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7. 戸惑い
私は思い立ってエルド様のお屋敷に来てしまった。
屋敷の者達は私を見て驚いていた様子だったが、すんなりと屋敷に入れてくれた。
今までエルド様と会うことに緊張したことなんてなかったけど…ドキドキして治まりませんわ。
「お待たせいたしました。エルド様が来られました」
私はソファーから立ち上がりエルド様に頭を下げた。
「急にお伺いして申し訳ありません」
「いや、構わない…どうぞ座って下さい」
ん…いつもより言葉が多い?
「実はエルド様に謝罪とお聞きしたいことがありましてお伺いしました」
「聞きたいこと?」
やっぱりいつもより言葉が多いわ。
いつもなら、「ああ」とか「そう」とかで終わるのに…。
「まずは、結婚式を台無しにして申し訳ありませんでした。もっと早くに結論を出すべきでした。でも、このまま婚約解消するとしても分からないことがあるので教えて頂きたいのです…。私はなぜエルド様に口もきいていただけないほど嫌われてしまったのでしょうか?」
言えた…聞けたわ。
エルド様何て答えてくれるのかしら?
「…クレアを嫌ってなんかいない」
え?
私が驚いて目を見開いているとエルド様が続けて、
「私が悪かったのだ…。クレアは悪いところなどない。素敵な…人だ」
今、素敵な人と言うのに詰まりましたね。
本当にそう思っていますか?
「では、どうして私とお話をしてくださらなかったのですか?」
エルド様は少し困った顔をした。
「…クレアといると緊張して上手く話せなかったのだ。貴女といるとドキドキして上手く話す事ができない。今もそうだが…」
エルド様の笑顔を久しぶりに見た。
顔が赤くなるのが自分で分かる。
「そんな…。私が誤解していたと…勝手にエルド様に嫌われていると思っていたということですね…」
「自分を責めないでほしい。全て私が悪いのだ…」
エルド様…結婚式を台無しにした私にも気を使ってくださるなんて…優しすぎますわ。
今更ですが、エルド様はやはり素敵な人だったのですね。
私がもっと早くに気がついていれば…。
「実は私もクレアに会いたいと思っていました。今までの事を謝らなければと…」
エルド様が私に謝る?
「私は今までクレアに対してあまりにも言葉足らずだったと反省している」
ご自分でも自覚があったのですね。
「もう済んだことですわ…気になさらないで下さい」
「いや、私は済んだことにしたくないのだ。私は許されるのならクレアとやり直したいと思っているのです」
「え…」
2人ともその後の言葉が出てこなかった。
「…やはり、許してはもらえないのだろうか」
「…い、いえ。そうではないのです…」
次回最終話です。
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