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4 決戦
213 人身売買の真相
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「一体なぜこのような噂を立てられることになったのか。正直わかりません。憶測でしかありません。ただ、我が家門に対する強い悪意を感じております」
とうさまが再び反論を開始した。
「我が妻が親を失った子供や事情があって育てられなくなった子供を預かり、養育しているのは事実でございます。
子供たちに、服、食事、住むところを与え、教育を施しています。
それが全てです。
もちろん、子供達を永遠に養うことはできません。
成長した子供達に勤め先を斡旋しているのは事実です。
良い雇い人を紹介してくれたと、謝金をいただくこともありますが、ほんのわずかです。
その謝金はその時に養育している子供達の食費や衣料費、学用品などに使わせていただいています。
子供を渡す見返りとしてお金をもらうなど考えたこともありません。
ただ、孤児院にご寄付をいただくことはあります。それをお礼だとおっしゃる方もいらっしゃいます。
全て帳簿につけてあります。こちらにお持ちしました。
お伺いいたします。
自ら生きるすべを持たない子供達を養育し、教育し、勤め先を吟味して斡旋することが人身売買に当たるのでしょうか。
そこを巣立った子供が、小さな子供達に食べさせたいとわずかな賃金から菓子を差し入れしていることが搾取に当たるのでしょうか。
どこをお調べいただいても後ろ暗いところなどありません。正々堂々と戦います。我が妻はそのような卑怯な行為に加担したと証拠をお示しください。
必ず、それが捏造であり中傷であると証明してみせます」
とうさまの迫力に、フォーク公はタジタジとなっている。
そもそも証拠があるのだろうか。
「証人がおりますので」
フォーク公が言うと、一人の少女が部屋の中に招き入れられた。
あの子は・・・以前、ヴィー様の施設で見かけた覚えがある。
12歳ぐらいの少女が部屋の中央に立った。
その子は粗末な綿の服に身を包み、怯えたように周りを見回している。
「ミーシャ、怖がらなくていいんだよ。本当のことをお話ししなさい」
フォーク公が優しげな声を出すとその子は口を開こうとした。
でも、声が出ない。
そりゃそうだ。国王陛下やこんなお偉方がたくさんいるところで、話なんてできるわけない。
「ミーシャ、お前は、ディライト男爵夫人の運営する孤児院の出身と聞いたが」
「はい、そうでございます旦那様」蚊の鳴くような声。やっと振り絞ったような声が響いた。
「お前は、孤児院から売られたと聞いたが?」
「はい・・・そうです。私を売って男爵夫人様はお金を手に入れたと聞いております。そのお金は聖女様が王家にお輿入れするときの支度金としてお使いになると。そのため、わたしの代金を値切ると、神罰が下ると言われた、とも聞いております。」
「なんと!なんとまあ。このような子供を売り払い、聖女の輿入れの資金にするとは・・嘆かわしいとはお思いになりませんか?」
フォーク公が大仰とも言うべき態度で反応した。
「事実無根です!」
とうさまが大きな声で反論した。
「ミーシャ、お前は恩を仇で返すのか。お前を引き取り大切に養育した妻を侮辱するのか」
ミーシャは顔を伏せてしまった。
「すみません・・・」
小さな声で言うと、そのまま、静かに涙を流し始めた。
「徹底した調査をお願いいたします。全くの事実無根の中傷です。どうか賢明にご判断ください」
とうさまが必死で反論する。
「ふむ・・・筋は通っておるし、どうしたらいいのか。後日調査とするべきか」
宰相様は顎に手を当てて考え始めた。
私は女の子をじっと見た。
この子から伝わってくるのは・・・戸惑いと悲しみ・・・罪悪感?
「ミーシャ?あなた・・・本当のことをお言いなさい。誰にも気を使う必要はありません。もちろん、私にも、とう様にもヴィー様にも。本当のことだけをお言いなさい。それがあなたの心を守ることですよ」
私がミーシャに声をかけると、ミーシャは突然泣き出した。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・恩のある奥様を陥れるようなこと・・・でも私のお給金では、病気のかあさんに薬を届けることができなくて・・・私の母は病気で私を育てることができなくなってしまいました。神父様が奥様の孤児院をご紹介くださって一年ほどお世話になったのですが、今年住み込みの仕事を斡旋していただき、孤児院をでました。その時に、雇い主の方が、どうお礼をしようかと話していらっしゃったのを聞きました。それだけです。お金のことは聞いてません」
ミーシャはボロボロと泣きながらしゃくりあげた。
「お母さんが・・・私のお母さんをお医者さんに見てもらいたくて・・・ここで証言すればいいと台本をもらいました。ごめんなさい、男爵様、奥様、お嬢様・・・」
フォーク公を見ると、呆然としていた。
その顔には「まさか」と書いてある。
そのまさかはどっち?
まさか裏切られるとは?まさか捏造だとは知らなかった?
