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27. 魔力の塊

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「サファイアはどうなんだ?」

医者は何かを考えているようで、顎の下に手をおいて黙ってしまった。

「…おそらくですが、サファイア様の身体に異なる魔力が流れておりそれが体調不良を起こされているのかと…。多分、御子様の魔力量が多すぎるせいかと…」

やはりそうなのか!

「どうすれば良くなるんだ!」

「それは…魔力量を減らすしかありませんが…しかし、まだお腹の中にいらっしゃる状態での魔力コントロールはしたことがないのです」

そんな…。

じゃあ、どうすればサファイアを苦しみから救ってあげられるんだ…。

あ!そうだよ…忘れてた、お父様から貰ったあのペンダント使えるかもしれない。

僕は急いでペンダントを探して持ってきた。

苦しんでいるサファイアに「ごめんね、少し身体を触るよ」と優しく声をかけながら、ペンダントを首にかけた。

その瞬間、ペンダントが物凄い強い光を帯びたかと思うとサファイアが黒い霧みたいなものに包まれて見えなくなってしまった。

「サファイア!!!」

触ろうとするが、なぜか弾かれてしまい触る事もできない。

どうなっているんだ!

中で何が起きているんだ!

真っ黒なので中で何が起きているのかがまったく見えない…。

しかし、お父様…神様がくれたものなので悪い物ではないと信じたいという思いと、不安が僕の心で揺らいでいた。

あー、こういう時にお父様とすぐに連絡が取れればと思ってしまう。

何分たっただろうか…サファイアが黒い繭状態になってしまってから暫く時間が過ぎたが変化ぎ見られない。

「大丈夫か!?」

扉を凄い勢いで開けて入って来たのは僕の友人のリルだった。

「何だこの魔力の塊は?」

サファイアの黒繭を見るなりリルが呟いた。

黒繭は魔力の塊なのか?

「どうしてこんな事になっているんだ?」

僕は今までの事をリルに話した。

リルは魔法省に勤めるエリートで魔法に関しては詳しい人物だったので来て貰うようにお願いしていたのだ。

「なるほどな…。これは暫くこのままかもしれないな」

「え?中にいるサファイアは大丈夫なのか?」

「おそらく…。たぶん寝ている状態だと思うが…」

ずっとこのまま?

「このまま眠り続けて黒繭のままになるのか?」

サファイアを見ることも出来ないのか!

「いや、子供の魔力量がペンダントにある程度吸収されれば、この状態は解除されると思う」

「それっていつだ」

「俺も詳しい日にちまでは断言できないな…」

「そんな…」

サファイアの寝顔を見ないと寝れないのに…。

サファイア無事でいてね…。

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