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1 聖女開眼
15 攻略対象! 騎士団長の息子 ジョセフ・ブラウン
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「あー疲れた~~」
いや、異世界人の私にはお嬢様ごっこは向いてないや。
オーダーメイドって大変。
午前中ずーっと立ちっぱなしで足が痛い。
何箇所採寸されたのかわからないくらい細かく採寸された。
身体中で50箇所以上採寸された気がする。
こんなに細かく採寸したら少しでも太ったら着られないじゃない?
サイズってSMLだけじゃないんだね。
服なんて、普通に店にぶら下がってたり、ネットでポチッってやつじゃない?フツー。
でも、仕立て屋のマダムにはへらへら作り笑いを浮かべながらありがたく採寸してもらった。
表情筋が筋肉痛になりそう。
ご機嫌を損ねたら二度と作ってもらえなくなる気がしたからさ。
腕のいいデザイナーに仕立ててもらうのは大変なんだって。
やっと仕立て屋のマダムから解放された時には昼の12時をまわっていた。
とりあえず、逃げよう。
屋敷から離れて湖へ向かう。
(う~ん、清々しいわ~~)
湖畔で思いっきり新鮮な空気を吸い込む。
リフレッシュってこういうことだよね!
痛む足を休めようと、木陰にゴロンと寝転がった。
貴族のお嬢様って、楽じゃないんだなあ。
勉強もたくさんしないといけないし、家族関係希薄だし。
希薄ならまだマシか。ひどく殴られた記憶に身がすくむ。
(もう、殴られないといいんだけど‥‥‥)
あのおっかない男爵夫人の専属侍女が男爵の命令に従ってくれることが、今一番の願いかもしれない。
とりあえず、顔を合わせないようにしよう。
危険には近寄らない。これ大事。
とりあえず、今は、嫌なことを考えたくない。
湖の清涼な空気と頬をくすぐるそよ風のことだけを考えよう。
私は専属侍女を頭から追い払い、そっと目を閉じた。
遠くから鳥の囀りが聞こえてくる。
ああ、穏やかだなあ‥‥‥すーーーー
「た、助けてくれーーー!!!」
叫び声で目が覚めた。うっかり眠っていたみたい。
(ん?誰かが助けてくれって言った?)
「誰か、助けてくれーーー!!!」
(うわ、間違いない!!)
慌ててあたりを見回すと、湖の中で水しぶきが立っている。
近くまで走り寄ると、飛沫の中で必死に手を振る人の姿が見えた。
手が小さいけど、子ども?溺れてる!!??
「今、助けに行くわ!!」
大声で叫び、助ける手立てを探した。
な、何か掴むものとか‥‥‥助けるのに使えるようなもの‥‥‥
あった!
ちょうど良いところにボートが繋がれていた。
なんでこんな所に?と一瞬思ったけど、持ち主さんへの説明は後回しにすることにした。
必死にボートを漕いで溺れている子どもに近づく。
オールを子どもに差し伸べ、「手を、出して!掴んで!」と叫ぶ。
「うわああああ」
「落ち着いて、オールを掴んで!!」
「うぎゃああああああ」
「掴んで。引っ張るから!!」
「助けてーーー!!!」
助けらんないよ、このままじゃ!!
なんかもう、これ、ダメ?パニックってこと?
しょうがないなぁ~
まあ、溺れてる人は疲れきるまで待てっていうけどね。
「ていっ!」
軽く、頭をオールでつついてみた。
ちょっと時間短縮で。ほら、長引くと危ないからね?
ぷか~~~
効果抜群。
溺れていた子は仰け反って気を失うと、湖面に浮かび上がった。
よいこは真似しちゃダメだよ?
(ふぅ‥‥‥力抜けば浮くんだって)
溺れて暴れる子どもには、大人の男の人ですら水中に引き込まれると聞いたことがある。
ちょっと、落ち着いてもらわないとね。
子どもにそっと近づいて顔を覗き込んでみる。
男の子みたい。
シャツの襟を掴んで沈まないよう気をつけながら、声をかけた。
「おーい」
男の子は動かない。
(おっかしいなぁ?そんなに強くつついてないよ?)
「おーい、大丈夫ですかぁ~?助けに来たよー」
(帰れるかなぁ?ちょっときついよなぁ?)
