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23. 学校始まっちゃったよ
しおりを挟むブラッディーガール1人を見つけることができて、契約も無事に済んだまでは良かったんだけど…いつまで経ってもブラッディーボールが出てくる気配がありません!
僕だって努力したよ!
玉葱を切って涙を流したり、悲しい物語を読んで涙を流したりしたんだけど…ダメだった。
ヴァン様にも「まだなのか!?」って毎晩言われてるし…辛い。
あれからも他のブラッディーガール探しは継続中なんだけど…。
もう学校が始まるから、毎晩出掛けるのは正直言って精神的にも肉体的にもキツすぎます。
…と言うことで、ヴァン様を何とか説得して学校が休みの前の夜だけはブラッディーガール探しをするということになりました。
いや~…こうなるまでにかなりの体力と精神力を削られたけどね。
ブラッディーボールも焦っても出てくる気配もないし…のんびり待つしかないのかな。
何て考えていたらブラッディーボールがでないまま…学校が始まっちゃったよ。
大丈夫なのかな…。
「おはよう!どうしたんだよ、元気がないな!」
学校の門の前で急に身体が前に倒れそうになった。
原因は…後ろから物凄い力で背中を叩かれたからだ。
思い当たる人物は1人…。
「ウル、痛いよ!君の力は強いんだから加減してくれないとケガするよ…」
後ろを振り返ると…やはり、僕の学友のウルがいた。ブロンドの短髪にスリムな身体をしていて、見かけは力があるように見えないのに物凄く力が強いんだよね。本人は力が強い特殊な家系なんだとは言っていたけど…。それにしてもありすぎるんだよ~。背中がまだ痛い…。
「え?ごめん。加減したつもりだったんだ。許せ!」
手のひらを合わせて頭を下げている。…けど顔をチラッとあげて上目遣いで僕の様子を伺っているのが見えてるよ。
まあ、いつもの事だからね。
「今度こそ本当に気をつけてね!」
「はい!フルド様!」
わざわざ僕の名前に様なんかかつけて…わざとらしいな。
ウルは気心のしれた親友だと思っているけど、少しお調子者の所があるんだよね。
良い奴なんだけど、学校では力の加減を間違えて物品をよく壊すから先生に目をつけられているんだ。
力がありすぎるのも困ったもんだよね。
そういえばウルには妹さんがいるって聞いたことがあるけど…妹さんも力が強いのかな?
「あっ、そういえばフルドって休みの間何してたの?」
「え…。ん~、家で読書?」
「何で自分の事なのに疑問形なんだよ。相変わらずボーとしてんな。やっぱりまだ寝ぼけてんだろ?」
ウルは大笑いしてるけど、まさか夜にご先祖様のコウモリと出掛けていたので日中はほとんど寝てました…何て言えないからね。
だけど寝ぼけてはないから!
細目になっているのは、日の光が眩しすぎるからだからね!
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