ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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41. まさかの…!

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「あのさ…聞いて欲しいことがあるんだけど放課後に時間もらえるかな?」

 昼休みにウルがいつもの半分くらいのご飯を食べながら言ってきた。

「予定は無いから良いよ」

 僕もウルに聞きたいことがあるしね。どこまでを正直に言うかの問題はあるけど…。

 それにしても元気がないな。

 寝不足?

 それだけでもなさそうだしな。

 考えていたらあっというまに放課後になっていた。

 ウルは授業が終わるとすぐに僕のところに来てくれた。

「すまんな…。場所移動しようか」

「わかった」

 ウルが先を歩きながらどこで話すかを考えているみたいに見える。

 人に聞かれたくない話みたいだな。

 だんだんと人気のない方に向かっている。

 校舎の一番端にある普段はあまり使われていない教室の前で止まった。

「ここでも良いか?」

「僕はどこでも良いよ」

 教室の中に入るとウルは回りを見ながら扉を閉めた。

 いつもなら絶対にしない行動だったので、少し驚いた。

 ウルがこんなに慎重になっているのを初めて見たかも…。

「どうしたの?いつもと違うね」

 気がついたら言葉に出してしまっていた。

「そうか…?いや、そうかもな」

 照れたように笑っている。

「…で、何があったの?」

 ウルは少しの沈黙の後ポツリポツリと話し出した。

「……実は、俺じゃなくて妹の事なんだ」

「妹さん?」

 そういえばウルには妹がいるって聞いたことがあったな。

「妹さんがどうしたの?」

 もしかして悪い病気とかなのかな。

「……今からする話は誰にも秘密にしてくれるか?」

「うん」

 そんなに重要な話?

「俺の一族は実は…ウルフ族なんだ」

「そうなんだ…」

 実は知っていると言ったらウルが驚くだろうから知らないことにした。

「あんまり驚かないんだな?」

「え!いや、そんなことないよ。驚きすぎてリアクションにでなかっただけだよ!」

 僕って本当に演技はダメだね。上手くいくのはヴァン様相手の時だけなのかな…。

 落ち込むな…。

「え…と、ウルがウルフ族なのと落ち込んでいるのとは関係があるの?妹さんのことで悩んでいるんだよね」

「ああ…。ウルフ族の女性だけに伝わる話と言うのがあってな…それで悩んでいるんだ」

 あれ?何だか聞いたことのあるフレーズの様な…。

「それってどんな話なの?」

「実は幸せのコウモリって知っているか?」

 えええーーー!!!

 それってヴァン様じゃない?!

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