91 / 103
90
しおりを挟む
「なぁ…話があるんだが」
用事を済ませて帰ってきた二人に話をする。ちゃんと話をしないと俺がぶっ壊れる。
「どうした?俺とSEXの予約か?」
ったく…こんな時に冗談なんて言うんじゃねぇよ。
翔…和也っ…。あぁ…嫌だっ…絶対離れたくないし離したくない俺の大事な存在…。
「俺もうエッチしねぇよ。めんどくせぇ。何かあるとSEX SEXってうるせぇんだよ。だから前に戻ろうぜ?別に親公認だからって離れる事だってあるだろ?」
「「は?」」
今まで笑っていた二人が真顔になってこちらを見てくる。俺が我慢すれば二人は幸せになる。もう嫌なんだ…。何で俺は男なんだ。女になりてぇよ。
「は?じゃねぇんだよ。じゃあ話は終わりな…俺寝るから」
二人を無視して部屋に戻る。勝手に入ってこない様に鍵を掛けて扉に背を預け崩れ落ちる。
「っ…ふっ…はっ…」
ぶっ壊れた感情で泣けなくなっていたと思ったのに俺は泣いていた。でも言ったことに後悔は無い。将来の幸せは絶対この選択が正解と言っている。
今日は泣きじゃくり明日からまた友人として二人を支えて行こう…。
翔視点
バタン。剛が扉を閉めて部屋に戻っていく。今さっきあいつはなんて言った?俺の耳がおかしくなったのか?
「剛今なんて言ったか分かったか?」
思わず和也に聞いてしまう。和也も固まって俺をガン見している。ああ…こいつも分かってねぇな。
「っ…」
和也がいきなり立ち上がり剛の部屋の扉をドンドン叩いて叫んでいる。
「ぶざけんじゃねぇ!いきなり何言ってんだっ!剛っ!出てこいっ!まだ話終わってねぇだろうが!」
和也の怪力をドアは吸収してビクともしない…。剛に何があったんだ?昨日は俺の母さんと話をして認められて良かったと話をしていたのに…何が?
ピピピッ。
その時俺のスマホが点滅して着信を知らせてくる。
「はい…」
『翔か?今日の仕事ご苦労だったな。それで今度の日曜日香奈美さんと結納するからそのつもりで準備しなさい』
「は?ちょっと待ってくれよっ!親父っ!」
『何か問題があるか?来年18になったら結婚して子供を作って貰わないとな…分かっていただろ?ちゃんと剛くんには話をしたぞ?』
言葉が出ない…剛と話をしただと?それじゃあ…あのクソ女と俺が結婚すると言ったのか?しかし何故?剛のとの事がバレた?…クソッ母さんか。
「嫌です。俺は香奈美さんとは結婚しないと何回も言ってます」
『それがまかり通るか?バカでも分かるだろ。お前自分の下に何人の社員が居るか分かってるか?今やってる仕事を何人とやってる?いい加減眼を覚ませ』
ドキリとした。そんな…こんなに早く…終わってしまうのか?俺達三人は常にこれからも一緒にいるハズだろ?
俺の返事を聞かないで親父が電話を切った。何故か眼が熱い。前が見えない…。
「おいっ!翔大丈夫か?」
扉と戦っていた和也が俺に気付いて近づいてくる。親の力はこんなにも強いのか?俺一人では二人を守れないのか?どうしたらいい?
剛も考えたのか?子供…。クソッ俺は子供何ていらねぇのに。
「親父に…バレた…。多分剛が一人で居る時にこの部屋きて話をしたんだっ…クソッ」
「何だって?だから剛のあの態度か…どうする?」
「どうするも何にも出来ねぇ…俺日曜日に結納って言われた…」
「は?マジかよっ!クソがっ!ああっ!頭が動かねぇ…」
和也が眼の前で頭を抱えている。多分母さんは親父を止めるために頑張って説得しただろう…それでも話がこんなに進んでるなら…。もう無理なのか?嫌だ…絶対剛を離したくない。
家を出るか?ダメだ。会社に深く関わってしまった…離れることは出来ない。
今までに無い感情で涙が止まらない…。苦しい。同じく泣きながら和也が俺を抱きしめてくれる。でも一人足りない…。二人だとダメなのだ。三人じゃ無いとダメなんだ。
少し時間が経って俺は気づく。何にも出来ない高校生の出す答え何て決まってんだろうな…。分かってんだよ。
「和也…すまねぇ…俺と友人として過ごしてくれよ」
「は?俺は嫌だぞっ!お前らがそんな腑抜けだと思わなかった!ふざけるな…絶対っ…俺は絶対諦めねえから
」
俺を抱きしめていた腕を離し和也も部屋に行ってしまった。
たった一人の言葉で三人の気持ちがグチャグチャになってしまった。
未だに流れ出る涙を拭いもせず俺は自分の部屋に戻る。
何にもやる気が出ない。ぶっちゃけ友達に戻ってとして話なんて出来るわけない。このまま…終わるんだろうな…。
親父に何も勝てない俺の不甲斐なさを感じながら俺は眼を瞑る。
用事を済ませて帰ってきた二人に話をする。ちゃんと話をしないと俺がぶっ壊れる。
「どうした?俺とSEXの予約か?」
ったく…こんな時に冗談なんて言うんじゃねぇよ。
翔…和也っ…。あぁ…嫌だっ…絶対離れたくないし離したくない俺の大事な存在…。
「俺もうエッチしねぇよ。めんどくせぇ。何かあるとSEX SEXってうるせぇんだよ。だから前に戻ろうぜ?別に親公認だからって離れる事だってあるだろ?」
「「は?」」
今まで笑っていた二人が真顔になってこちらを見てくる。俺が我慢すれば二人は幸せになる。もう嫌なんだ…。何で俺は男なんだ。女になりてぇよ。
「は?じゃねぇんだよ。じゃあ話は終わりな…俺寝るから」
二人を無視して部屋に戻る。勝手に入ってこない様に鍵を掛けて扉に背を預け崩れ落ちる。
「っ…ふっ…はっ…」
ぶっ壊れた感情で泣けなくなっていたと思ったのに俺は泣いていた。でも言ったことに後悔は無い。将来の幸せは絶対この選択が正解と言っている。
今日は泣きじゃくり明日からまた友人として二人を支えて行こう…。
翔視点
バタン。剛が扉を閉めて部屋に戻っていく。今さっきあいつはなんて言った?俺の耳がおかしくなったのか?
