34 / 88
34. 満月の夜 再び 〈アデル視点〉
しおりを挟むあ~。待ちに待った満月の夜がやっときたよ。
長かったよ~。
サファイアと言葉を交わせるのが満月の夜だけなんて酷いよね。
今日の為に色々と準備はしたんだ。
サファイアに聞きながらやったけど、不思議そうな顔をしてたよ…。
…その顔がまた可愛いのなんのって…。
その内に、いつもの百面相し始めてさ…もちろん録画したよ。
後で楽しむんだ。フフッ…。
今日は、人間の姿のサファイアも撮影するつもりなんだよね。
あんなに可愛い姿が満月の夜だけしか見られないなんて…酷いよね。
何回も言うけど…。
いつでも、人間の姿のサファイアを見れる様に、撮影しておけば良いということに気がついた時は、僕って天才かと思ったよ。
それに、いろんな姿のサファイアが見たいのでドレスもアクセサリーもいっぱい用意したよ。
今から楽しみで仕方ないよ。
サファイアがウトウトし始めたね。
月の光があたる所に移動しようね。
僕は抱きかかえて頬擦りした。
やっぱり、思ってた通りだ。
月の光を浴びたらサファイアが光始めた。
さぁ、愛しいサファイア…早く人間になるんだよ。
光が収まると、前と同じで人間の姿のサファイアがいた。
しかも、僕の腕の中に…。
し、幸せだ…。
「あの~、なぜ私は抱きしめられているんでしょうか?」
あ~、可愛い声だね。
「すいません。つい…」
やっぱり、離さないとダメか…。
「また、アデル様のお屋敷にお邪魔させて頂いているんですか…私?」
猫の時の事を覚えていないから、そうなるよね…。
僕が離そうとした時、慌てて執事がやってきた。
「お楽しみの所申し訳ございませんが、お客様がいらっしゃっています」
邪魔しないで欲しいんだけどなぁ~。
誰だよ客って!
「わかった。行くから客間で待ってもらって」
僕は、しぶしぶ、返事した。
「いえ、それが…もうここに…いらっしゃいます…」
執事は言いにくそうに話した。
はぁー!?不躾な奴だな誰だよ…と思っていたら、扉から男が現れた。
「夜分にお伺いして申し訳ありません。私、クルシュナ=ナラジアと申します。妹のサファイアがこちらにいると聞きまして会いにきました。」
サファイアのお兄さん!
「お兄様!生きてらしたのね」
サファイアが兄に抱きついて泣いている。
いいなぁ~。
僕にもギュッと抱きついてくれないかな…。
おっと、それどころじゃないね、頭を切り替えないといけない。
「誰からサファイアがここにいると聞いたのですか?」
誰か情報を漏らしているのか?
「私は動物達と話すことができます。動物達から聞いたのです」
何と!羨ましいーー!!
その能力があれば猫のサファイアとも会話できる。
いいなぁ~。
いかん、いかん。頭を切り替えて…。
「あなた達、兄妹に一体何があったのですか?良ければお聞かせ下さいませんか?」
サファイアは何も覚えていないしね。
「…わかりました。私達の味方になって下さるのでしたら、お話しをします」
サファイアの兄、クルシュナが話し出した…。
10
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる