会いできますことを願っています。
藍音 拝
いつの間にかふて寝が成功してぐっすり寝てしまっていたらしい。
鳥の鳴き声に目を覚ます。カーテンの隙間から日差しが差し込み、朝まで熟睡してしまったことに気がついた。
そして部屋の中にはいい匂い‥‥‥
そういや、腹減ったな。
もぞもぞと布団から抜け出すと、そこには‥‥‥
「起きた?」
は、裸エプロン?
2メートル近い裸の男がふりふりの白いエプロンを身にまとい、ニコニコ笑っていた。
ちょっとそれ、軽くホラーじゃね?
「おい、まさか‥‥‥」
「だいじょうぶ、履いてるから♡」
真白は、エプロンの下をぺろっとめくり、トランクスを見せた。
いや、見たくねー、別に。まあ、生よりいっか。生はやばい。いろいろと。
「ごほん。聞いてないから。そんなことよりなんでそんな格好を」
「僕の夢だったんだぁ」
真白は両手をあごの前で組み合わせ、小首をかしげた。
「これからは、さあちゃんの食べるものは全部、僕が作ってあげるからね?」
「はあ?」
「食べたいものならなんでも作れるように努力するね?」
「‥‥‥お、おう。それはありがたいな」
「ほんと?うれしい♡」きゅるん♡
いや、だからさ、それって可愛い女の子に言われれば天にも昇りたくなるんじゃないの?仁王じゃなくて女の子なら。
オレはため息をついた。
「自然にしろ、自然に」
「これ以上ないほど自然だけど」
「‥‥‥もういい」無駄な抵抗は諦めよう。オレにだってそのくらい分かる。
「さあちゃん」真白がベッドに腰掛け、おれの髪を撫でた。
「愛してるよ。僕の作ったものを毎日食べてね。そしたら、いつかさあちゃんの身体が僕の作った食べ物から作られるってことでしょう?ふふふ、楽しみだなあ」
ぞくり。
「お前‥‥‥」
「可愛いね、さあちゃん」
「まさか、いままで、オレにやたらと食い物を差し入れてたのはそういうことだったのか‥‥‥」
「もちろんだよ!僕の弁当がさあちゃんの一部になると思えば、いくらでも頑張れたよ。いつか、就職したら、僕が稼いだお金からさあちゃんの体が作られるって想像しただけでもう‥‥‥♡」
「おい」
「それにね、服も持ち物もいつかは全部僕が買ってあげるからね、さあちゃんは何もしなくていいんだよ。僕のことを待っててくれれば‥‥‥」
「ぐおお!!」
執着こっわ!!オレ、もしかして早まったんじゃない?
女の子大好きアピールをやめちゃダメだった?
結愛ちゃんに土下座して付き合ってるフリでもいいからお願いした方がよかったんじゃない?
「さあちゃん、愛してるよ。さあちゃんのためならなんでもできる。すき♡」
真白はにっこりと笑ってオレの頬に軽くキスをする。
「大好きだよ。可愛いさあちゃん。これからは永遠に僕のもの。だーいすき♡」
「お、おう。」
「裸エプロンも男の夢だっていうから、さあちゃんのために頑張っちゃった♡」
ついつい、目が泳いでしまう。ちょっと違う。
たしかにこいつはオレのためならなんでもしてきた。
でもそれってほんとにオレのため?
ねえ、ほんとにオレのため?
もしかして、おれって、おれって、こいつに囲い込まれてなかった?
結局、真白の思う壺に落っこっちゃってない?
「さ、温かいご飯ができてるよ。さあちゃんの好物ばかりつくっちゃった。今日はお祝いだしね。ふ・た・り・の♡」
やたらとハイテンションな真白の後からもぞもぞと体を起こす。
まあ、仕方ない。
とりあえず、飯だ。
腹が減ってはなんとやら、だ。
テーブルの向こうで嬉しそうに飯を盛る真白を見て思う。
ま、可愛い女の子じゃないってことは、諦めよう。
どうせこいつはオレにひっついて離れないだろうし、オレだってまあ、こいつのことが‥‥‥
「はいどうぞ」
湯気を立てたスープ皿がオレの前に置かれる。
オレの好物だ。骨つき鶏とネギをグダグダになるまで煮込んだ手間のかかるやつ。
めっちゃ時間かかるから母ちゃんは滅多に作ってくれなかったんだよな。
口に含むとふわりとしたネギの甘みと鶏の出汁が効いたスープがとろりと広がる。
(‥‥‥うまい)
真白は嬉しそうにオレを見ている。
オレはバレないようにため息を口の中で押し殺した。
まあ、オレだってこいつのためなら、なんだってできるんだ。
とうとう、エ、エッチまでしたんだからな?
しかもオレが下で!!
まあ、真白を抱けるかって言われたら、ちょっと自信ないけどさあ。
「うまいな。さすが真白だな」
オレが微笑むと、真白の顔に満面の笑みが広がる。
「明日も、あさってもその先も、ずーっと一緒にいようね」
「‥‥‥ん」
目の前に広がる食卓には重すぎる真白の愛が広がっていた。
つやつやした炊きたてご飯にネギと鶏のスープ。
ハンバーグに豚バラの角煮、卵焼きにサラダ。ついでにコロッケまである。
なかなか、肉肉しくてがっつりしたメニューだな。朝から。
でも、オレの好物を並べた真白の気持ちはひしひしと伝わってくる。
一食食うたびに真白特製の体になっていくんだろうか。
それはそれで、なんか、どうなんだろ?
なんだか、大手を振って、それでいい!!って思えないぞ?
それともそのうち心が決まるのか?
お前のためなら、ってのは人体改造まで含まれるのか?
それって、みんなそうなの??
ほんとにほんと?
‥‥‥そうとは思えない。
いや、どうかな。経験不足のせいか判断できない。
顔を上げると真白がニコニコと幸せそうに笑っていた。
この笑顔には弱い。
オレは顔の筋肉を動かして無理やりに笑顔を作って見せた。
ますます嬉しそうに笑う真白を見るとオレの胸がどきりと大きな音を立てる。
仕方ない。お前を好きだって認めるよ。
ただなあ、お前のためならなんでもできるとまではまだ言い切れない。
もうちょっとだけ時間をくれよ。
そうすれば、答えは自然に出てくるだろう。
でもまだ今日のところは、(仮)ってつけといてくれよな。
な、いいだろ?真白。
オレはハンバーグに箸をぶっ刺して猛然と食べ始めた。
きっといい日になるだろう。
おしまい。
***************************************************
ここまでたどり着いていただきまして、ありがとうございました!!
(多分いいことありますよ。善行賞で(笑))
少しでもお楽しみいただけていたら幸いです!!
よろしければ、また次回作でお会いできますことを願っています。
藍音 拝
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