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49. また、くしゃみですよね(笑)
しおりを挟む「もう、何なのあの王子!私達の初めての夜会を台無しにしてくれたお礼はかならずしないとね…」
「リリル様それは流石に駄目ですよ。相手は王子様なので罪になりますよ。リリル様が捕まることになると私はどうしたら良いか分かりません…」
リリル様が私の方を向いたかと思うと急に抱きつかれてしまいました。
「なんて可愛いことを言うの!可愛すぎるわ!」
強く抱きしめられて頭をリリル様の大きな手でグリグリと撫でられています。
いくら馬車の中だからといっても流石にスキンシップが激しいかと…。
あの後フェン王子様と踊っていましたが、周りの視線と鳥肌に耐えられなくなりリリル様に助け出されました。
王子様にはまだもう1曲踊ろうよと言われましたが、リリル様が「私の婚約者は疲れている様子なのでこれで失礼させていただきます」と言って馬車に乗せられた。
「全く…あの腹黒王子。続けてダンスを踊ろうとするなんて気が抜けないわ!」
リリル様がプリプリと怒っている。
やっぱり意味があったんだね。
「2回続けて踊ると駄目なんですか?」
リリル様が抱きしめていた手を緩め私の顔を驚きの表情で見た。
「ミレーナ…まさか知らないの?2回踊ると恋人とか婚約者ですって皆に知らせる意味があるのよ!駄目よ他の男と踊るのは!」
そうなんだ…。
あれ?
じゃあ、私はリリル様と3曲続けて踊ったけどそれは大丈夫なのかな?
「リリル様…私達は3曲続けて踊りましたけど、その意味は何ですか?」
リリル様の目が泳いでいます。
さっきまですごく見つめられていたのに…。
気になるじゃないですか。
「リリル様?」
「それは、結婚しますとか…夫婦ですとかって意味があるのよ…」
へぇ~って、感心している場合ではない!
結婚します?!
夫婦?!
知りませんでしたよ!
教えといてくださいよ!
私が顔を赤くして色々と考えていると、リリル様が私の頬に手をあてた。
「…嫌だった?」
リリル様が少し悲しそうな目で私を見ている。
「いえ…嫌ではないですよ」
「ミレーナ、始めは偽りの婚約者をお願いしていたけど、今は貴女と本当の婚約者になりたいと思っているの…。飾らないミレーナの事が好きになっていたのよ。こんな私だけど結婚してくれる?」
私は驚きと嬉しさといろんな感情がマックスになって涙が溢れてしまった。
「泣くほど嫌なの?」
リリル様が両手の指で私の涙をぬぐい取ってくれている。
「違います…。嬉しいんです、嬉し涙です。私もリリル様が好きです。だけど、こんな私で良いのかなとずっと思っていて…それにまさかリリル様に好きになってもらえるなんて…」
涙が止まりません。
「ミレーナ…」
リリル様は再び強く私を抱きしめた。
「それで、返事は…?」
「…私で良ければ喜んで」
私は涙を拭きながらリリル様を見つめた。
リリル様の親指が私の目尻の涙をぬぐう。
近づくリリル様の顔…。
これ知ってます。
この後にくしゃみですよね…と思って少し笑ってしまいました。
するとリリル様が額をコツンとあててきた。
「そろそろ目を閉じないの?」
「え?…」
私が声を出した瞬間…。
リリル様の唇が私の唇に重なりました。
えええええーーー!!!
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