神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

縁 遊

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13. 長老さんに聞いてみた

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『長老さんに教えて欲しいことがあるんです』

『何じゃ?』

『人間がいなくなったら捜してくれる所ってありますか?』

『人間?』

『はい。以前の飼い主様を捜そうと思っているんです』

いつもお世話になっている長老さんに嘘をつくのは心苦しいけど、本当のことを話しても、きっと頭がおかしい猫だと思われるだろうから、必死で考えた設定だ。

『この辺に住んでいるのであれば猫のネットワークで捜すことができるが、顔がわからんと無理じゃな』

『そうなんですね。人間はどうやって、失踪したひとを捜しているのですか?』

『人捜しを商売にしている人間がいるから、その人に頼んでいるみたいじゃな』

探偵さんみたいな商売かな?
やっぱり、前世の警察みたいなのはないんだね。

『それと、人間の服がほしいのですけど、何処で手に入りますか?』

『人間の服?何に使うのじゃ?』

私が着ます…なんて言えない。

『元のご主人様に会ったら服をプレゼントしようかと思いまして…』

『人間の服か…そうじゃの~…。』

『この町の西の外れに住んでいるクマナという魔女なら何とかしてくれるかもしれんな』

『魔女さんが住んでいるんですか?』

『不思議な婆さんで、わしらの言葉がわかるんじゃ。人間の相談ならこの辺の猫は西の魔女の所にいくんじゃ』

うわ~。ファンタジーきましたね。
ワクワクしてきたよ。

『明日でよければ、娘のスーに家まで案内させるがどうする?』

やっぱり、優しいね長老さん。

『いつも、ありがとうございます。お願いします』

これで、人間の服問題はどうにかなりそうだね。

『あと、もう一つ聞いていいですか?』

『何じゃ?』

『お月様が満月…真ん丸な形になる日はいつか、わかりますか?』

『月が丸い日…それも魔女に聞いた方が正確なことがわかるんじゃないかい』

そうか!そうだった。

『そうですね。長老さん、いろいろと教えて貰ってありがとうございました』

何か、ちょっと胸のつかえが取れた様な気がするよ。

ここは、昨日ご主人様に阻止されて、できなかったモフモフタイムでもっと元気になろう。


ザジさ~ん!


ゲッ!何してるの?私のモフモフ様に…。

リル…早く帰れ!

私はリルさんが、ザジさんをモフモフしている現場に来てしまいました。

私のザジさんを返せ!

向こうも気づいたようで、私を見てニヤリとわらっている。

何だかムカツクんですけど!

「悪いなサファイア、俺の方が早くザジをみつけたんだ。何ならお前も一緒に撫でてやるから、ここに来い」

やだよ。誰が行くか。

私がリルさんをジーと睨んでいたらザジさんが

『サファイアちゃん、大丈夫?昨日は来なかったら心配してたのよ』

って、心配して私の方に来てくれた。

ザジさん優しくて、泣きそうだよ私は…。

本当なら今すぐにでもザジさんにダイブして思いっきりモフモフしたいです。が、リルさんが邪魔なんです。

「おい、ザジまでそっちに行くことないだろ…。」

モフモフの絆は強いんですよーだ。

『ザジさん、すいませんが今日も向こうの部屋でお願いできますか?』

『わかったわ。良いわよ』

私はリルさんをチラッと見て、ニヤリと笑ってから、ザジさんと一緒に部屋を出た。

「おい、ザジ!どこに行くんだ…。サファイア…お前…気のせいか…いま俺の方を見て笑っただろ!おい!待て!」

リルさん、やられたらやり返すは常識ですよ。






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