そうです。私がヒロインです。羨ましいですか?

藍音

文字の大きさ
119 / 247
3 ヒロインへの道

116 しつけ歌

しおりを挟む
♩マークが付いているとことは、ステラが適当にリズムをつけて歌っています。
そう思って読んでくださいませm(_ _)m

***************************************************

「みんな、ちゅうもーく!!」

私は大きな声で子供達に呼びかけた。

「みんな、ご飯は食べたよね?じゃこの次は何をするのかな?」

子供達はキョトンとしながら私を見ていた。

「スー様、なんで急に張り切ってるの?」
7歳のミミが不思議そうに尋ねる。そ、そんなミもフタもない‥‥‥
私は苦笑しながら続けた。

「次は、顔を洗って歯磨き、お着替えだよね?みんなわかってるかな?」
「しってるもん」
「そんなのしってるー」
「しってるー」

大きい子の言葉を小さい子が真似する。うっ、可愛い。いや、ここは我慢。

「じゃ、毎日のことだから、頑張って自分でやってみようね。助けが必要な小さな子はお手伝いするよ。

♩ごはんをたべたら
 はみがき はみがき
 シュッシュカシューシュッシュカシュー」

私が歌うように節をつけて、歯磨きをするように右手を動かしてみせると、小さな子供たちが真似し始めた。

「シュッシュカシュー、シュッシュカシュー」
「ちゅっちゅかちゅー、ちゅっちゅかちゅー」

舌足らずな声も混じってる。かわいい。
子供達はすっかり楽しくなってきたのか、お尻をフリフリ踊り出した。
短い手を振り回しながら、足を踏み鳴らしている。

「こっちでみんなでシュッシュカシューってしようね」

子供達は、楽しそうに一斉に歯磨きを始めた。

「次は何をするのかな?」
「顔を洗う!」
「かおをありゃう!」

子供たちが元気に答える。
そうだね。

「♩シュッシュカシューが終わったら、
  お次はお顔を洗いましょ。
  おみずで綺麗に洗いましょ。
  パシャパシャお水で洗ったら
  タオルでぽんぽんぽん きもちいい」

さっきと同じように節をつけて歌ってみせると、また子供たちは楽しそうに歌ったり踊ったりしながら顔を洗い始めた。大きな子が小さな子に協力して楽しそうに顔を洗ってあげている。

「みんな、すごいね。上手だね。」
子供達は楽しそうにきゃっきゃと笑っている。
「歯磨き終わってお顔を洗ってお次はなあに?」
私が歌いながら問いかけると、
「お着替え!」
という元気な返事が口々に返ってきた。

「♩言われなくてもできる子、どのこ?
  はみがき はみがき、シュッシュカシュー
  お顔をパシャパシャぽんぽんぽん

 ♩お次はお着替えいたしましょ。
  脱いだら綺麗にたたもうね。
  パタパタパタってたたもうね」

「はあい」
「はあい」

元気な声でお返事すると、子供達は自分の戸棚に走って行って着替え始めた。
2、3歳の小さな子は一人では難しいみたい。
そばに行ってお手伝いをしていると、デボラが戻ってきた。

「お嬢様、何か魔法でも使ったんですか?いつもここまでさせるのに駄々をこねたり走り回ったりしてもっと時間がかかってるんですよ」
「本当ですか?みんないいこでしたよ?」
「朝のこの時間は私一人なので、いつも大変なんです。もう少しすると通いの手伝いがくるので、なんとかなるんですけどね」
「そうですか。うーん、もしかして、歌って聞かせたからかな?」
「歌?」
デボラがぽかんとした顔で聞き返した。
「歌ってなんですか?」
「え?こういうの」
私は、さっき子供達に歌ってみせた即興の歌をもう一度歌ってみせた。

「♩ごはんをたべたら
  はみがき はみがき
  シュッシュカシューシュッシュカシュー」

「ステラ、ストップ」

後ろから声がかかった。

「セオドア?」
「心配して様子を見にきたら、やっぱりやらかしてるね」
「何が?」
「歌は、教会で禁止されてるんだから、子供に教えちゃダメでしょ」
「え?そうなの?」
「そうだよ。そういえばずっと前にもそんなこと言ってたよね」

そういえばそうだった。初めて一緒に王都の街に遊びに言った時に歌がないから教会に尋ねに行ったことがあったっけ。そのあと教会が光り輝いて大騒ぎになっちゃったからすっかり忘れてた。

「だって、こどもに歯磨きとか顔を洗うための歌を教えて何が悪いのよ」
「教会で禁止してるからでしょ。子供たちが外でうたを歌ったら、罰を受けることになるから」
「えっ、罰?」
「よくて罰金、悪くて孤児院取り潰しとか?いいことはないよ?」
「なんでよ」
「だから禁止してるからだって、教会が。不満があるなら聖女なんだから変えさせたら?」
「変えさせる?」
「そう」
「聖女だから?」
「だって、聖女だから影響力あるんじゃないの?」
「‥‥‥」

聖女だから、影響力がある?‥‥‥影響力がある?聖女だから?

「それだ!」
私は急に目の前が開けた気がして、思わず、大声を出してしまった。
「はあ?」セオが怪訝な顔をしている。

「それだよ、セオドア!あんたってやっぱり最高!!」
思わずセオドアに抱きついた。
「うわっ、いきなりなんだよ、ステラ。はしゃいだ犬みたいなやつだな」
「ありがとーセオ!!」


**************************************************
ぎりぎりセーフ!なんとか更新できました!よかった。
綱渡りですが、頑張ります。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…

ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。 一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。 そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。 読んでいただけると嬉しいです。 2/26 番外編を投稿しました。 読んでいただけると嬉しいです。 思っていたよりずっとたくさん読んでいただいていてとても嬉しいです。 とてもとてもありがとうございます!!   

逆行令嬢は聖女を辞退します

仲室日月奈
恋愛
――ああ、神様。もしも生まれ変わるなら、人並みの幸せを。 死ぬ間際に転生後の望みを心の中でつぶやき、倒れた後。目を開けると、三年前の自室にいました。しかも、今日は神殿から一行がやってきて「聖女としてお出迎え」する日ですって? 聖女なんてお断りです!

王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~

しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。 豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。 ――食事が、冷めているのだ。 どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。 「温かいごはんが食べたい」 そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。 地下厨房からの高速搬送。 専用レーンを爆走するカートメイド。 扉の開閉に命をかけるオープナー。 ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!? 温かさは、ホッとさせてくれる。 それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。 冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、 食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ! -

今更困りますわね、廃妃の私に戻ってきて欲しいだなんて

nanahi
恋愛
陰謀により廃妃となったカーラ。最愛の王と会えないまま、ランダム転送により異世界【日本国】へ流罪となる。ところがある日、元の世界から迎えの使者がやって来た。盾の神獣の加護を受けるカーラがいなくなったことで、王国の守りの力が弱まり、凶悪モンスターが大繁殖。王国を救うため、カーラに戻ってきてほしいと言うのだ。カーラは日本の便利グッズを手にチート能力でモンスターと戦うのだが…

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

処理中です...