神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

縁 遊

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52. 私の両親

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お兄様が東の魔女のエルナさんの所に迎えに来てくれたので、私はお屋敷に帰れる事になった。

嬉しかったのだが…只今、お説教されています。

「サファイア、もう勝手に屋敷を抜け出したりするんではないぞ。お前に何かあったら…両親になんと言えば良いのか…」

「申し訳ありません…お兄様…反省しています」

「本当か?」

「はい…」

私だって怖い思いは、もうしたくありませんから。

「そう言えば私の両親はどんな方はなのですか?」

「…まだ、記憶は戻っていないのか?」

「すいません…また、ハリーさんにモフモフさせてもらえれば思い出すかもしれないですけど…」

私の願望ですね。

「俺達の両親はそうだな…優しくて強い人達だな。辺境伯だから父上は剣の腕も凄いぞ。母上は普段はおっとりとしているが、怒らせると怖いな…父上も負ける迫力がある人だ」

そうなんだ…話しを聞いても思い出せないな…。

「お二人は無事なんですか?」

「お前を誘拐した男の手下に見張られているみたいだが…大丈夫みたいだ…。ただ、危険なので会いには行けないが…」

残念です。お会いすれば思い出すかもしれないと思ったけど駄目なんですね。

「サファイアの事を大事にしていたよ。本当ならあの男に婚約を申し込まれたら断る事は難しいのだが、娘が幸せになれそうにないと考えて断ったくらいにね…」

あの男が私の婚約者?そういえば、花嫁にしてやる…みたいなことを言っていましたね。

ない、ないですよ。
よく、断ってくれました。
両親に感謝します。
あんな男と結婚したら不幸になるのが目に見えています。

私の両親は見抜いていたんだね、あの男の本性を…。

会ってみたいな…。

でも、今の姿だと両親は気がつかないかもね。

フフッ…。

「どうした?急に笑って…」

「いえ、今の姿で両親と再会しても気がつかないかも…と思っていたら可笑しくなってしまって…」

「そうだな、俺は犬でお前は猫だからな…しかも、言葉が通じない…ただの人懐っこい動物だと思われるかもな…」

フフッ…。
二人で顔を見合って笑った。


猫になってからの日々があっという間に過ぎていく気がする。

沢山の人や動物達と出会いがあって、私は助けられている。

ありがたいな。

そう言えば…最近、神様から何も言ってこないけど、どうなっているんだろう?

いろいろと協力するとか言っておきながら…連絡してこないなんて…どういう事?

ザジさんを助けて欲しいという願いは聞こえていたみたいだけど…。

お礼も言っとくべきなのかな?

スランプだから…どうのこうのって言ってたけど、スランプも抜けたのかな?

今はお兄様と一緒だから、後で交信してみよう。

神様、元気かな…。





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