秘密の公爵と淑女レッスン

縁 遊

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50. 私達らしく

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『ミレーナ、様子変。何あった』

ビリー様…ビリー様に言うと皆さんにバレる可能性があるので絶対に言えません。

まさか…まさかです、この私がリリル様に…。

キャー!!!

思い出したら普通ではいられません。

あれは反則でしたよね。

だって前回はキスされると思ったら、くしゃみだったから、今回もそうだろうと思っていましたよ。

なのに、声を出したまま口を塞がれて目は開いたまま…。

私のファーストキスは終了。

…驚きの表情のまま口づけをされるなんて私らしいというかなんというか。

でも、間近で見たリリル様は綺麗だったな…。

長い睫毛に綺麗な肌、唇も柔らかくて…。

私は自分の唇に触れた。

ここにリリル様の唇が…。

キャー!!!

『ミレーナ、何か変な物食べたか?』

ビリー様失礼な事を言いますね!

『ビリー心配』

心配してくれていたんですね。

「ビリー様大丈夫ですよ。嬉しい事があったので興奮しているだけですから」

自分で言うと恥ずかしいな…。

『良かった』

ビリー様がトコトコと歩いて私の腕にすり寄っている。

私はビリー様を優しく撫でた。

口は悪いけど優しい私の家族。

「いつもありがとうございます」

『ミレーナ大好き』

私の肩にビリー様が乗って私の顔に自分の顔をすり寄せている。

「あら、お邪魔だったかしら?」

急にリリル様が現れた。

「リリル様!」

私はどういう顔をしていいのか分からない。

『リリル邪魔。ビリーとミレーナ愛確認してた』

「そうなの?妬けるわね…」

リリル様が普通にビリー様と話している。

この前のキスを気にしているのは私だけなのかな…。

リリル様は大人ですもんね。

それに比べて私は軽くキスをされただけでキャーキャーと騒いでしまうお子ちゃまですもん。

私は軽く自己嫌悪に陥っていました。

「ミレーナ?」

リリル様の心配そうな声が聞こえます。

一瞬とリリル様を見てまた視線を外します。

「ごめんなさい。この前の事を怒っているの?突然あんな事をしたから…」

『リリル、ミレーナに何した?!』

「ビリーちゃんには秘密よ」

『リリルとビリー友達。何でも話す』

「友達だけどこれは秘密」

『ビリー友達辞める。ミレーナ虐めたな。リリル出ていけ』

ビリー様がリリル様の髪の毛をひっぱったりして部屋から追い出そうとしています。

「ビリー様ダメです!リリル様は悪くないし、虐められていないんです」

『それなら早く言え』

ビリー様はまた、トコトコと歩いて私の元に帰ってきました。

「リリル様は何も悪くないです。私が子供なだけですから…」

リリル様とのファーストキスが色気もなく思っていたのと違う感じで終わっただけ…。

だから、リリル様も私といても普段と変わらないんだ。

「本当に怒ってない?」

「怒ってなんかいません。寧ろ…嬉しかったです」

言い終わる瞬間にはリリル様に抱きしめられていた。

「もう、そういう素直な所が可愛いのよね~。嫌われていなくて良かった、ドキドキしながら部屋に入ったんだから」

リリル様が?

「少しずつで良いから私達のペースで恋人らしくなりましょうね」

リリル様…。

リリル様の優しい瞳が私を見つめながら近づいてくる。

私はゆっくりと目を閉じた。

優しくリリル様の唇が私の唇に重なった。

唇から離れたと思ったら額にもキスをされた。

「愛しているわ…ミレーナ」

「リリル様…」

涙が出てくる。

悲しいのではなく嬉しすぎて泣けるのだ。

幸せでも涙が出ることを知った。

『ミレーナ泣かしたな!』

ビリー様が勘違いしてリリル様を攻撃している。

「違うの!ビリー様!」

「ちょっ、ビリーちゃん絶交よ!」



きっとこれからもこんな笑いあう日をこの人となら過ごして行けるかも。

男らしくも女らしくもない2人だけど、私達は私達らしく生きて行ける。

そんな人に出会えて奇跡だと思う。

結婚なんて興味がないなんて言っていたけどリリル様となら結婚したい。

そう思える。

いつか私のお兄様達にもそんな人が現れると良いな。

その前に私の結婚報告をした時のお兄様達の対応を考えないとリリル様が危ないかもしれない…。

まあ、後で一緒に考えてもらおう。

とりあえずはケンカを止めさせないとね。

「もうリリル様!ビリー様!ケンカはダメです」

私は笑いながら声をかけた。

だって心の中は違う事を思っていたから…。


この素敵な毎日に感謝を!ってね。




これで本編最終回です。

拙い文章を最後まで読んでくださりありがとうございました。

お気に入り登録してくださった方、やる気が出ました。ありがとうございました。

私的にはビリー様はお気に入りのキャラクターなのでまたスピンオフでも書ければと思っています。

















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