この子を掴みながら、ボートを漕ぐ?どうやって?手漕ぎですが?
しかも私子どもだよ?そんな力あるわけない。
無理!何としても起きてもらうよ!
「おい!起きて!起きないと死ぬよ!無理だからね!持ち帰れないからね!頑張って!!」
私は、大きな声で男の子に話しかけた。
でも反応はない。
なんなら、つつく?もう一回、軽く‥‥‥
私が、男の子の身体をそっとオールで突こうとすると、突然、男の子が目を開けた。
「起きた!起きたから!!」
(よし)
妙に必死なのが気になるけど、人命救助だからね?
「じゃ、戻ろう。落ち着いて、ボートに乗って。どうしても服が重いなら、脱いで。捨てるか、私に渡すかして。」
私が静かな声で伝えると、男の子も大分落ち着いてきたようだ。
そのまま男の子はボートのへりからよじ登ろうとしたが、服がへばりついて身動きは取れないし体にまとわりつくしで登れない。
結局、上着とズボンは湖に捨てていくことにした。
まあ、命の方が大事だからね?
「大丈夫?」
「なんとか」
男の子はボートの中で膝を立て身体を縮めて座り込んだ。
安堵と疲れでぐったりしているようだ。
ゆっくりとボートを岸に進める。
途中からは、二人分の体重を乗せたボートを一人に漕がせるのは大変だからと、男の子も手伝ってれた。
陸についた時には、私の体力も限界に近づいていた。
(あー疲れた‥‥もう、動けない‥‥)
「あの‥‥助けてくれて、ありがとう。危ないところだった」
ごろりと倒れ込んだ私に、男の子が遠慮がちに声をかけた。
声のした方に目を向けると、そこには驚くほどの美少年がいた。
(何、この子、まさか、攻略対象者?美形すぎる‥‥‥!!!)
茶色の癖っ毛に茶色の瞳。今はまだ華奢だけど、この顔の5年ぐらい後の成長した姿を想像すれば‥‥‥
「僕はジョセフ・ブラウン。侯爵家の3男だ。助けてくれて、ありがとう」
!!!!
確かに、いた!こいつ表紙にいた!ちょっと幼いけど間違いない!攻略対象者だ!!
いや、異世界人の私にはお嬢様ごっこは向いてないや。
オーダーメイドって大変。
午前中ずーっと立ちっぱなしで足が痛い。
何箇所採寸されたのかわからないくらい細かく採寸された。
身体中で50箇所以上採寸された気がする。
こんなに細かく採寸したら少しでも太ったら着られないじゃない?
サイズってSMLだけじゃないんだね。
服なんて、普通に店にぶら下がってたり、ネットでポチッってやつじゃない?フツー。
でも、仕立て屋のマダムにはへらへら作り笑いを浮かべながらありがたく採寸してもらった。
表情筋が筋肉痛になりそう。
ご機嫌を損ねたら二度と作ってもらえなくなる気がしたからさ。
腕のいいデザイナーに仕立ててもらうのは大変なんだって。
やっと仕立て屋のマダムから解放された時には昼の12時をまわっていた。
とりあえず、逃げよう。
屋敷から離れて湖へ向かう。
(う~ん、清々しいわ~~)
湖畔で思いっきり新鮮な空気を吸い込む。
リフレッシュってこういうことだよね!
痛む足を休めようと、木陰にゴロンと寝転がった。
貴族のお嬢様って、楽じゃないんだなあ。
勉強もたくさんしないといけないし、家族関係希薄だし。
希薄ならまだマシか。ひどく殴られた記憶に身がすくむ。
(もう、殴られないといいんだけど‥‥‥)
あのおっかない男爵夫人の専属侍女が男爵の命令に従ってくれることが、今一番の願いかもしれない。
とりあえず、顔を合わせないようにしよう。
危険には近寄らない。これ大事。
とりあえず、今は、嫌なことを考えたくない。
湖の清涼な空気と頬をくすぐるそよ風のことだけを考えよう。
私は専属侍女を頭から追い払い、そっと目を閉じた。
遠くから鳥の囀りが聞こえてくる。
ああ、穏やかだなあ‥‥‥すーーーー
「た、助けてくれーーー!!!」
叫び声で目が覚めた。うっかり眠っていたみたい。
(ん?誰かが助けてくれって言った?)
