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21. やっぱり話します
しおりを挟む「どうしたの、その髪?」
今日はリリル様のダンスレッスンの日。
会って直ぐにリリル様に聞かれた。
目立たないように髪をまとめてきたんだけど…直ぐにバレてしまった。
「え~と、ですね…」
あれからいろいろと考えたが結局まとまらず、魔法もかけ直してもらわなかったのだ。
『ミレーナ、前の姿にもどる。綺麗』
ビリー様、また勝手に話している。
「前の姿…って何の事?」
こうなったら話すしかないかな。
「話せば長くなるのですが…」
私はこれまでの事をリリル様に話した。
ただ1つ、本当に好きな人ができると魔法が解けると言うことは言わなかったけどね。
「…そう、貴女も大変だったのね。で、その時の魔法が解けてしまいそうになっているのね?」
「そうなんです」
リリル様否定せずに普通に話を信じてくれた。
それが、嬉しかった。
「魔法はもう一度やり直すの?」
「…迷っているんです。もう16歳になりましたし、そろそろ終わりにするのも良いかなと思ったりもするんですよね」
「そうなのね…」
「それに、今はリリル様と婚約してますし…前に戻っても大丈夫かなと考えたんです」
口にしてみると、この方が良いように思える。
そうだよね、公爵家の婚約者に手を出す様な人はいないよね。
「キャッ!」
気がつくとリリル様の顔がすぐ近くにあったので思わず声が出てしまった。
「驚かせて、ごめんなさい。話を聞いてたら、元の顔ってどんな感じなのかな~と気になって近くで見ようと…」
「そ、そうなんですね」
2人とも黙ってしまった。
『リリル!ミレーナ綺麗、驚く』
沈黙を破ったのはビリー様だった。
「ビリーちゃん、本当に?」
『ビリー嘘つかない』
何だか聞いたことあるフレーズだな。
「じゃあ、楽しみにしてるわ。私を驚かせてよね」
リリル様が笑顔で私に言った。
「はい。リリル様達には及ばないと思いますが…」
お互いにクスッと笑いあった。
「さあ、レッスンを開始しましょう」
「はい。今日もよろしくお願いします」
ダンスレッスンが始まるとリリル様はいつも通りの鬼コーチだった。
「ちょっと、また足踏んでるわよ」
「はい!すいません」
『ミレーナ、ガンバれ』
ビリー様、心がこもっていませんよ。
「猫背にならない!」
「はい!」
ダンスはなかなか上達しない。
「貴女!まだいましたの?!」
デジャブかな?聞き覚えのある声がした。
「サリハ様…」
リリル様がため息をつくかのように言った。
サリハ様は私を目掛けて一直線にやって来た。
「しかも貴女…リリル様と婚約なさったんですって?この泥棒猫!」
サリハ様の右腕が上に上げられた。
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