秘密の公爵と淑女レッスン

縁 遊

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3. 家族会議

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応接間に行くと家族が集まっていた。

「遅かったな。早く座りなさい」

お父様が部屋に入ってきた私をチラッと見て言った。

「お母さんから聞いてるとは思うが、行儀見習いに行かせる事にした。お前の為にもそれが一番良いだろうと考えたからだ」

お父様は私がソファーに座るとすぐに話を始めた。

何が私にもそれが一番良いんだろうか。

今のままではどうして駄目なの?

「…行きたくないです」

私はお父様の顔を見ないで俯いたまま返答した。

「ミレーナ…お前は今年で大人の仲間入りをする。そんな娘が木に登るなんて貴族社会では笑われるぞ。大人になればしないだろうと甘く考えていたがそれではお前は変わらないと気がついたんだ。お前は変わらなければならないんだ」

どうして?

大人になりたいなんて思わない。

それに、大人が木に登っても別に良いと思うんだけど…。

貴族は窮屈過ぎて嫌いだ。

「私は変わりたくありません…」

また、お父様の顔を見ないで返答した。

どうやらお父様は頭を抱えているみたい。

お兄様達が、心配そうに見ている。

「ミレーナはいずれ結婚しなければいけない。その時に困るから変わらなければいけないんだよ。わかるだろ?」

お父様が何とか私にわからせようとしているのは理解できますけど…。

「…結婚なんて興味ありません」

「ミレーナ…」

何だかんだ言っても私に甘いお父様の事だから、ここまで拒否する私を無理矢理追い出すことはしないだろう。

…と考えていたが、忘れていた…お母様の存在を。

「何を甘えた事を言っているの?貴女を当家で養うなんて無理よ。結婚しないなら貴族を辞めて1人で暮らしなさい」

お母様の冷たい笑顔が恐怖を倍増させています。

「そんな…」

お母様の雰囲気に反論する勇気がありません。

お兄様達の方を見てみると…激怒しているお母様に関わってわいけないと言わんばかりに見てみぬふりです。

いつもは助けてくれるノエルお兄様も今はダメだというような顔を見せています。

私は行儀見習いに行くしかないのかな。

「まあ、エリーナ落ち着いて。そこまで言うとミレーナが可哀想…」

助け船を出してくれたお父様をお母様がすごい顔で睨んでいます。

「そもそも…貴方が甘すぎるのです!今回は絶対に譲りませんよ!」

部屋の空気が凍っています。

もう、ここは私が行きますと言うまでどうにもならないんですね。

本当に嫌だけど…。

「わかりました…行きます」

家族全員がホッとした顔になった。

「ただし、ビリー様が一緒じゃないと嫌です」

  「「「「「はあ~?!」」」」」

家族から疑問の声が揃ってあがる。

「何故ビリー?」

ノエルお兄様、ビリー様は私の心のオアシスなのです。

「行儀見習いに一緒にペットを連れて行くなんて聞いた事がないぞ」

珍しくもっともらしいことを言っていますねアイドお兄様。

「ミレーナらしい…」

私を理解してくれていますねタミルお兄様。

「相手に交渉してみるが…」

お父様はやはり私に優しいですね。

「……ミレーナ…」

あっ、これヤバイかも…お母様の声が震えています。

「いい加減にしなさい!まだお説教足りないようね!」


この後深夜までお母様にお説教されました。

それで、結局どこの家に行かされるの~?!

教えてよ~!






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