「誰か、助けてくれーーー!!!」
(うわ、間違いない!!)
慌ててあたりを見回すと、湖の中で水しぶきが立っている。
近くまで走り寄ると、飛沫の中で必死に手を振る人の姿が見えた。
手が小さいけど、子ども?溺れてる!!??
「今、助けに行くわ!!」
大声で叫び、助ける手立てを探した。
な、何か掴むものとか‥‥‥助けるのに使えるようなもの‥‥‥
あった!
ちょうど良いところにボートが繋がれていた。
なんでこんな所に?と一瞬思ったけど、持ち主さんへの説明は後回しにすることにした。
必死にボートを漕いで溺れている子どもに近づく。
オールを子どもに差し伸べ、「手を、出して!掴んで!」と叫ぶ。
「うわああああ」
「落ち着いて、オールを掴んで!!」
「うぎゃああああああ」
「掴んで。引っ張るから!!」
「助けてーーー!!!」
助けらんないよ、このままじゃ!!
なんかもう、これ、ダメ?パニックってこと?
しょうがないなぁ~
まあ、溺れてる人は疲れきるまで待てっていうけどね。
「ていっ!」
軽く、頭をオールでつついてみた。
ちょっと時間短縮で。ほら、長引くと危ないからね?
ぷか~~~
効果抜群。
溺れていた子は仰け反って気を失うと、湖面に浮かび上がった。
よいこは真似しちゃダメだよ?
(ふぅ‥‥‥力抜けば浮くんだって)
溺れて暴れる子どもには、大人の男の人ですら水中に引き込まれると聞いたことがある。
ちょっと、落ち着いてもらわないとね。
子どもにそっと近づいて顔を覗き込んでみる。
男の子みたい。
シャツの襟を掴んで沈まないよう気をつけながら、声をかけた。
「おーい」
男の子は動かない。
(おっかしいなぁ?そんなに強くつついてないよ?)
「おーい、大丈夫ですかぁ~?助けに来たよー」
(帰れるかなぁ?ちょっときついよなぁ?)
この子を掴みながら、ボートを漕ぐ?どうやって?手漕ぎですが?
しかも私子どもだよ?そんな力あるわけない。
無理!何としても起きてもらうよ!
「おい!起きて!起きないと死ぬよ!無理だからね!持ち帰れないからね!頑張って!!」
私は、大きな声で男の子に話しかけた。
でも反応はない。
なんなら、つつく?もう一回、軽く‥‥‥
私が、男の子の身体をそっとオールで突こうとすると、突然、男の子が目を開けた。
「起きた!起きたから!!」
(よし)
妙に必死なのが気になるけど、人命救助だからね?
「じゃ、戻ろう。落ち着いて、ボートに乗って。どうしても服が重いなら、脱いで。捨てるか、私に渡すかして。」
私が静かな声で伝えると、男の子も大分落ち着いてきたようだ。
そのまま男の子はボートのへりからよじ登ろうとしたが、服がへばりついて身動きは取れないし体にまとわりつくしで登れない。
結局、上着とズボンは湖に捨てていくことにした。
まあ、命の方が大事だからね?
「大丈夫?」
「なんとか」
男の子はボートの中で膝を立て身体を縮めて座り込んだ。
安堵と疲れでぐったりしているようだ。
ゆっくりとボートを岸に進める。
途中からは、二人分の体重を乗せたボートを一人に漕がせるのは大変だからと、男の子も手伝ってれた。
陸についた時には、私の体力も限界に近づいていた。
(あー疲れた‥‥もう、動けない‥‥)
「あの‥‥助けてくれて、ありがとう。危ないところだった」
ごろりと倒れ込んだ私に、男の子が遠慮がちに声をかけた。
声のした方に目を向けると、そこには驚くほどの美少年がいた。
(何、この子、まさか、攻略対象者?美形すぎる‥‥‥!!!)
茶色の癖っ毛に茶色の瞳。今はまだ華奢だけど、この顔の5年ぐらい後の成長した姿を想像すれば‥‥‥
「僕はジョセフ・ブラウン。侯爵家の3男だ。助けてくれて、ありがとう」
!!!!
確かに、いた!こいつ表紙にいた!ちょっと幼いけど間違いない!攻略対象者だ!!
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