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30. 怒り爆発ですわ
しおりを挟む「ちょっと待って下さい!私は物ではありませんわ!」
コンペに勝ったら私と婚約?
私には何も言わないで決めた後に話す?!
はあ~?何を言っていらっしゃるんでしょうか!
「私は…もう2度と皆様のお顔を見たくありません。失礼しますわ。仕事がありますのでこれ以上はくだらないことで呼び出さないで下さいね!」
皆様を睨みながら口元は笑みを浮かべて凄んで見せた。
「誤解!誤解だよ!待って菫ちゃん!」
有宗さんが部屋の扉の前に立ちふさがりました。
「落ち着いて!ねっ?」
これが落ち着いていられますか?
「人が頑張って仕事をしているのに無理に呼び出されて聞かされたのは…私を賭けの対象にしているということ。本人のいないところでいくらそんな話をされようとも関係ありませんわ。勝手にしてくださってかまいません。ただし、私は皆さんの決めた事に従う気持ちは全くありませんから」
はあはあ…一気にお話しをしたら息がきれましたわ。
「…ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ」
有宗さんが私の肩に触れようとしたのでよけました。
「菫ちゃん…」
「触れないでいただけますか」
私は本当に怒っていますのよ!
「菫ちゃんに嫌われたみたいだね…有宗さん」
ラウル様が私の後ろで笑いながら言っていらっしゃいますが私は貴方にも怒っていますのよ!
「ラウル様!私は貴方の顔も2度と見たくありませんわ」
後ろを振り返りラウル様の顔を見てはっきり言った。
「そうなのですか…なぜ?」
「なぜ?私を賭けの対象にしたのは貴方も同罪ですわ。1人で賭けはできませんからね。もう一度言いますが私は物ではありませんから勝手に商品の様に扱わないでいただきたいと思います。それにお父様!暫く家に帰りませんので呼び出さないでくださいね!それでは失礼いたしますわ」
呆然としている有宗さんを避けて社長室から出た。
不愉快だわ!
この怒りを何にぶつけるべきかしら…。
そうだわ久しぶりにボクササイズにでも行って思いきりサンドバッグを叩いて汗をかくとスッキリするわよね。
とりあえずは橘さんに頼まれた書類を早く済ませてしまいましょう。
営業部に帰ると島岡さんが私の机までやって来て心配そうに聞いてきました。
「社長室に呼び出しって…何だったの?」
何て説明したら一番良いのかしら。
「…えっと、知り合いが来ていたみたいで呼び出されたんです」
嘘は言ってません。
「え…藤堂さんって、あのリンドール社の人と知り合いなの?」
女子社員達の目の色が変わっています。
「嘘!ラウル様と知り合いなの?」
「紹介して欲しいわ!」
え~と、今は仕事中のはずですけど…。
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