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6 後日譚
241 ジョセフ、男爵領の人々、第二王子ライアン
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ジョセフは学園を卒業した後、騎士団には入らず、旅に出た。
しばらく冒険者でもやろうかなと笑っていた。
私が力を入れすぎたせいで、半人半聖になってしまったジョセフは、長いこと白亜の塔で静養していた。人の心や考えが流れ込み、ただの人として生まれたジョセフには激しい苦痛をもたらされることになった。
なんとか学園は卒業したけど、騎士団で務めるのは無理だと判断したそう。
自分で決めた道だからと笑うジョセフには申し訳なさしかなかった。
それから、長いことジョセフには会っていない。
たまに思い出したように、見知らぬ風景を写した絵葉書が届く。
そこには、ほんの一言か二言だけ。他には何もない。
でも、それだけで、十分。
月があたりを照らす夜。ジョセフを思い出す。
いつか、あなたに幸せが訪れますように。この夜があなたに優しく降り注ぎますように。それだけを願う。
とうさまとヴィー様の間には友情が芽生えた。
子供達や領民のために尽力するヴィー様の姿を見ていて、とうさまの考えも変わってきたみたい。とうさまはまだおかあさんのことを愛しているし、時折私たちが住んでいた家を訪れているみたい。でも、ヴィー様も少女から大人になり、そんなとうさまを包み込むように愛してくれている。その優しさに触れ、いつしか二人の間に穏やかな愛が育っていくのかもしれない。
そうなった時のために私も心の準備をしておかないとね。とうさまはおかあさんを裏切ったわけじゃない、忘れたわけでもない。でも人生は一人で生きるには長すぎる。人生の秋をともに歩く人がいてもいい。むしろ一緒にはいてあげられないからこそ、とうさまにそういう人がいれば私も安心できる。
それがヴィー様ならもっといい。
セオドアは相変わらずで、美貌を保ちながら男爵家の跡取り修行をしている。
でもそれは表向き。
仮面の歌手として、劇場で歌っているのを知っている。というか、ハル様の影の方に教えてもらった。こっそりと劇場に聞きに行ってあまりのうまさにびっくり。いつからこんなに歌がうまかったの?って聞いたら、昔からだよって。禁止されていたからおおっぴらにはできなかったけどねって。歌を解放してくれてありがとうって、感謝までされちゃった。
本当はもっと歌を極めたい気持ちもあるけど、領民への責任もあるしね、とセオドア。
ヴィー様ととうさまが上手く行って、跡取りが生まれることを期待しているのはセオが一番かもしれない。
第二王子 ライアン殿下はまたふらりと王宮をでて、辺境に出没したり、国外を外遊したりしているらしい。
「私にできないことを代わりにやってくれているんだよ」とハル様が言っていた。
実は、二人は幼い頃こっそりと遊ぶほど仲が良かったんだって。
母親が違うので、住んでいる屋敷は違ったけど、偶然王宮の図書館で出会ってから話をするようになっていったとか。
機械のようなハル様にめげず、明るいライ様がまとわりついてきていつの間にかそのペースに巻き込まれていたそう。
ハル様が王太子という尊い身分のため、自由が制限されると知ってから、「俺が兄上の目になる」を口癖にあちこち放浪しては色々な情報を送ってくれていたんだって。
一応病弱で外には出られないという建前(そういえば、学園には一度も来なかった)けど、本当はあちこち飛び歩いていたみたい。本人の性分も多分にはあるがな、とハル様は笑っていた。
その笑顔は、弟が持つ自由への憧れを含んでいたように思う。
しばらく冒険者でもやろうかなと笑っていた。
私が力を入れすぎたせいで、半人半聖になってしまったジョセフは、長いこと白亜の塔で静養していた。人の心や考えが流れ込み、ただの人として生まれたジョセフには激しい苦痛をもたらされることになった。
なんとか学園は卒業したけど、騎士団で務めるのは無理だと判断したそう。
自分で決めた道だからと笑うジョセフには申し訳なさしかなかった。
それから、長いことジョセフには会っていない。
たまに思い出したように、見知らぬ風景を写した絵葉書が届く。
そこには、ほんの一言か二言だけ。他には何もない。
でも、それだけで、十分。
月があたりを照らす夜。ジョセフを思い出す。
いつか、あなたに幸せが訪れますように。この夜があなたに優しく降り注ぎますように。それだけを願う。
とうさまとヴィー様の間には友情が芽生えた。
子供達や領民のために尽力するヴィー様の姿を見ていて、とうさまの考えも変わってきたみたい。とうさまはまだおかあさんのことを愛しているし、時折私たちが住んでいた家を訪れているみたい。でも、ヴィー様も少女から大人になり、そんなとうさまを包み込むように愛してくれている。その優しさに触れ、いつしか二人の間に穏やかな愛が育っていくのかもしれない。
そうなった時のために私も心の準備をしておかないとね。とうさまはおかあさんを裏切ったわけじゃない、忘れたわけでもない。でも人生は一人で生きるには長すぎる。人生の秋をともに歩く人がいてもいい。むしろ一緒にはいてあげられないからこそ、とうさまにそういう人がいれば私も安心できる。
それがヴィー様ならもっといい。
セオドアは相変わらずで、美貌を保ちながら男爵家の跡取り修行をしている。
でもそれは表向き。
仮面の歌手として、劇場で歌っているのを知っている。というか、ハル様の影の方に教えてもらった。こっそりと劇場に聞きに行ってあまりのうまさにびっくり。いつからこんなに歌がうまかったの?って聞いたら、昔からだよって。禁止されていたからおおっぴらにはできなかったけどねって。歌を解放してくれてありがとうって、感謝までされちゃった。
本当はもっと歌を極めたい気持ちもあるけど、領民への責任もあるしね、とセオドア。
ヴィー様ととうさまが上手く行って、跡取りが生まれることを期待しているのはセオが一番かもしれない。
第二王子 ライアン殿下はまたふらりと王宮をでて、辺境に出没したり、国外を外遊したりしているらしい。
「私にできないことを代わりにやってくれているんだよ」とハル様が言っていた。
実は、二人は幼い頃こっそりと遊ぶほど仲が良かったんだって。
母親が違うので、住んでいる屋敷は違ったけど、偶然王宮の図書館で出会ってから話をするようになっていったとか。
機械のようなハル様にめげず、明るいライ様がまとわりついてきていつの間にかそのペースに巻き込まれていたそう。
ハル様が王太子という尊い身分のため、自由が制限されると知ってから、「俺が兄上の目になる」を口癖にあちこち放浪しては色々な情報を送ってくれていたんだって。
一応病弱で外には出られないという建前(そういえば、学園には一度も来なかった)けど、本当はあちこち飛び歩いていたみたい。本人の性分も多分にはあるがな、とハル様は笑っていた。
その笑顔は、弟が持つ自由への憧れを含んでいたように思う。
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