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43. リリルの戸惑い 〈リリル視点〉
しおりを挟む今日はミレーナをさりげなくピクニックデートに誘うつもりでいる。
この日の為にいろいろと準備してきたんだから失敗は許されないわ。
人気のデザイナーに頼んでさりげないペアルックを用意したり、ピクニック用のお弁当を一流の料理人に頼んだりして頑張ったわ。
ミレーナは鈍感な所があるから気がつかないと思うけどね。
はあ~、緊張するわ…。
何なのこのドキドキは?
用意していたチェックのパンツを履き鏡を見る。
ミレーナ、喜んでくれているかしら…。
着替えて玄関で待っていた。
「似合ってるわ、可愛い…」
想像していたよりはるかに可愛いミレーナが見れたわ。
恥ずかしがっているミレーナは本当に可愛すぎるわね。
2人で気持ちよく馬を走らせて目的地まで来た。
もっとゆっくり走らせた方が良かったわね。
あっという間だった。
乗馬している時のミレーナは生き生きとしていて輝いて見える。
目的地に着いてすぐに準備していたピクニック弁当を食べる事にした。
お弁当を喜んで食べているミレーナの顔を見て私は満足した。
時間をかけて準備した甲斐があったわ~。
そう思っていたら、突然雨が降りだした。
せっかく人が気分良くなっているのに、神様酷いわ。
雨宿りをしようと大きな木の下に走った。
空の色は悪くないから通り雨かしら?
空を眺めているとミレーナの視線を感じた。
見られてる?
そう思いミレーナの方を見ると…。
雨に濡れたせいで服が透けてしまっている。
ミレーナ本人は全然気がついていない様子だわ。
いや…ドキドキしている場合ではないわね。
私は着ていたジャケットをミレーナに掛けた。
ミレーナは自分の服が透けていることにやっと気がついてくれたみたい。
もう、本当に鈍いんだから…。
雨はやはり通り雨だったみたいですぐに止んだ。
その後綺麗な虹が出て2人共声がでてしまった。
問題はその後よ…。
ミレーナが綺麗な虹を背にて私にお礼を言ってきたの。
その時のミレーナの可愛いこと…。
気がついたら抱きしめていたのよ。
そして…。
無意識の内にミレーナに口付けをしようと顔を近づけていた。
ミレーナが目を閉じなかったので、我にかえったのよね…。
本当…自分でもこんなに手が早いとは知らなかったわ。
あれで、ミレーナが目を閉じていたら手を出していたわよ。
恥ずかしくてミレーナには、くしゃみをするふりをして誤魔化したけど…バレてたかしら?
ミレーナは鈍感だから大丈夫よね。
それよりも、自分の自制心を鍛えないといけないわね。
ミレーナに嫌われてしまうわ。
精神鍛練あるのみよ!
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