「そ、そんなはずは・・確かに間違い無いと聞いたのに」
驚愕しているその表情から、誰もがフォーク公が騙されていたらしいと悟った。
ただ、責任のある方だから騙されていたから許されるってもんでは無いけどね。
とうさまが再び反論を開始した。
「我が妻が親を失った子供や事情があって育てられなくなった子供を預かり、養育しているのは事実でございます。
子供たちに、服、食事、住むところを与え、教育を施しています。
それが全てです。
もちろん、子供達を永遠に養うことはできません。
成長した子供達に勤め先を斡旋しているのは事実です。
良い雇い人を紹介してくれたと、謝金をいただくこともありますが、ほんのわずかです。
その謝金はその時に養育している子供達の食費や衣料費、学用品などに使わせていただいています。
子供を渡す見返りとしてお金をもらうなど考えたこともありません。
ただ、孤児院にご寄付をいただくことはあります。それをお礼だとおっしゃる方もいらっしゃいます。
全て帳簿につけてあります。こちらにお持ちしました。
お伺いいたします。
自ら生きるすべを持たない子供達を養育し、教育し、勤め先を吟味して斡旋することが人身売買に当たるのでしょうか。
そこを巣立った子供が、小さな子供達に食べさせたいとわずかな賃金から菓子を差し入れしていることが搾取に当たるのでしょうか。
どこをお調べいただいても後ろ暗いところなどありません。正々堂々と戦います。我が妻はそのような卑怯な行為に加担したと証拠をお示しください。
必ず、それが捏造であり中傷であると証明してみせます」
とうさまの迫力に、フォーク公はタジタジとなっている。
そもそも証拠があるのだろうか。
「証人がおりますので」
フォーク公が言うと、一人の少女が部屋の中に招き入れられた。
あの子は・・・以前、ヴィー様の施設で見かけた覚えがある。
12歳ぐらいの少女が部屋の中央に立った。
その子は粗末な綿の服に身を包み、怯えたように周りを見回している。
「ミーシャ、怖がらなくていいんだよ。本当のことをお話ししなさい」
フォーク公が優しげな声を出すとその子は口を開こうとした。
でも、声が出ない。
そりゃそうだ。国王陛下やこんなお偉方がたくさんいるところで、話なんてできるわけない。
「ミーシャ、お前は、ディライト男爵夫人の運営する孤児院の出身と聞いたが」
「はい、そうでございます旦那様」蚊の鳴くような声。やっと振り絞ったような声が響いた。
「お前は、孤児院から売られたと聞いたが?」
「はい・・・そうです。私を売って男爵夫人様はお金を手に入れたと聞いております。そのお金は聖女様が王家にお輿入れするときの支度金としてお使いになると。そのため、わたしの代金を値切ると、神罰が下ると言われた、とも聞いております。」
「なんと!なんとまあ。このような子供を売り払い、聖女の輿入れの資金にするとは・・嘆かわしいとはお思いになりませんか?」
フォーク公が大仰とも言うべき態度で反応した。
「事実無根です!」
とうさまが大きな声で反論した。
「ミーシャ、お前は恩を仇で返すのか。お前を引き取り大切に養育した妻を侮辱するのか」
ミーシャは顔を伏せてしまった。
「すみません・・・」
小さな声で言うと、そのまま、静かに涙を流し始めた。
「徹底した調査をお願いいたします。全くの事実無根の中傷です。どうか賢明にご判断ください」
とうさまが必死で反論する。
「ふむ・・・筋は通っておるし、どうしたらいいのか。後日調査とするべきか」
宰相様は顎に手を当てて考え始めた。
私は女の子をじっと見た。
この子から伝わってくるのは・・・戸惑いと悲しみ・・・罪悪感?
「ミーシャ?あなた・・・本当のことをお言いなさい。誰にも気を使う必要はありません。もちろん、私にも、とう様にもヴィー様にも。本当のことだけをお言いなさい。それがあなたの心を守ることですよ」
私がミーシャに声をかけると、ミーシャは突然泣き出した。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・恩のある奥様を陥れるようなこと・・・でも私のお給金では、病気のかあさんに薬を届けることができなくて・・・私の母は病気で私を育てることができなくなってしまいました。神父様が奥様の孤児院をご紹介くださって一年ほどお世話になったのですが、今年住み込みの仕事を斡旋していただき、孤児院をでました。その時に、雇い主の方が、どうお礼をしようかと話していらっしゃったのを聞きました。それだけです。お金のことは聞いてません」
ミーシャはボロボロと泣きながらしゃくりあげた。
「お母さんが・・・私のお母さんをお医者さんに見てもらいたくて・・・ここで証言すればいいと台本をもらいました。ごめんなさい、男爵様、奥様、お嬢様・・・」
フォーク公を見ると、呆然としていた。
その顔には「まさか」と書いてある。
そのまさかはどっち?
まさか裏切られるとは?まさか捏造だとは知らなかった?
「そ、そんなはずは・・確かに間違い無いと聞いたのに」
驚愕しているその表情から、誰もがフォーク公が騙されていたらしいと悟った。
ただ、責任のある方だから騙されていたから許されるってもんでは無いけどね。
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