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2-45 なぜか一族登場…
しおりを挟むあの後、ヴァン様はお城を出るとすぐに「家に帰る」と言って僕の前から姿を消してしまいました。残った僕は…王様から後日慰労会という名の招待状を頂いて一人で王様に謁見することになっちゃいました。
今はこれから王様にこれまでの事をきちんと話せるだろうかと考えるだけで緊張マックスの状態です。
とりあえずお城に到着して、通された部屋には慰労会との名の通り大きなテーブルの上に沢山の美味しそうなご馳走が置かれています。でも今の僕は何かを食べる気にはなれないんですけどね…。
執事さんに指定された席に取り敢えず座り王様を待ちます。
椅子が沢山あるのはテーブルに合わせて置いてあるのかな?と少し気になったけど、どこから王様に説明するのかとかを考えないといけないのですぐに自分の世界に入ってしまっていました。
暫くすると部屋の外が騒がしくなり王様が来られたのがわかりました。
部屋の扉が開き王様の姿が見えたのですが…。
「いや、待たせたな。今日は妻と子供達も一緒なのだが…良いだろうか?」
事後報告だけど断ることはできないですよね?
「…は、はい」
予想していなかった人物達の登場に緊張がマックスを振りきってるかも!
「ごめんなさいね。私達がどうしても貴方にお会いしたいとお願いしたの…。ヴァン様の子孫の方と一度きちんとお話がしたいと思っていましたのよ」
王妃様がニコリと微笑まれながら話してくれているが、ヴァン様の子孫…もしかして、ヴァン様って王妃様にも同じような態度でお話をしてたのかな。
「そうですねお母様。私もヴァン様の子孫の方に会えるのを楽しみにしていました」
王妃様にそっくりな第一王子が爽やかな笑顔を見せる。
ヴァン様って王様だけじゃなくて王子とも関わってるのか?
「本当にそうですわ。あの何年経っても美しい秘訣とかをご本人にお聞きしても教えて下さらないから、是非この機会に教えて頂きたいと思っておりますの」
テーブルから身を乗り出すようにして話をしているのはこれまた王妃様そっくりな第一王女だ。
ヴァン様の美の秘訣…ブラディーガールとかブラディーボールが関係してるだろね。だけどそれはどこまで話して良いのか…僕一人の判断では難しいです。勘弁してほしい。
僕はただ聖女と教皇の話をして、獣人さん達の国のこととかもお聞きしないと…と思って来ただけなのに何だか違う空気感が漂ってます。
あっ、胃が痛い。
やっぱりヴァン様を無理やりにでも連れてくるんだったと後悔したのは言うまでもないです。
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