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24. これって…
しおりを挟むサリハ様が私とリリル様の婚約の事で感情が高ぶり、魔力暴走をおこした。
レッスン室の中は嵐の様な感じになってしまったがリリル様が私を抱きしめて守ってくれている。
でも、よく考えたらこの状態はサリハ様の感情を余計に刺激するのでは?
そんな事を考えていたらレッスン室内の異常に気がついた執事さんが人を呼んで来てくださり、サリハ様を捕らえた。
魔法で動けなくされているサリハ様は目の焦点が合っていない状態で話しかけても応答がなかった。
「このまま、ご自宅までお送りしてあちらの家の人に事情を説明してきてほしい」
リリル様は執事さんにそう話していた。
「大丈夫だった…ミレーナ。ごめんね、いつも巻き込んでしまって」
リリル様が申し訳なさそうに、また謝ってくる。
「いえ、リリル様の婚約者になると決めた時からこんなこともあるだろうと覚悟していましたから、大丈夫です」
私は自分の胸を叩きながら答えた。
「フフッ…本当に変わった子よね。私ね…いろいろと身辺をスッキリさせたらミレーナに聞いてほしい事があるんだけど…」
イケメンスマイルでリリル様から聞いてほしい事がある…何て凄い気になるんですけど。
「私に聞いてほしい事ですか?」
「そう。ミレーナにしかお願いできない事なのよ」
「私にしかお願いできない事…ですか」
いやいや、モヤモヤが増しましたよ。
何ですか?私にしかできない事って。
リリル様から言われている事って、変わった子だとか、面白い子だとかしか言われていませんよ。
…誰かを笑わせてほしいとか、かな。
でもそれなら、ビリー様の方が良いと思うしな…。
本当に思いつかないよ。
「プッ!ミレーナ百面相してるわよ。何を考えていたの?」
いや、リリル様の言った事が気になっているんですよ。
私は返事もせずにリリル様の顔を見ていた。
「まあ、良いわ。今日はレッスンは中心にしましょう。今日はゆっくりしなさい」
「え?良いんですか」
久しぶりのお休みが思わぬ形で頂けました。
でも、何をしようかな…。
「そうね、せっかくだからお詫びに私が美味しいものでも奢るわ。街にでも行きましょう」
やったー。
美味しいものが食べられる。
「行きます!お願いします」
「じゃあ、着替えてくるから、30分後に玄関でね」
「はい。わかりました」
私も部屋に帰って着替えないとね。
ルンルン気分で部屋に帰ってから気がつきました。
これって…。
デートになるのでは?
一応は婚約者だし、その2人で美味しいものを食べに街に行く…。
これって、デートだよ。
どうしよう…何を着て行けば…って言うか私には女子力なんかありませんけど~。
デートの格好を誰かコーディネートしてください!
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