「剛今なんて言ったか分かったか?」
思わず和也に聞いてしまう。和也も固まって俺をガン見している。ああ…こいつも分かってねぇな。
「っ…」
和也がいきなり立ち上がり剛の部屋の扉をドンドン叩いて叫んでいる。
「ぶざけんじゃねぇ!いきなり何言ってんだっ!剛っ!出てこいっ!まだ話終わってねぇだろうが!」
和也の怪力をドアは吸収してビクともしない…。剛に何があったんだ?昨日は俺の母さんと話をして認められて良かったと話をしていたのに…何が?
ピピピッ。
その時俺のスマホが点滅して着信を知らせてくる。
「はい…」
『翔か?今日の仕事ご苦労だったな。それで今度の日曜日香奈美さんと結納するからそのつもりで準備しなさい』
「は?ちょっと待ってくれよっ!親父っ!」
『何か問題があるか?来年18になったら結婚して子供を作って貰わないとな…分かっていただろ?ちゃんと剛くんには話をしたぞ?』
言葉が出ない…剛と話をしただと?それじゃあ…あのクソ女と俺が結婚すると言ったのか?しかし何故?剛のとの事がバレた?…クソッ母さんか。
「嫌です。俺は香奈美さんとは結婚しないと何回も言ってます」
『それがまかり通るか?バカでも分かるだろ。お前自分の下に何人の社員が居るか分かってるか?今やってる仕事を何人とやってる?いい加減眼を覚ませ』
ドキリとした。そんな…こんなに早く…終わってしまうのか?俺達三人は常にこれからも一緒にいるハズだろ?
俺の返事を聞かないで親父が電話を切った。何故か眼が熱い。前が見えない…。
「おいっ!翔大丈夫か?」
扉と戦っていた和也が俺に気付いて近づいてくる。親の力はこんなにも強いのか?俺一人では二人を守れないのか?どうしたらいい?
剛も考えたのか?子供…。クソッ俺は子供何ていらねぇのに。
「親父に…バレた…。多分剛が一人で居る時にこの部屋きて話をしたんだっ…クソッ」
「何だって?だから剛のあの態度か…どうする?」
「どうするも何にも出来ねぇ…俺日曜日に結納って言われた…」
「は?マジかよっ!クソがっ!ああっ!頭が動かねぇ…」
和也が眼の前で頭を抱えている。多分母さんは親父を止めるために頑張って説得しただろう…それでも話がこんなに進んでるなら…。もう無理なのか?嫌だ…絶対剛を離したくない。
家を出るか?ダメだ。会社に深く関わってしまった…離れることは出来ない。
今までに無い感情で涙が止まらない…。苦しい。同じく泣きながら和也が俺を抱きしめてくれる。でも一人足りない…。二人だとダメなのだ。三人じゃ無いとダメなんだ。
少し時間が経って俺は気づく。何にも出来ない高校生の出す答え何て決まってんだろうな…。分かってんだよ。
「和也…すまねぇ…俺と友人として過ごしてくれよ」
「は?俺は嫌だぞっ!お前らがそんな腑抜けだと思わなかった!ふざけるな…絶対っ…俺は絶対諦めねえから
」
俺を抱きしめていた腕を離し和也も部屋に行ってしまった。
たった一人の言葉で三人の気持ちがグチャグチャになってしまった。
未だに流れ出る涙を拭いもせず俺は自分の部屋に戻る。
何にもやる気が出ない。ぶっちゃけ友達に戻ってとして話なんて出来るわけない。このまま…終わるんだろうな…。
親父に何も勝てない俺の不甲斐なさを感じながら俺は眼を瞑る。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
693
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる